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ワシントンのホワイトハウスで共同記者会見に向かうバラク・オバマ米大統領(右)と中国の習近平国家主席(2015年9月25日撮影、資料写真)。(c)AFP/YURI GRIPAS〔AFPBB News〕
オバマ政権最後の今年、中国は尖閣に攻撃を仕掛ける 米元政府高官が警告「米国は日本を助けない」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45937
2016.2.3 古森 義久 JBpress
米国オバマ政権の最後の年の“緩み”を狙うかのように、中国が尖閣諸島に軍事攻撃をかける見通しが強い──米国の元政府高官らが警告を発した。
中国は南シナ海への活発な進出を続けて国際的な注目を南シナ海に集めながら、突然東シナ海で軍事攻勢に出る。尖閣諸島に攻撃を仕掛けて日本と軍事衝突し、国際調停で領有権の主張を押し通そうと意図している、というのだ。
■中国が攻撃を仕掛ける伝統的なパターン
この警告を発したのは、ワシントンの有力研究機関ハドソン研究所の副所長で前ブッシュ政権の副大統領首席補佐官や国防次官補などを歴任したルイス・リビー氏と、同研究所上級研究員で日米近代史を専門とする歴史学者のアーサー・ハーマン氏である。
両氏は1月25日、米大手紙のウォール・ストリート・ジャーナルに「北京の次の先制行動は東シナ海だ」と題する論文を寄稿した。同論文で両氏は「1つの地域で国際的な関心を集める行動を取りながら、他の地域で突然攻勢に出るというのが、中国の伝統的なパターンである」として、中国軍が近い将来、東シナ海の尖閣諸島でそのような急襲に出る見通しが強いとの予測を打ち出した。
中国が違法な埋め立て工事によって南シナ海に建設した人造島で航空機の着陸が始まったことや、ベトナム領海の近くで、やはり国際規範を無視した石油掘削作業を進めていることを指摘し、「米国などの国際的な警戒が南シナ海に集まる間に中国は東シナ海で軍事行動に出て、日本と軍事衝突を起こす可能性がある」と警告している。
■オバマ政権の対応は?
その警告の根拠や背景について、同論文は以下の諸点を述べている。
・中国政府と結託した中国人学者たちが、「尖閣諸島をめぐる領有権紛争を中国側に有利にするには、軍事衝突の“危機”を必要とする」と述べるようになった。同学者たちによると、中国軍が日本との実際の戦闘まで進めば日本側は局地での防衛に手いっぱいとなり、すぐに軍事対決から引き下がり、外交的な解決を求めるようになるという。
・これらの中国人学者たちの見解によると、尖閣をめぐる日中の軍事対決は、まず海上での事故的な砲撃、あるいは銃撃に始まり、両国軍が激しく戦闘して艦艇や航空機の損失まで引き起こす。日中両国がさらに多くの部隊を現地に投入しようとすると国際調停が始まり、外交的解決を求める交渉が始まる。両国軍隊の現地からの撤退、あるいは縮小が始まり、国際的な圧力はまず衝突回避へと向けられる。日中両国の領有権主張が対等に扱われ、日本の現在の統治や施政権が大幅に後退することになる。
・こうした想定の下でとくに重要なのは、任期最後の年のオバマ政権がロシアやイランへの対応のように対決や衝突を極端に避けるため、日本側に米国の全面介入への要請を差し控えるよう圧力をかける見通しである。中国側も、オバマ政権は中国との大規模な軍事衝突を避け、国際調停を切望するだろうとみる。その結果、日本側の「中国との間に領土問題は存在しない」という立場は大きく崩れることになる。
・こうした尖閣をめぐる事態の展開は、中国の共産党独裁政権に有利な結果をもたらす。対外的な危機は国内の民族主義、愛国主義を呼び起こし、国内の経済停滞から生じる不満の拡大をくいとどめ、国民の政権への年来の苦情を抑える効果をもたらすからだ。
・オバマ政権は11月の大統領選で民主党候補に勝たせるためにも、中国との大規模な戦闘は絶対に避けるだろう。日本にとっては、同盟国の米国に共同防衛の要請をしたものの背を向けられることで、対米同盟への信頼が一気に低下する。こうした日米同盟の空洞化や侵食は、米国の対外戦略に大きな負の影響をもたらす。他方、中国にとっては東アジアでのパワーが大幅に拡大する成果を得ることになる。
もしも、以上の警告の通りに現実の事態が動けば、日本は尖閣諸島の領有権の喪失や、日米同盟の機能不全という深刻な結果に直面することになる。
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