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シリアを侵略した傭兵軍は露軍の空爆で敗走、サウジとトルコは傭兵軍を救うために地上戦で脅し
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201602130000/
2016.02.14 00:35:36 櫻井ジャーナル
シリアのバシャール・アル・アサド体制を倒し、傀儡政権を樹立しようとしている外国勢力は現在、窮地に陥った。侵略の手先として利用してきた傭兵軍が敗走を始め、シリア政府軍がアレッポなど要衝を奪還しつつあるからだが、それにしてもネオコン/シオニストの狼狽ぶりが尋常でないと話題になっている。
そうした中、トルコ外相はサウジアラビアの軍用機や人員をトルコのインシルリク空軍基地へ派遣、シリアで地上戦を始めることもできると語った。この基地は本ブログでも繰り返し登場、2011年3月に外国勢力がアサド体制の打倒を目指して戦闘を始めた直後から侵略勢力の拠点だ。アメリカのCIAや特殊部隊、イギリスやフランスの特殊部隊から派遣された教官が戦闘員を訓練、シリアへ送り出している。トルコは訓練だけでなく武器/兵器を含む物資を供給する兵站線の出発点であり、イラクやシリアで盗掘された石油が運び込まれる場所でもある。
また、侵略軍を指揮している人物は反シリア国から相当量の地対地ミサイルを供給されたと話しているようだ。射程距離は20キロメートルだという。アル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILなどとも表記)はアメリカから大量の対戦車ミサイルTOWを入手しているようだが、これはロシア製のT-90戦車が投入されたことで戦闘への影響力は大きく低下、それに替わる兵器を反シリア国は提供したということなのだろう。
すでにトルコ側からシリア領内への砲撃が行われているが、ロシア軍によると、それだけでなく、政府軍がほぼ奪還しらアレッポに対し、トルコから飛来したアメリカ軍のA-10爆撃機が空爆、ロシア軍による攻撃だと宣伝したという。例によってロシア軍は詳しい説明を行っている。
現在の反シリア国はアメリカやトルコのNATO加盟国、サウジアラビアやカタールなどのペルシャ湾岸産油国、そしてイスラエル。ここにきてパニック状態になっているのはアメリカのネオコン、トルコ、サウジアラビア。トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は「オスマン帝国の再興」を目指しているらしいが、サウジアラビアから資金の提供を受け、手先としても動いているようだ。
昨年9月30日にロシア軍が空爆をはじめて戦況が侵略軍側に不利な展開になると、エルドアン大統領は10月10日にロシア軍機の撃墜を決断、11月24日にトルコ軍のF-16戦闘機がロシア軍のSu-24爆撃機を撃墜した。アメリカ政府の承認を得ての待ち伏せ攻撃だったと見られている。撃墜当日と翌日、ポール・セルバ米統合参謀本部副議長がトルコのアンカラでトルコ軍幹部と会談している。
NATO加盟国であるトルコがロシア軍機を撃墜してもロシア軍はNATOとの戦争を避けるために反撃できず、国境近くから撤退すると考えていたのだろうと見られているが、その目論見は外れた。ロシアはミサイル巡洋艦のモスクワをシリアの海岸線近くへ移動させて防空体制を強化、さらに最新の防空システムS-400を配備し、戦闘機を「護衛」のために派遣してシリア北部の制空権を握ってしまったのだ。アメリカが供給している対戦車ミサイルTOWに対抗するため、T-90戦車も送り込んでいる。Su-34やSu-35なども送り込んで航空兵力も増強しているようだ。
これ以外に注目されているロシアの兵器、弾道ミサイルのイスカンダルである。現在、NATOは部隊をロシアとの国境近くへ進めて威嚇しているが、この動きにも対応しているようだ。
このミサイルの射程距離は280から400キロメートルで、最近、300キロメートル離れた目標に命中したという。長距離とは言えないが、その特徴は速度。高度50キロメートルで毎秒2100メートルから2600メートル、つまりマッハ6から7で飛行、西側の防空システムは対応できないと考えられている。NATO軍にとっては脅威であり、トルコ軍がシリアを侵略した場合、トルコにある基地は全て破壊されると推測する人もいる。
ロシアとNATOが戦争を始めた場合、NATOの中心的な存在であるアメリカも参戦、その「同盟国」だという日本も戦争に加わることになり、日本列島に乱立する原発は最大の脅威になる。
アメリカは戦場から離れているように見えるが、そうとも言えない。2009年10月に朝鮮は韓国に対して韓国軍の艦艇が哨戒侵犯を繰り返していると抗議、11月に両国の艦船がが交戦、10年3月には境界線の確定していない問題の海域で韓国の哨戒艦「天安」が爆発して沈没、9月には石垣海上保安部が中国の漁船を尖閣諸島の付近で「日中漁業協定」を無視する形で取り締まって日中関係は悪化、11月に韓国軍が軍事演習「ホグク(護国)」を開始(アメリカの第31海兵隊遠征隊や韓国駐留の第7空軍が参加したという)、朝鮮軍は問題海域にある大延坪島を砲撃し、2名の韓国兵と民間人2名が死亡した。
東アジアで軍事的な緊張が高まる中、11月上旬にカリフォルニア沖で海中からミサイルが発射された。アメリカ軍によるものではなく、中国の潜水艦が弾道ミサイルを発射したと言われている。つまり、アメリカが中国を巻き込む戦争を始めた場合、アメリカの沿岸から核攻撃すると警告したのだろう。ロシア軍は爆撃機をアメリカ周辺に飛ばしてきた。
現在、シリアに送り込んだ傭兵軍が敗走しはじめている。そこで、ネオコンの影響を受けているアメリカの議会や政府はロシア軍の攻撃を止めさせようと必至だ。和平交渉をはじめた理由のひとつもそこにあった。サウジアラビアとトルコ、恐らくその背後にいるネオコンが核戦争を始めると世界を脅している理由もその辺にありそうだ。
ところで、かつてイスラエルは核戦争でアメリカ政府を脅したことがある。1971年にリチャード・ニクソン米大統領がドルと金の交換を停止すると発表、1973年から世界の主要国は変動相場制へ移行した。ドルを基軸通貨の地位から陥落させないために考えられた仕組みのひとつがペトロダラーで、1973年5月にスウェーデンで開かれたビルダーバーグ・グループの会合でアメリカとイギリスの代表は400パーセントの原油値上げを要求、認められた。黒幕はヘンリー・キッシンジャーだった。
そのキッシンジャーは自分の操り人形だったエジプトのアンワール・サダト大統領をアラブの英雄に仕立て、中東政策の手駒として使おうと考える。1973年10月にエジプト軍は奇襲攻撃でイスラエルを追い込むのだが、その時、イスラエルではゴルダ・メイア首相の執務室で核兵器の使用について議論があり、モシェ・ダヤン国防相は核兵器を選択肢として見せる準備をするべきだと発言したという。そうした中、アメリカは武器/兵器を含む物資をイスラエルへ空輸、反撃を支援しているが、核攻撃を止めさせるためだったとキッシンジャーは語っている。
その間、和平交渉が進められていたのだが、戦況が大きく変化してイスラエルが優勢になるとイスラエルは停戦の内諾を反故にして攻撃を継続、ソ連政府はキッシンジャーに対して米英両国で平和維持軍を派遣してはどうかと提案、それが駄目ならソ連は単独で攻撃すると伝えた。
そうした中、ダヤン国防相は核攻撃の準備を始め、2基のミサイルに核弾頭をセット、目標をダマスカスとカイロに定めたとされている。当時、イスラエルに対する武器の供与に消極的だったニクソン大統領に対する恫喝だと推測する人もいる。
このとき、イスラエルは核戦争でアメリカを脅し、成功した。その「成功体験」がネオコンに影響しているのかもしれないが、今回は失敗する可能性が高い。ネオコン、サウジアラビア、トルコが無様なことになるだけなら世界にとっては悪くないが、核戦争へ発展することもないとは言えず、それを懸念する人は少なくない。
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