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ロンドン(CNNMoney) 英国の軍事情報企業IHSジェーンズ(IHS)は3日までに、石油産出国であり国防費の規模では世界の上位国であるサウジアラビアとロシアが長引く原油価格安を受け、軍事費の切り詰めを強いられていると報告した。
両国ではこれまで国防費削減はあってはならない選択肢と受け止められてきた。IHSのアナリスト幹部は、両国が現在直面する国防や治安面での懸念は軍事費が年間15〜20%伸びていた時期よりはるかに重要なものとなっているが、軍事費をさらに増やす財政的な余裕はもうないと述べた。
IHSの調査データによると、ロシアの今年の軍事費は492億米ドル(約5兆5100億円)で、昨年の515億ドルからは5.6%の減少を示した。サウジは3.6%縮小の459億ドル。
ロシアは近年、国防費を増やし、軍事能力の向上を狙った分野に集中投資をしてきた。しかし、政府歳入の約半分を原油やガス輸出の収益に頼る中で、原油価格安に襲われ、大きな打撃を受ける結果となった。今年の財政赤字は、対国内総生産(GDP)比で3%に達すると予想される。プーチン同国大統領が許容出来るとするぎりぎりの水準となっている。
ただ、赤字幅は拡大するとの見方もある。ロシアは1バレル当たり50ドルの原油価格を想定して政府予算を組んでいるが、現在の原油価格は約38ドルと低迷している。
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サウジも原油価格の低落で巨額の国家予算赤字に直面している。原油輸出の収益は国家歳入源の75%を占める。昨年の赤字幅は約1000億ドルに達し、今年は支出規模の14%削減を決めた。同国政府は予算の均衡を図るためガソリン価格の値上げなどの対策を打ち出している。
サウジによる軍事費削減は、イエメンやシリア、イラクなどを含む中東地域の治安情勢が悪化する中で行われた。中東諸国での軍事費支出は2012〜14年の間、世界の他地域をしのぐ速度で膨らんだ。しかし、原油価格安を受け、15年から表面化した軍事費の節約は今年はさらに進むと予想されている。
米証券大手モルガン・スタンレーは原油価格の低迷で恩恵を受けているのは大手輸入国のインドと分析。昨年には最大で470億ドルの節約が出来たと推定している。IHSによると、インフラ基盤の整備費や補助金削減に回せる財源が生まれ、国防費の13.1%増にもつながった。
結果的には各国別の軍事費では、サウジやロシアを抜き、世界4位に浮上した。2012年の統計では、インドは兵器輸入額で中国を上回り、首位になっていた。
http://www.cnn.co.jp/world/35080594.html
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