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日本で初めてスノーデン氏にインタビューした
小笠原みどりさん
米が全世界を監視 命をかけて暴露したエドワード・スノーデン
救援新聞 2017年1月5日号
救援新聞 2017年1月5日号
2013年、アメリカ国防総省の諜報機関・国家安全保障局(NSA)の局員(当時)、エドワード・スノーデン氏(1983年生)は、NSAが極秘におこなっていた全世界的な監視活動を暴露し、世界を驚かせました。そのスノーデン氏に、日本人としては初めて独占インタビューした小笠原みどりさんにお話を伺いました。
すべての通信を監視
――スノーデン氏が暴露したNSAの監視活動とは?
アメリカ政府は、2001年の9・11同時テロ直後、米市民の個人情報を集める許可をNSAに極秘に与え、さらにぞの後「テロ対策」を理由に、議会の承認なしに世界的な盗聴などの監視活動へと暴走しました。これがスノーデンによって暴露されました。
この監視システムは、犯罪容疑のあるなしに関係なく、世界中の人たちを「テロリスト予備軍」とみなし、会話やメールなどすべての情報を収集するというものです。
NSAは、世界中に張り巡らされた光ファイバー・海底通信ケーブルが上陸する地点に、その通信会社の一室を提供させて、通過するすべての通信を収集保存していました。さらに、多くの人が日常的に利用している米インターネット企業(*)に、1日数百万件の通信記録を提供させていました。
*マイクロソフト、ヤフー、グーグル、フェイスブック、ユーチューブ、アップルなど
監視でテロ防げない
――インタビューをしようと思った理由は?
「暴露」をしたスノーデンの写真を見たときに、こんなに若い人だったのかと驚きました。彼が悩んで、いのちをかけて告発をしたことに深く打たれました。国家の機密を暴露したのですからいのちに関わります。この人をなんとか守らなければいけない、そしてただ傍観するのではなく、NSAの監視の問題を日本に伝えることが私の役割だと思いました。
16年5月11日、ロシアに亡命中のスノーデンとインターネットを通してインタビューが実現しました。いのちをかけてやったことですから、言いたいことがすごくたくさんあるようでした。インタビューを通じて感じたことは、こういう行動を起こせる人間に希望をつなぐことができるということでした。一人ひとりの力は小さいけれども力をあわせれば……それはそうだと思います。しかし、やはりそれは一人から始まるんじゃないか、その一人が大きな勇気をもって何かを成し遂げたことで変わる。スノーデンが暴露したことで世界は確実に変わりました。インタビューの後にさわやかな気持ちになったのは、彼の個の強さと、一途な姿勢に感銘を受けたからだと思います。
――監視の目的は「テロ対策」?
その問題について、2つの視点から考えてみます。
第1に、監視は本当にテロ対策に役立つのか。
スノーデンは、毎日、膨大な数の「対象者」のメールなどをチェックしていましたが、それによって誰がいつ「テロ」をすると予測し、防止することは困難でした。オバマ大統領などによって選出された検証委員会も、「電話盗聴プログラムが対テロ捜査の成果に具体的に役立ったケースは1件も発見できなかった」と報告しています。
しかし、「テロ」による悲劇が起きるたびに、政府は“個人情報を集めていれば防げた”とさらなる監視を強め、政治家は国民に対策を示そうと監視に頼ろうとする。何かにすがりたい市民は“監視を強めれば危険から逃れられる”と信じ込む。一種のパニックが、さらなる監視を呼び込んでいるのです。
第2に、それではテロを防げないのになぜ監視をやめないのか。答えは、権力を持つ人たちが、権力を維持し強化するために、監視が大いに活用できるからです。米政府は、他国の政府や企業、さらに報道機関、市民の社会活動を監視していました。そして、もっとも厳しく監視されたのは、権力に異を唱える人たちであったと、スノーデンは指摘します。
共謀罪で国民を監視
――日本も監視されていました。
――日本も監視されていました。
NSAが、少なくとも2007年の安倍内閣時から内閣府、経済産業省など官庁、日銀やその職員の自宅、三井物産などの電話を盗聴してきたことが明らかになりました。首脳会談や政治折衝を有利に運ぶために、事前に関係者のやりとりを盗聴していたのです。テロとはなんら関係のない情報ばかりです。
――監視という点では、安倍政権も共謀罪の新設を狙い、国民監視を強めようとしています。
共謀罪は、犯罪について話し合い、合意したことを犯罪とするので、日常的なコミュニケーションが標的にされます。また、共謀罪は、犯罪が起きる前に取り締まるもので予防的です。「犯罪予防のため」と捜査をすすめれば、すべてのコミュニケーションが監視の対象になってしまいます。
――暴露後、監視は変わったでしょうか。
アメリカ政府は、米市民の通話を直接収集しないと法律を変えました。しかし、米市民以外の世界の人たちへの情報収集はいまも令状なしでつづいています。
こうした改革はまだ最初の一歩です。が、それまで歯止めのなかった諜報機関に規制をかけ、オンライン上のプライバシーは人権であると国連で位置づけられるなど、人々の意識を変えつつあります。
――最後に。
私は、監視社会の恐ろしさを広く知らせていますが、同時に恐ろしさに囚われてはいけないとお話ししています。人間は弱いですから狙われていると思えば怖いですし、萎縮もします。だけど、やはりそこに立ち止まって押し返す、自分が信じていることを追求していく、個としての強さが大切だと思います。スノーデンがそれを私たちに示したように。
――ありがとうございました。
「監視はどんな時代でも最終的に、権力に抗する声を押しつぶすために使われていきます。そして反対の声を押しつぶすとき、僕たちは進歩をやめ、未来への扉を閉じるのです」
エドワード・スノーデン
おがさわらみどり 1970年横浜市生まれ。ジャーナリスト。朝日新聞記者を経て、:現在はカナダ・クイーンズ大学博士課程に在籍。監視社会批判を続ける。近著に『スノーデン、監視社会の恐怖を語る−独占インタビュー全記録』 毎日新聞出版、定価1400円(税別)。
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