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審議前に生前退位を既成事実化 この国に国会は必要なのか
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/197380
2017年1月12日 日刊ゲンダイ 文字お越し
不敬にもほどがある(C)日刊ゲンダイ
11日の新聞各紙が、一斉に1面トップで天皇の生前退位シナリオを報じたことには驚いた。前日10日に産経新聞が「新元号平成31年元日から」の見出しでデカデカと報じた内容とほとんど同一の横並び報道で、「政府は2019年(平成31年)1月1日に現皇太子が天皇に即位し、同日から新元号とする方向で検討に入った」というものだ。
「まだ国会に関連法案も提出されていない。その前段階である安倍首相の私的諮問機関『天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議』だって、ようやく“論点整理”に取りかかり、今月23日に公表するという流れです。国会で議論する前に、どうしてこうも具体的な情報が流れているのか。官邸からのリーク以外にあり得ません。正月明けから大メディアを使って世論を誘導し、官邸に都合のいいシナリオを既成事実化しようとしているのです。皇室典範に手をつけたくない安倍政権が、特例法でやるということも、なし崩しで既成事実化されつつあります。実際、天皇の生前退位に関する世論調査でも、当初は『皇室典範を改正すべし』という意見が主流だったのに、いつの間にか『一代限りの特例法でよい』が多くなってきている。官邸に手玉に取られた大メディアが、世論工作に利用されているのです」(政治学者の五十嵐仁氏)
菅官房長官は11日の会見で、天皇退位や新元号のスケジュールについて質問されると、「報道されているような内容については全く承知しておりません」「有識者会議において、予断を持たず議論しておるところでありますので、現時点においては全く何も考えていないということです」とかシレッと答えていたが、ほんと、よく言う。
■有識者会議の役割は何だったのか
新聞報道では、「政府関係者によると、安倍晋三首相は今月に入って菅義偉官房長官、杉田和博官房副長官と退位に関する法整備などについて協議した」とも書かれていた。これが全くのガセというのなら、書いた新聞社に徹底抗議するべきだろう。天皇退位は、それくらい重いテーマだ。3人の密談で決めていいような話ではない。
リーク報道によれば、衆参両院の正副議長が今月16日から退位に関する協議を始め、その後、各会派から意見を聴取。皇族や首相、衆参両院の正副議長、最高裁長官らがメンバーを務める皇室会議に諮った上で、閣議決定するという。関連法案を国会に提出するのは5月の連休明けとみられているが、すでに退位時期などの具体的な結論が出ているのなら、有識者会議の役割は何だったのかということにもなる。
有識者会議は11日午後にも開かれ、東大名誉教授の御厨貴座長代理が会議後にブリーフを行ったが、退位の時期や元号に関して「有識者会議では、全く議論の対象になっておりません」と言っていた。会議メンバーの山内昌之東大名誉教授も、改元について「私たちの会議では間違いなく一度も議論していません」と明言。なのに、「2018年末に天皇退位、19年元日から新元号」が既成事実化され、独り歩きしている。
九大名誉教授の斎藤文男氏(憲法)が言う。
「2019年から新元号というタイミングが絶妙です。崩御によるものではないから、新天皇の即位と改元はおめでたいセレモニーになる。安倍首相も歴史に名を残すことができます。その翌年には東京五輪がある。改元と五輪という大イベントを支持率アップにつなげ、何が何でも首相の座にしがみつくという政権延命策に他なりません。天皇を政治利用しようとしているといわれても仕方がないし、あまりに悪辣で、不敬にもほどがあります」
安倍政権こそが生前退位を弄んでいる(C)日刊ゲンダイ
国会も通さず退位の日程まで決めてしまう官邸
安倍首相は4日の年頭会見で、天皇陛下の生前退位は「重い課題であり、決して政争の具にしてはならない」とか言っていたが、自分が諮問した有識者会議の最終報告も待たず、国会で議論する前に勝手に退位の日程まで決めてしまう安倍政権こそが、誰より生前退位を軽んじ、弄んでいるのではないか。
しかも、政府は19年の元日から改める元号を、新天皇即位の半年前までに発表する意向だと報じられている。国民生活に配慮し、カレンダーなどの印刷業者や、元号を使った官民のシステム改修などへの対応期間を確保するためというのだが、これほどバカにした話もない。
「カレンダー印刷を優先なんて、安倍政権にとって、天皇の生前退位はその程度のものなのでしょうか。陛下の『お言葉』の意味も無視し、メディアを使って国民的議論を封じ込めてしまう。国会も通さずに、官邸が退位の日程まで決めてしまうことは許されません。特例法が通るという前提で報道されていますが、本来は皇室典範をしっかり整備する必要があるはずです。国会無視、憲法無視、法律無視も甚だしいのに、誰も責任を取らない形でどんどん進められていることに、危惧を覚えます。民主主義の死滅危機です」(斎藤文男氏=前出)
20日に召集予定の通常国会で、安倍政権は特例法による生前退位とともに、「共謀罪」の成立ももくろんでいる。東京五輪に向けてのテロ対策を名目にしているが、犯罪の“準備段階”で罪に問える共謀罪がいったん成立すれば、運用が際限なく拡大することは間違いない。政府に敵対すれば、何もしていなくても逮捕、起訴に持ち込むことが可能になる。「平成の治安維持法」と呼ばれるゆえんだ。秘密保護法、集団的自衛権の行使を容認する安保法に続く戦争準備法制である。
■首相もAIに任せた方がマシだ
共謀罪は過去3回、関連法案が国会提出されたが、廃案になった。そこで官邸は「共謀罪と呼ばないように」と、報道機関に圧力をかけているという。
「特定秘密保護法の時も、名前が悪いせいで、世論で反対の声が上がったというのです。今回は共謀罪と言わずに『テロ等組織犯罪準備罪』という名称にするので、報道する際はこの新しい名前を使ってほしいと言われています」(大手紙の官邸担当記者)
戦争法を平和安全法制と言い換えてゴリ押しした安倍政権が、またしてもお得意の手口で、目くらましをしようというのである。
「それに唯々諾々と従う大メディアも情けない。TPP承認も、カジノ法案も、数の力で押し切った安倍官邸は、共謀罪も通常国会で強行するつもりでしょう。メディアを利用して世論誘導し、衆参の数の力を背景に法案をゴリ押しする官邸自体が、共謀罪の取り締まり対象になるようなことをやっているとも言える。何でもかんでも官邸が主導し、国会は完全に機能不全に陥っています」(五十嵐仁氏=前出)
野党も無力で、抵抗も形ばかりでは、国会の形骸化はいよいよ深刻だ。官邸がこうと決めたら、大メディアが情報操作で国民的議論を封じ込め、最後は与党の数の力で一気呵成。国権の最高機関であるはずの国会の存在意義が問われる現状だが、折しも、経産省は人工知能(AI)を活用して、閣僚らの国会答弁の下書きを作成する実験を始めるという。AI任せでいいなら、ますます国会不要論に拍車が掛かる。もっとも、天皇退位も共謀罪もゴリ押しする暴力政治が横行するくらいなら、いっそ総理大臣もAIに任せた方がマシかもしれない。
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