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【3月24日 AFP】フランスのパリ(Paris)やベルギー・ブリュッセル(Brussels)そして、シリアやイラクの戦場など、様々な場所で広く使われている爆薬「TATP(過酸化アセトン)」──簡単に作ることができ、殺傷能力の高いTATPは、別名「サタン(魔王)の母」とも呼ばれ、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」も好んで利用するという。
ベルギーのレデリク・ファン・リーウ(Frederic van Leeuw)検察官は23日、今週起きたブリュッセルでの襲撃事件のあと、TATPの材料が戦闘員らの隠れ家で見つかったことを明らかにした。アセトニン150リットル、過酸化水素水30リットル、起爆剤、くぎやねじが詰まったスーツケースのほか、TATPそのものも15キロあったという。
19世紀末にドイツの化学者が発見したTATPは、アセトンや過酸化水素水、硫酸、塩酸、硝酸などの酸を正確な分量で混ぜ合わせ作る自家製の爆薬だ。アセトンはマニキュアの除光液の主成分で、過酸化水素水は殺菌剤として一般的に用いられている。これらを混ぜると白い結晶の粗粉末ができ、あとは簡単な起爆剤さえあれば大規模な爆発を起こすことができる。
戦闘員らは当初、こうした爆薬をこっそりと作っていたが、その規模は徐々に大きくなっていった。今では研究所が設置されるまでになり、シリアやイラクでTATPやそのほかの爆発物を製造するようになった。
英ロンドン(London)を拠点に小型兵器の調査を行っているNGO、紛争兵器研究所(Conflict Armament Research)が2月に発表した報告書によると、準工業レベルで自家製爆発物を作るのに必要な材料が、世界51企業によりISに提供されていることが指摘された。トルコやロシアだけでなく、ベルギーや米国など、企業の国籍は20に上るという。
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■「台所でも作れる」
「インターネットで指導ビデオを見れば十分と言われることもあるが、それは違う」──そう話すのは、爆発物に詳しい仏軍の専門家だ。
「少なくとも1回は、どうやって作るのかを誰かが示す必要がある。だが、シリアやイラクのISでは、インストラクターとなる戦闘員が大勢いる。そして一回教えてもらえば、後は自分の台所でも作ることもできる」と述べた。
最も注意を要するのは、混合物に酸を加える時。熱を発し、発火する恐れがあるからだ。それでも、防御として必要となるのは顔を覆うマスクだけだという。
TATPは、昨年11月13日のパリの同時テロ事件で自爆ベストの爆薬として使われた。また、ブリュッセルの空港や地下鉄で22日に起きた爆発事件でも使用されたとみられている。
ブリュッセルの事件では、31人が死亡し、270人が負傷した。負傷者の多くは重度のやけどに苦しんでいる。
起爆剤は、ペースト状の詰め物の入った薄い金属チューブで作られる。つながれた2本の電線で火花を起こし、発火する仕組みだ。だが、こうした起爆剤は、一般的な販売店で簡単に購入できる。実際、パリ同時テロ事件の実行犯の一人として先週、ベルギーで身柄を拘束されたサラ・アブデスラム(Salah Abdeslam)容疑者は、パリの花火ショップで花火用の発火装置を何の疑いも持たれずに1ダース購入していた。
「TATPの大きな問題は、材料が簡単に入手できることだ」とフランスのテロ対策担当の治安当局者は語る。
「われわれは、過酸化水素水の販売を監視することはできる。しかし、彼らがもし賢ければ20の薬局で少量ずつ分けて買うだろう。それは、アセトンや酸についても同じことだ」
(c)AFP/Michel MOUTOT and Herve BAR
http://www.afpbb.com/articles/-/3081538
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