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ISなど侵略軍を壊滅させつつあるロシア軍機を撃墜するため、サウジ政府が地対空ミサイルを供給へ
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201602200000/
2016.02.20 22:25:25 櫻井ジャーナル
サウジアラビアのアデル・アル・ジュベイル外相は地対空ミサイルをシリアでバシャール・アル・アサド政権を倒すために戦っている「穏健派」に供給、戦況は大きく変わるとドイツのシュピーゲル誌に語った。
アメリカ軍の情報機関DIAが2012年8月に作成した報告書が指摘しているように、シリアで政府軍と戦っている主力はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQI(アル・ヌスラは別名で実態は同じ)。「穏健派」は存在しない。ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)はAQIから派生した戦闘集団で、実態に大差はない。アメリカ政府と同様、アル・ジュベイル外相はダーイッシュと戦うと称してダーイッシュへ地対空ミサイルを供給しようとしているわけだ。
アメリカ/NATO、サウジアラビア/ペルシャ湾岸産油国、イスラエルがアサド体制を倒す戦闘を始めたのは2011年3月。その頃からアメリカ/NATOはトルコにある米空軍インシルリク基地で反シリア政府軍を編成、訓練している。教官はアメリカの情報機関員や特殊部隊員、イギリスとフランスの特殊部隊員。それ以降、現在に至るまでトルコは反シリア政府軍の拠点であり、ダーイッシュへの兵站線はトルコの軍隊や情報機関MITが守ってきた。
DIAに限らず、アメリカ軍の上層部にはダーイッシュを危険だと考える人たちがいた。報告書が作成された当時のDIA局長、マイケル・フリン陸軍中将はAQI/アル・ヌスラやダーイッシュの勢力拡大をバラク・オバマ政権の決定が原因だと語っているが、こうした政府の政策を懸念した米軍の幹部たちは2013年秋からそうした武装集団に関する情報をホワイトハウスの許可を得ず、シリア政府へ伝え始めたと調査ジャナリストのシーモア・ハーシュは書いている。
統合参謀本部の議長を務めたマーチン・デンプシー陸軍大将もダーイッシュを警戒していたひとりだとみられるが、2015年9月に退任、ジョセフ・ダンフォードへ交代した。その月の終わりにロシア軍が空爆を始めている。
この軍事介入で戦況は一変、侵略勢力は狼狽する。内部告発支援グループのWikiLeaksによると、10月10日にトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はロシア軍機の撃墜を決めたという。撃墜したのは11月24日だが、ポール・セルバ米統合参謀本部副議長が11月24日から25日にかけてトルコのアンカラを訪問、トルコ軍幹部と会談している。
トルコ政府は「国籍不明機」を撃墜したと主張したが、ロシア軍は軍事衝突を避けるため、事前に攻撃計画をアメリカ側に通告していたうえ、アメリカは偵察衛星で監視しているはず。しかもその当時、ギリシャを拠点とするアメリカ/NATOのAWACS(早期警戒管制)機、そしてサウジアラビアもAWACS機も飛行していた。
トルコ政府は、ロシア軍機が国境線から2.19キロメートルの地点まで侵入し、1.88キロメートルの距離を17秒にわたって飛行したとしている。つまり、Su-24は時速398キロメートルで飛行していたことになる。この爆撃機の高空における最高速度は時速1654キロメートルで、トルコ説に基づく飛行速度はあまりにも遅く、非現実的だ。
ロシア側の説明(アメリカやトルコから否定されていない)によると、トルコ軍のF-16は午前8時40分に離陸、9時08分から10時29分まで高度4200メートルで飛行して午前11時に基地へ戻っているのに対し、ロシア軍のSu-24が離陸したのは1時間後の午前9時40分。午前9時51分から10時11分まで高度5650メートルで飛行、16分に目標を空爆、24分に撃墜されている。領空侵犯に対するスクランブルではなかった。
9月30日以降、アメリカは対戦車ミサイルTOWを侵略軍へ大量に補充したと言われているが、政府軍側はロシア製の最新戦車T-90が投入して対抗、侵略軍の劣勢は挽回できなかった。このとき、地対空ミサイルはアメリカ軍機も狙われる可能性があるので供給しなかったようだが、今回、サウジアラビアがダーイッシュへ渡すということだ。
その後、トルコ外相はサウジアラビアの軍用機や人員をトルコのインシルリク空軍基地へ派遣、シリアで地上戦を始めることもできると語り、サウジアラビア国防省の広報担当は、同国の地上部隊をシリアへ派遣する用意があると表明している。やはりダーイッシュと戦うためだという条件を付けているが、この条件が無意味だと言うことはすでに述べた通り。その直後、アメリカのアシュトン・カーター国防長官はサウジアラビアの表明を歓迎すると発言している。
サウジアラビアはシリアへすぐにでも派遣できる15万人の部隊を待機させていると報じられている。この部隊はサウジアラビアのほか、スーダン、エジプト、ヨルダンの軍隊で構成され、さらにモロッコ、トルコ、バーレーン、アラブ首長国連邦、カタールの軍隊も派遣される予定で、マレーシア、インドネシア、ブルネイからは傭兵が送られるというのだが、実際に軍事侵攻するのは無謀。制空権をロシア軍が握っているからだ。地対空ミサイルの供給を言い始めたのは、この脅しが通じなかったからかもしれない。
ただ、サウジアラビアやトルコが核兵器を何らかの形で使う可能性はある。トルコにはNATOの核爆弾B61が80発ほど保管されていると言われ、これを盗み出して使うことも考えられるだろう。何度か書いたことだが、2007年の8月29日から30日にかけてアメリカでは核弾頭W80-1を搭載した6基の巡航ミサイルAGM-129が行方不明になるという事件が起こっている。ミスとは考え難く、軍の幹部が介在した計画的な不正持ち出し、イラン攻撃に使うつもりだったのではないかとも噂されている。
サウジアラビアがすでに核兵器を持っている可能性もある。2013年にイギリスのBBCはサウジアラビアがパキスタンの核兵器開発で資金を提供、その代償として原子爆弾を手に入れられることになっていたと報じているのだ。BBCをどこまで信用できるかは不明だが、可能性はありそうだ。サウジアラビアでは、数週間以内に同国で核実験が行われるという噂も流れている。
イエメンへの軍事介入に失敗、シリアでも自分たちが雇った傭兵が敗走、戦費がサウジアラビアに重くのしかかっているが、それだけでなく、原油価格の急落で財政赤字が深刻化、国が大きく揺らいでいる。サウジアラビアが揺らげばドルを基軸通貨の地位に止めている柱も揺らぎ、アメリカの支配システムは危険な状態になる。そうした中、トルコやサウジアラビアは軍事的な緊張を高めようとしているのだが、その手には核兵器が握られている。
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