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米国、サウジ、トルコがシリアへの軍事侵攻を表明する中、イラクでの放射性物質盗難が表面化(櫻井ジャーナル)
http://www.asyura2.com/16/warb17/msg/209.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 2 月 20 日 00:42:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

米国、サウジ、トルコがシリアへの軍事侵攻を表明する中、イラクでの放射性物質盗難が表面化
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201602190000/
2016.02.20 00:19:31 櫻井ジャーナル


 トルコ軍は数十台の戦闘車両をシリア北西部、国境から200メートルほどの地点まで侵入させ、塹壕を掘り始めたと伝えられている。
http://en.hawarnews.com/dozens-of-turkish-military-vehicles-cross-into-rojava/
トルコにしろ、サウジアラビアにしろ、シリア北部の制空権をロシア軍が握っている状態で本格的な軍事侵攻は無理だと正常な判断のできる人なら考えるわけだが、アメリカのネオコン/シオニスト、サウジアラビア、トルコなどならやりかねないと思っている人がいる。

 侵略勢力、つまりアメリカの好戦派やNATO、サウジアラビアをはじめとするペルシャ湾岸の産油国、あるいはイスラエルなどがシリアのバシャール・アル・アサド体制転覆を諦めたわけではないはずだ。現在、無法地帯になっているリビアはネオコンがヨーロッパを破壊するための橋頭堡になりつつあるが、シリアを同じ状態にすればイランを孤立化し、トルコ、グルジア、ウクライナなどとつながってロシアを侵略する拠点になりえる。

 昨年9月30日にロシア軍が始めた空爆で侵略勢力の手先、つまりワッハーブ派/サラフ主義者を中心とする武装勢力は大きな痛手を負い、このまま進めば敗北は必至だ。そうなると、1992年に作成したネオコンの戦略は崩壊、西側支配層の内部における権力抗争に敗れ、過去の悪事が問題にされる可能性が出てくる。シリアでの戦いでネオコンは負けられないということだ。

 そこで注目されているのが核兵器。2011年3月に侵略勢力が拠点にしているトルコのインシルリク空軍基地には戦闘機や爆撃機に搭載できる核爆弾B61が80発ほど保管されているようで、それが使われる可能性はある。アメリカ政府にその意思がなくても、盗まれる可能性は排除できないのだ。

 例えば、2007年の8月29日から30日にかけてアメリカでは核弾頭W80-1を搭載した6基の巡航ミサイルAGM-129が行方不明になるという事件が起こっている。ミスとは考え難く、軍の幹部が介在した計画的な不正持ち出し、イラン攻撃に使うつもりだったのではないかとも噂されている。

 ワッハーブ派はイスラム系のカルトだが、キリスト教にもそうした宗派が存在、アメリカ軍の内部に食い込んでいる。そうした信者のひとりがウィリアム・ボイキン。特殊部隊の所属、アメリカ軍がイラクを先制攻撃した3カ月後、ボイキンは少将から中将に昇格すると同時に国防副次官へ就任している。この軍人を右腕として使っていたのがネオコンのステファン・カムボーンだ。

 ボイキンは1993年にソマリアのモガディシオにおけるJSOC(統合特殊作戦司令部)の軍事作戦に参加、陸軍の特殊部隊デルタ・フォースを指揮していた。10月3日から4日にかけて首都のモガディシオで戦闘があり、アメリカ軍は2機の戦闘用ヘリコプターMH60ブラック・ホークを撃墜された。銃撃戦で18名のアメリカ兵が戦死、ソマリア側は戦闘員と住民を合わせて1000名から1500名が殺害されている。この戦闘は後に映画の題材にされた。

 この戦闘に参加していたボイキンは帰国後、モガディシオで撮影したという写真を教会の説教壇の上で見せながら、現像した後に奇妙な暗黒の印に気づいたと彼は語る。「みなさん、これがあなた方の敵の正体です。あの町にある邪悪な存在、暗黒の遣いルシフェルこそが倒すべき敵なのだと神は私に啓示されました。」としたうえで、イスラム過激派がアメリカを憎むのはキリスト教国だからであり、自分たちの基盤、ルーツがユダヤ/キリスト教徒だからであり、敵はサタンと名づけられた連中だとしていた。ワッハーブ派並の狂信性だ。こうした狂信者が核攻撃を目論んでも不思議ではない。2007年に巡航ミサイルが行方不明になった事件にそうしたカルト軍人が関係していた可能性は否定できない。

 言うまでもなく、中東には世界有数の核兵器保有国が存在している。ネオコンと深く結びついているイスラエルだ。1986年にイギリスのサンデー・タイムズ紙はイスラエルが約200発の原爆を保有していると報道したが、その情報源だったモルデカイ・バヌヌはイスラエルが水爆を保有、中性子爆弾の製造を始めていたとも内部告発した。
http://www.counterpunch.org/2004/08/18/an-interview-with-mordechai-vanunu/
ジミー・カーター元米大統領はイスラエルの保有する核弾頭の数を150発以上だと推定している。

 イスラエルはこうした核兵器を飾りとして持っているわけではない。1973年10月の第4次中東戦争でイスラエルは窮地に陥り、ゴルダ・メイア首相の執務室で開かれた会議の席上、モシェ・ダヤン国防相は核兵器を選択肢として見せる準備をするべきだと発言したと言われている。
http://www.haaretz.com/beta/.premium-1.550371
核兵器使用の準備をするという提案はメイア首相が拒否しという話も流れているが、閣議で核兵器の使用が決まったという情報もあり、真相は不明だ。

 そうした閣議が影響したのか、アメリカは敗色濃厚のイスラエルに対して兵器など物資を空輸しはじめる。その際、ヘンリー・キッシンジャーはエジプトのアンワール・サダト大統領に対し、核戦争へとエスカレートすることを防ぐためだと説明した。

 形勢が逆転すると、イスラエルはアメリカの停戦要請を無視して攻撃を続ける。それに対してソ連のアナトリー・ドブルイニン駐米大使はキッシンジャーに対して米英両国が平和維持軍を派遣してはどうかと提案、レオニード・ブレジネフ書記長はニクソン大統領宛の手紙の中で、アメリカがソ連と手を組めないのならば、ソ連は単独で行動すると警告している。

 キッシンジャーはソ連側へソフトな内容の返信を送る一方、核戦争の警戒レベルを引き上げ、全世界のアメリカ軍に対して「赤色防空警報」が出されたともいう。核戦争の危機が迫っているとメイアは信じた。そうした中、ダヤン国防相は核攻撃の準備を始め、2基のミサイルに核弾頭をセット、目標をダマスカスとカイロに定めている。

 実際に核兵器は使われているとする情報も流れている。2013年5月や14年12月にシリアでは大きな爆発があり、まるで地震のような揺れがあった。「巨大な金色のキノコに見える炎」が目撃され、爆発の様子を撮影したCCDカメラに画素が輝く現象(シンチレーション)もあり、小型の中性子爆弾が使われたと推測する人もいる。

 また、アメリカ軍が率いる連合軍がイラクを2003年に先制攻撃した後、ファルージャでは住民の間で放射能による障害が多発した。劣化ウラン弾によるものだとされているのだが、調査の過程で濃縮ウランが発見され、これまで知られていないような兵器が使われていた可能性が出てきた。

 ウルスター大学のクリストファー・バスビー教授によると、2006年7月にイスラエル軍がレバノンに軍事侵攻した後、レバノンやガザでも濃縮ウランが検出されたほか、アフガニスタンでも同じ兵器が使われ、バルカン半島でも使用された可能性があるという。

 核兵器というと原子爆弾や水素爆弾など爆発と結びつけて考えてしまうが、放射性物質を撒き散らす「汚い爆弾」もある。昨年11月にイラクにあるアメリカが所有しているバスラの施設から高濃度の放射性物質イリジウム-192が盗まれたと伝えられている。
http://www.reuters.com/article/us-mideast-crisis-iraq-radiation-idUSKCN0VQ22F
これが汚い爆弾に使われることが懸念されているが、中性子爆弾などカモフラージュとしてこの物質が利用される可能性も指摘されている。

 また、1月22日にアメリカのアシュトン・カーター国防長官は米陸軍第101空挺師団に所属する1800名をイラクのモスルやシリアのラッカへ派遣すると語っている。
http://www.politico.com/magazine/story/2016/01/ash-carter-isil-fight-213554
ラッカ、そしてダーイッシュ(IS、ISIS、ISILなどとも表記)が盗掘石油の生産拠点にしているデリゾールを支配し、油断地帯を占領、シリアの東部を奪おうとしているとも推測されている。

 2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIAはシリア情勢に関する報告書を作成、反シリア政府軍の主力はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIであり、西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているとている。アメリカ政府が主張する「穏健派」は事実上、存在しないということ。アメリカ政府が「穏健派」を支援すれば、必然的に「過激派」が支援されることになり、サラフ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団の支配地がシリア東部に出現するとDIAは警告していた。報告書が作成された当時にDIA局長だったマイケル・フリン中将はアル・ジャジーラに対し、ISの勢力が拡大したのはオバマ政権による決断の結果だとしている。その「過激派」をロシア軍が壊滅させつつある中、アメリカ軍、サウジアラビア軍、トルコ軍がシリアを侵略するというわけだ。

 昨年8月、ロシアの空挺部隊の司令官ウラジミル・シャマノフはシリアで「テロリスト」と戦う準備はできていると語ったと伝えられているが、侵略勢力の動き次第ではありえる話だ。
http://tass.ru/en/russia/812480
侵略勢力があくまでもシリアのアサド体制を倒してこの地域を無政府状態にする、あるいは東部の油田地帯を乗っ取ってシリアを分断するつもりならば、アメリカ軍とロシア軍が衝突、核戦争になる可能性もある。ネオコンがアメリカを支配している限り、世界の未来は暗い。

 

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