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中国の軍事力に関する米年次報告書:南シナ海支配の拡大とミサイル戦力の強化
http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50768010.html
2016年05月14日 18:44 海国防衛ジャーナル
米国防総省が中国の軍事動向に関する年次報告書を発表しました。
[PDF] Annual Report to Congress: Military and Security Developments Involving the People’s Republic of China 2016 (米国防総省)
個人的に関心のある箇所と2015年版では触れられていなかったところをメモ代わりにまとめておこうと思います。
◇ ◇ ◇
■南シナ海問題
・中国は南シナ海において、過去2年間で7つの岩礁を埋め立て、その面積は3,229エーカー(約13平方km)に及ぶ(筆者注:2015年には500エーカー)。同地域で領有権を主張している他の国々が同時期に埋め立てた土地が50エーカー(0.2平方km)である。
(報告書より作成。)
・これらの人工島は、中国にいかなる領土・領海、排他的経済水域も与えないが、中国はこれらを軍民共用拠点として利用するだろう。
・2014年までに埋め立てを終えた4つの人工島は、インフラ整備の最終的な段階に入り、通信・監視、兵站システムも建設した。
・残りの3つの人工島にはより大規模な拠点があり、2015年10月までに埋め立て作業が終わり、インフラ建設段階へ移行しつつある。
・3つの人工島それぞれに約3,000mの滑走路を持つ飛行場があり、現在、大規模な港にくわえてその他通信・監視、兵站システムを建設中。
・軍民共用のインフラを建設することで、領有権争いにおけるライバル国や第三国の動向を探知し、それに対処する中国の軍隊や沿岸警備隊の柔軟かつ持続的なプレゼンスを維持しうる。
■ロケット軍
・DF-16、DF-21C/DをCJ-10が補完する(筆者注:弾道ミサイルと巡航ミサイルの補完関係に触れたのは初めて)。
・DF-26が配備されれば、地上目標に対する精密攻撃を担い、アジア太平洋地域の戦略的抑止力となる。
・DF-26は、中国にとって初めての戦域目標に対する核精密攻撃戦力となる。
・DF-21D対艦弾道ミサイル(ASBM)の射程は1,500km(筆者注:2015年までは1,700km(900nm)と表記)。
・ICBMは約75〜100発(筆者注:2015年の50〜60発から増加)。
・サイロ発射型のDF-5、DF-5B(MIRV化)、移動発射型のDF-31、DF-31A、DF-4。
■海軍
・アジアで最大数の艦船を保有する。
・主要任務は「近海」の防衛だが、第一列島線を超えた「遠海」での任務へとシフトしつつある。
・潜水艦の近代化も主要課題のひとつであり、攻撃原潜×5、弾道ミサイル原潜×4、通常潜×53を持つ。
・2020年までに、69〜78隻の潜水艦を配備する。
・商級SSNは、VLSにYJ-18対艦ミサイルを搭載する。
・JL-2 SLBMの射程は7,200km(筆者注:2015年までは7,400km)。
・2016年のうちにSSBNによる初の核抑止パトロールが実施されるだろう(筆者注:2015年版には2015年中に開始すると記載)。
・096型SSBNは、JL-2、JL-3を搭載予定。
・2隻目の052D型駆逐艦が就役した。
・055型駆逐艦の建造が始まっている。
・054Aフリゲートは20隻就役中(2015年は17隻)。
・056型コルベットは25隻就役中(2015年は20隻)。
■空軍と海軍航空隊
・2015年にJ-20の5号機と6号機が試験飛行開始。
・H-6爆撃機の最新型であるH-6Kは精密誘導巡航ミサイルのキャリアーとして、グアムに対する長距離スタンドオフ攻撃をもつ。
・2015年、H-6Kが西太平洋へ進出し、長距離演習を実施。
・すべてのH-6型(H-6H、H-6M、H-6K、H-6G)は、ウェポンベイに重力爆弾、精密誘導爆弾、機雷を搭載できる。
・H-6Uは国産戦闘機に空中給油が可能だが、現時点で空中給油試験を行っていない。
・2015年、南シナ海・永與島(Woody Island)に建設された3つの飛行場において、海軍は4機のJ-11Bを配備した。
■核抑止
・ICBM、SLBMの開発だけでなく、戦略抑止能力を持つ爆撃機の開発も継続している。
・長距離ステルス戦略爆撃機を開発するという意図を持っているとされる。
・中国は「核の三本柱」を確立していくのだろう。
【関連過去記事】
(2016/0512) グアムを狙う中国の各種ミサイル(DF-26、CJ-20、YJ-12、YJ-18)
(2015/5/11) 中国の軍事力に関する米年次報告書:海軍と第二砲兵の拡大が顕著
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