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日刊ゲンダイ:小笠原みどりさん / 「スノーデン、監視社会の恐怖を語る 〜 特定秘密法は米国がデザインしてつくらせた法律」
http://blog.goo.ne.jp/nrn54484/e/270528178f034aa72b459802a1f4a089
2017年01月12日 のんきに介護
「スノーデン、監視社会の恐怖を語る」小笠原みどり氏
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/197308
2017年1月12日 日刊ゲンダイ
小笠原みどり氏(C)日刊ゲンダイ
2013年、米国国家安全保障局(NSA)元局員、エドワード・スノーデンの暴露に世界が驚愕した。
同年6月、米ワシントン・ポスト紙や英ガーディアン紙が相次いで、NSAが、米アップルやグーグル、フェイスブックなど大手IT企業のネットサーバーに直接アクセスし、ユーザーのデータを収集していると報道。数日後には、スノーデン自らがリークしたことを顔出し実名で公開した。
本書は、現在もスパイ防止法違反に問われ、ロシアのモスクワで亡命生活を送るスノーデンに、日本人ジャーナリストとしてはじめて独占インタビューを行った全記録。同時に著者が17年にわたる取材・研究で積み上げてきた監視社会の実態を明らかにした警告の書でもある。
「日本ではあまり報じられていませんが、スノーデン氏の暴露の後も、ガーディアンなど英字メディアではずっと彼のもたらした膨大な文書をもとにスクープが続いています。例えば、NSAが日本を含めた38カ国の大使館に対し盗聴を行っていたこと、3・11の東日本大震災で太平洋横断ケーブルが損傷し、一部の情報収集が約5カ月滞ったことなど、米国の諜報活動の実態が相次いで報道されています」
興味深いのは、スノーデンが2009年から10年にかけての2年間、東京都福生市に暮らし、米軍横田基地に勤務していたことだ。
「スノーデン氏はNSAの仕事を請け負うコンピューター会社の社員として来日。勤務先は米空軍横田基地にある日本のNSA本部の国防省日本特別代表部でした。主にハッキング対策の研究をしていたわけですが、米軍の無人機により殺される運命にある人々の監視映像をリアルタイムで見ていたことで、大変悩んでいたと語っていたのは氏の暴露を決意する背景との関係で興味深い証言だと思います」
米国は友好国の法律の現状から、どうすればNSAの情報収集に協力させることができるかを綿密に分析把握していて、13年に成立した特定秘密保護法は、まぎれもなく、「米国がデザインしてつくられた法律である」とスノーデン氏は言明していたという。
9・11以後、ブッシュ政権時に始まったNSAの「コレクト・イット・オール(世界中のすべての情報を収集する)」方針は現在も続いている。
「例外なく、私たちのメール、チャット、通話もNSAにコピーされています。リアルタイムですべて見ることはできないけれど、何かあったときにピンポイントで識別していくシステムが出来上がっていて、その中で怪しいと判断されれば“容疑者”となってしまい、黙らせるためには情報操作もいとわない。こうした監視体制に対して、日本人はあまりに危機感がなさすぎるのではないでしょうか。『自分には関係ない』と思っているうちに、権力側は秘密をどんどん増やしていく。そして気が付いたら、民主主義は完全に機能しなくなっていたと。そのことは、戦時中の特高警察の思想取り締まりや、隣組による密告、出版物の検閲などで総監視社会を実現し、日本を敗戦という破滅に導いた過去の歴史が証明しているはずです」
1月27日には、オリバー・ストーン監督の映画「スノーデン」も公開される。(毎日新聞出版 1400円)
▽おがさわら・みどり 1970年横浜市生まれ。ジャーナリスト。94年早大卒業後、朝日新聞入社。社会部記者として、住基ネット、監視カメラ取材などに取り組む。2004年退社。現在はカナダ・クイーンズ大の博士課程に在籍。著書に「共通番号制なんていらない!」(共著、航思社)など。
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