http://www.asyura2.com/16/warb17/msg/361.html
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英国を含む欧米諸国は、この5年間、アサド批判(アサド退陣要求)を繰り返し、反アサド勢力を軍事的資金的に支援することでシリアの内戦を激化・長期化させてきただけだ。
欧米諸国やシリア内戦に介入した中東諸国は、シリアで死体の山を高くしただけで、内戦を終わらせる端緒さえ作り出すことをしなかったのである。
欧米諸国は、そういう総括をきちんとしないまま今現在、ロシアの動きに追随して「シリア和平会議」を後押している。
(これまでの姿勢(アサド氏退陣)を今なお国際正義だと考えているのなら、前提が違う「シリア和平会議」はボイコットすべきだろう)
欧米諸国主要メディアは、「ロシアの行動がシリアの長期的安定の回復に貢献したとの証拠はない」といったケチを付けるのではなく、「シリア和平会議」がシリアの長期的安定の回復につながっていくよう主張や提言を行わなければならないはずだ。
シリア各勢力がアサド大統領の去就問題を一時棚上げして和平協議を進めようとしているのに、プーチン大統領について、「彼がアサド氏支援に固執する限り、シリアの苦悩に終わりは来ないだろう」と主張しているのは的外れである。
それはともかく、プーチン大統領は、アサド派世俗政権にこだわるとしても、アサド大統領自身の存続に固執することはないだろう。
それは、プーチン氏の良心といった問題ではなく、政治的駆け引きとしてそれくらいの知恵は働かせるということだ。アサド氏本人でなくともアサド的世俗統治を遂行することはできる。
奇妙な主張をしているFTは、世俗派の政権ではなく、イスラム主義的政権を望んでいるのだろうか。
※関連参照投稿
「ロシアの軍事作戦はシリアの平和への道を開いた:シリア内戦介入諸国が協議し決断すれば終わることなのにおぞましい世界」
http://www.asyura2.com/16/warb17/msg/355.html
「米、シリア反体制派支援を縮小 ロシア攻撃で大打撃:ロシアのシリア軍事介入のこれまでと今後:巡航ミサイル4発イラン領に着弾」
http://www.asyura2.com/15/warb16/msg/158.html
「ロシア空爆、「イスラム国」不在地域か 米国防長官批判:空域競合で危険になるため、米露は否応なくシリア問題で実質的交渉へ」
http://www.asyura2.com/15/warb16/msg/112.html
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〈FT特約〉プーチン氏の空虚な「勝利」 シリア内戦は終わらず
ロシアのプーチン大統領は国際問題でしばしば人を驚かせてきた。今回のシリアからの「主要部隊」の撤収もそうだ。プーチン氏は当面の目標を達成したと考えているようだ。昨夏、アサド政権は今にも崩壊しそうだったが、介入で政権は存続できた。これが最重要の成果だ。
地政学上の目標も達成した。中東における影響力が強まり、米国はシリアの将来を決めるにあたってプーチン氏の関与を得なければならなくなった。国内ではメディアが軍事的大勝利と喧伝(けんでん)し、政権は6カ月後の議会選挙で一段と有利になった。
だが、視野を広げて見ると、ロシアは2つの点で大きな失敗を犯した。過激派組織「イスラム国」(IS)が依然としてシリアの広大な土地を支配下に置いている。テロと戦うために介入したと言ってきたが、それは見せかけにすぎなかったことが明らかになった。
さらにロシアによる空爆は地上の勢力図を変えられなかった。シリア内戦が始まって5年。暫定的に休戦が実現し、ジュネーブで和平交渉が始まり、一条の希望の光が見えている。だが、ロシアの行動がシリアの長期的安定の回復に貢献したとの証拠はない。反アサド政権勢力は依然強力だ。
プーチン氏は今週「使命は達成された」と宣言したのかもしれないが、彼がアサド氏支援に固執する限り、シリアの苦悩に終わりは来ないだろう。
(17日付、社説)
=英フィナンシャル・タイムズ特約
[日経新聞3月18日朝刊P.6]
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