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野党共闘潰しの懸念 小池新党は与党なのか野党なのか?
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2017年1月6日 日刊ゲンダイ 文字お越し
小池都知事の腹の中は…?(C)日刊ゲンダイ
年明け早々、「小池劇場」の再開だ。4日の仕事始めでは、小池知事の職員への訓示や、都議会各会派へのあいさつ回りの様子をワイドショーが延々と垂れ流していた。
犬猿の仲とされる都議会自民党の高木幹事長に正月の過ごし方を問われた小池が、「いろいろ案を練っておりました」と思わせぶりに答えれば、「小池新党を立ち上げて、今夏の都議選で自民党と全面対決するつもりだ」と解説し、劇場型政治をあおってみせる。
大新聞も、元日の産経新聞が「小池知事、都議選に30人超」「自民へ“刺客” 新党準備」と書き立てれば、3日の朝日新聞は「小池氏 40人規模擁立へ」と3割増量で報じた。40人規模となると、都議選の全42選挙区ほとんどに候補者を立てる計算になる。自民党の現職を抵抗勢力に見立てて、刺客を送り込むのは、小泉郵政選挙の焼き直しだ。それをメディアが面白おかしく取り上げれば、格好の宣伝になり、正義の味方ヅラした小池の思うつぼの展開になっていく。
「地域新党を立ち上げるか、もう少し緩やかな結びつきで推薦を出す方式にするか、小池知事は3月くらいに判断すると言っています。2月には予算議会も始まるし、都議選が予定されている7月ごろまでは、小池新党の動向が注目を集め、小池劇場がメディアを席巻することになるでしょう。
これは単に都政にとどまる話ではなく、国政レベルにも影響してくる。本当に小池新党が立ち上がり、都議選で自民党が苦戦すれば、今秋から冬に解散のタイミングを計っているとされる安倍政権の解散戦略にも狂いが生じてきます。ただし、都議選で小池シンパの知事与党を増やすことに成功した場合も、自民党に対して、どういうスタンスを取るかは分からない。対決を先鋭化させるのか、一転して協調姿勢を打ち出すのか。いずれにせよ、都議選後の政局も、解散・総選挙とからんで小池知事の動きが注目されることになります」(政治学者の五十嵐仁氏)
■小池新党が政局報道を独占
小池は5日から、就任後、初めてとなる新年度予算案の知事査定をスタート。査定は16日まで行われ、25日に予算案が公表されるが、小池が都議会自民党の「力の源泉」といわれてきた200億円の政党復活予算の廃止を決めたことで、2月の議会は大荒れが予想されている。
小池に対し、自民党議員が汚いヤジを飛ばしたり、事前通告なしの質問をして困らせることは想像に難くないが、嫌がらせをしているように見えれば、小池に同情が集まる可能性がある。それで、都議選で自民党が苦戦することになっては元も子もないと、都議会自民党関係者は対応に苦慮している。
そもそも、このタイミングで小池が新党結成をにおわせているのは、自民党が予算成立に協力するかどうかという踏み絵でもあるのだ。
定数127の都議会はこれまで、60議席を占める自民が、23議席の公明と連立を組んで過半数を維持してきた。ところが昨年末、公明が自民との連立解消を宣言。公明の議員報酬削減案をめぐって意見が対立したことで「信義が崩れた」というのが表向きの理由だが、都議選をにらみ、小池についた方が得策だとなびいたことは明白だ。
橋下維新も「改革」で勢力拡大/(C)日刊ゲンダイ
改革を掲げる“第三極”は次々と自民の補完勢力に
都政の自公連立は国政より歴史が長い。鈴木俊一都政以来、続いてきた連立の解消はかなりのインパクトで、自民党都連には衝撃が走った。
「公明党の支持母体である学会の婦人部と小池知事はもともと関係が良好で、婦人部から『小池さんをイジめるな』という圧力があったと聞きます。都内の学会票の6割強が女性票ですから、自民党としても、この動きは無視できない。選挙に弱い自民党都議が“刺客を立てられたらヤバイ”“当選するためには小池知事についた方が得だ”と浮足立ち、自民党都連が分裂する可能性は大いにあります」(政治ジャーナリストの山田厚俊氏)
都連関係者によれば、小池新党に参加しそうな都議は「2ケタはいる」という。民進党も、東京が選挙区の蓮舫代表が「改革の旗に共鳴している」と小池を持ち上げるなど、ロコツにスリ寄っている。小池新党、公明、民進の「知事与党」が都議選で過半数を獲得することになれば、当然、国政にも重大な影響が出てくる。ちょうど、地域政党から始まった大阪維新の会が、国政に進出してデカイ顔をするようになったのと同じことが起こりかねない。
問題は、小池がどこまで本気で自民党と対峙する気があるのかということだ。小池新党ができたとして、それは安倍自民に対して、与党なのか、野党なのか。
自民党側の立場もハッキリしない。なぜ、小池を除名しないのか。実は裏で握っているんじゃないかという噂は尽きない。自民党東京都連の下村博文会長は5日、今年最初の自民党正副幹事長会議で、夏の都議選に触れ、「小池知事とは、組めるのなら組んでいけばいい」「何もとりたてて敵対する必要はない」と言っていた。さらには、昨年末に自民党会派から離脱して「新風自民党」を立ち上げた都議3人と来週にも面会するという。3人は自民党の1次公認候補に内定していて、都議選に“自民党候補”として出馬する可能性もまだあるということだ。こうなると、本当に分かりづらい。
■都連も大阪府連と同じことになる
都議選で小池新党と自民党の対決ムードをメディアが盛り上げれば、野党は埋没してしまう。蓮舫は4日の年頭会見で、小池と選挙協力について協議したいとか言っていたが、野党第1党の民進党が目先の都議選のために安易に小池に接近すれば、国政レベルでの野党共闘が頓挫しかねない。衆院選での野党共闘もかすんでしまう。
「結果として、野党潰しになれば、官邸にとっては願ってもない展開です。なにしろ、小池知事は究極のリアリスト。都議会自民党との対決姿勢を鮮明にした方が人気を得られると思えばそうするし、自民党都連と組んだ方が得だと判断すれば手を握るでしょう。大阪では、国政選挙で維新と公明が握り、自民党府連が壊滅的な打撃を受けた。国政レベルの自公連立と、明らかにねじれが生じています。東京でも同じことが起こりかねません」(山田厚俊氏=前出)
勝つためなら何でも利用する小池、そして、当選するために小池知事に群がる候補者たちのスケベ心。双方の利害関係がいつまで一致するかという問題もある。公明だって、選挙に勝てばこっちのものとばかりに、小池と距離を置くことも考えられる。都政でも国政でも与党でいたいだけだからだ。多数派形成のために、小池新党が自民党と組んでも不思議はない。
自分たちは「野党」だと言い張ってきた維新も、今ではすっかり与党化し、それを隠そうともせず、民進党批判にひたすら精を出している。カジノ法案もTPP承認案も自民党と歩調を合わせた。今後、安倍首相がもくろむ憲法改正にも全面的に協力するとみられている。ここに小池新党も乗ってくる可能性がある。
「そもそも小池知事はまだ自民党籍を離れていない。改憲論者でもあるし、あわよくば国政に返り咲いて女性初の首相を目指そうと考えているはずです。確固とした政治信念があるわけでもないから、安倍自民に対して与党か野党かという判断は難しい。改革を掲げていれば、都民の支持を得られるという計算しか感じられません。そこは維新と非常によく似ています」(五十嵐仁氏=前出)
小池が本気で都議会から自民党のドン内田一派を駆逐し、国政レベルでも安倍政権に取って代わる覚悟ならガンガンやって欲しいものだが、常に世論の風を読み、時の権力者にスリ寄ってのし上がってきた政界風見鶏だけに、どうにも信用しきれないのだ。そこに、この国の不幸がある。改革を掲げた新党が次々と自民の補完勢力になっていくばかりでは、何を信じて投票すればいいのか。自民暴政に一石を投じたい有権者は途方に暮れるしかない。
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