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それでもシリア侵略を諦めないトルコ、サウジ、その黒幕の米好戦派は戦闘を続けるが、EU攻撃も(櫻井ジャーナル)
http://www.asyura2.com/16/warb17/msg/515.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 4 月 12 日 14:11:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

それでもシリア侵略を諦めないトルコ、サウジ、その黒幕の米好戦派は戦闘を続けるが、EU攻撃も
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201604120000/
2016.04.12 05:44:40 櫻井ジャーナル


 シリアを侵略、バシャール・アル・アサド体制を倒す計画は頓挫した。昨年9月30日にロシアが始めた空爆が戦況を一変させたのだが、アメリカの好戦派、サウジアラビアの支配層、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン政権、イスラエル政府などは、まだアサド体制の打倒を諦めていないようだ。こうした侵略勢力は地対空ミサイルを含む物資の補給を続け、トルコ政府は侵略部隊を救出するために特殊部隊をアレッポへ派遣したと伝えられている。

 そのトルコ政府は難民を送り込んでEUを脅した。トルコが難民を国内に留める代償としてEUは2年間で60億ユーロ(約7500億円)をトルコへ支払うらしいが、そうした恐喝的な行為だけでなく、シリア侵略を続けようとする背景には、アメリカやカタールが目論む石油戦略があるとも言われている。

 今年1月にヨルダンのアブドラ国王がアメリカの議員を会談したときのメモがイギリスのガーディアン紙にリークされ、その中で「テロリスト」がヨーロッパへ渡っているのはトルコ政府の政策の一部だと説明している。
http://www.theguardian.com/world/2016/mar/25/sas-deployed-libya-start-year-leaked-memo-king-abdullah
ヨルダン政府はこの報道を否定しているが、昔からヨルダンの政府や軍はアメリカの傀儡で、国王と対立することもあった。

 例えば、1970年9月にヨルダン軍はPLOを攻撃して多く死傷者が出ている。いわゆる「黒い九月」だが、こうした攻撃にフセイン国王は反対していた。攻撃の1年前、1969年9月にその国王をヨルダン軍の幹部は、PLOを攻撃させなければ拘束すると脅している。

 攻撃の時にヤセル・アラファトPLO議長の家も戦車に砲撃されたが、間一髪のところで本人は避難、エジプトのガマル・ナセルがアラブの代表としてヨルダンへ送ったクウェートの国防大臣がナセルと服を交換してアラファトを救い出している。アラファトとフセイン国王はカイロで握手、ヨルダンの内戦は終結した。ナセルが心臓発作で急死したのは、その翌日のことである。

 2014年、アメリカはロシアからEUへエネルギー資源を運ぶルートになっていたウクライナに傀儡政権を樹立させるためにクーデターを実行した。ロシアから黒海を横断してブルガリア、セルビア、ハンガリー、スロベニアを経由、イタリアへ至る「サウス・ストリーム」の建設計画を潰すためにアメリカ政府はブルガリア政府に圧力を加え、建設許可を出させなかった。トルコを経由する計画はトルコとロシアとの関係悪化で無理な状態である。

 アメリカはカタールからサウジアラビアを経由、シリアからトルコへ入ってEUへ運ぶパイプラインの建設を計画していたが、これはシリア政府が2000年に拒否した。シリアのアサド政権を倒して傀儡体制を作りあげればこの計画は実現し、イラン、イラク、シリア、そしてEUへというパイプラインを潰すことができる。

 ロシアとEUとの関係を断ち、ロシアの石油販売ルートを破壊する上でシリアは重要な位置を占めている。シリア侵略にはいくつもの理由があるだろうが、石油戦略は大きな理由のひとつであり、その先には20世紀初頭から米英の支配層が狙っているロシア支配がある。

 1992年のはじめにネオコン/シオニストは国防総省のDPGの草案という形で世界制覇プランを作成している。旧ソ連圏だけでなく、西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰し、膨大な資源を抱える西南アジアを支配しようという計画で、「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。その前年、国防次官だったポール・ウォルフォウィッツはイラク、イラン、シリアを5年以内に殲滅するとも口にしていた。
https://www.youtube.com/watch?v=QHLqaSZPe98

 1991年12月にソ連が消滅すると、ネオコンたちはアメリカが「唯一の超大国」になったと考え、その体制を永続させるために潜在的なライバルを潰すことにしたのだ。その中にはEUも日本も含まれている。すでに属国化していても、ロシアのように再独立する可能性はあり、そうならないように手を打つということだ。

 EUの場合、すでにアメリカはNATOという支配の仕組みを持ち、破壊活動(テロ)を実行するための秘密部隊も存在している。そのひとつがイタリアのグラディオで、1960年代から80年代にかけて「極左」を装って爆弾攻撃を繰り返し、クーデターも計画していた。グラディオの存在は1990年にジュリオ・アンドレオッチ首相が公式に認めている。1978年5月にアルド・モロ元首相を殺した背後にもグラディオが存在していると疑われている。アメリカ支配層はモロを「容共的」だと考え、嫌っていた。

 グラディオを含む「NATOの秘密部隊」は全てのNATO加盟国に存在、フランスでは1961年に創設された反ド・ゴール派のOAS(秘密軍事機構)にも関係している。その資金源と言われている会社がパーミンデックス。1958年当時、社長兼会長を務めていたルイス・モーティマー・ブルームフィールドはイギリスの情報機関SOE(特殊作戦執行部)に所属していたことがある。アメリカの情報機関を作り上げたのはこのSOEだ。後にジョン・F・ケネディ米大統領暗殺に絡んで逮捕、起訴されるクレイ・ショーはパーミンデックスの理事だった。

 OASはド・ゴール政権を倒すためにクーデターを計画する。まずアルジェリアの主要都市を支配し、そこからパリへ攻め込んで制圧するという内容だった。こうした動きを察知していたケネディ大統領はジェームズ・ガビン駐仏大使に対し、必要なあらゆる支援をする用意があるとド・ゴールへ伝えるように命じている。つまり、クーデターが実行された場合、アメリカ軍を投入するというわけだ。追い詰められたOASは1962年6月に休戦を宣言するが、一部は暴走し、8月にド・ゴール大統領の暗殺を試みて失敗している。

 侵略軍の傭兵、つまりダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の戦闘員は多くがリビアへ移動しているというが、OASのように、そこからEUへ攻め込もうとしているかもしれない。

 NATO加盟国であるトルコにも秘密部隊が存在、「民族主義者行動党」の青年組織として創設された「灰色の狼」も含まれていると言われている。この団体のメンバーはシリアへ侵入して戦闘に参加、トルコ軍機がロシア軍機を撃墜した際、ロシア軍機から脱出した乗員を殺害している。NATOの秘密部隊ネットワークは難民問題を利用してEUで破壊活動を続ける可能性もある。

 

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