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トランプの米国と日本外交のあるべき姿
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4Jan2017 天木直人のブログ
私は昨年末に、ある組織の機関紙に、トランプ後の国際情勢と日本の取るべき外交、というテーマで、寄稿を頼まれ、年末に書き終えて送付した。
その要旨は一言でいえばこうだ。
トランプの米国がどのような米国になるか世界が注視している。しかしそれを議論してもあまり意味はない。誰もわからないからだ。本人自身もわからないのではないか。はっきりしている事は、世界がますます不透明、不安定になるということだ。重要な事は、トランプの登場によって世界が混乱するのではないということだ。世界が混乱したからこそトランプが登場し、そのトランプが世界を更に混乱させるということだ。世界の混乱の原因は、米国発の行き過ぎた金融資本主義によって極端な格差拡大が世界中に広がり、米国発の行き過ぎた軍事覇権主義が世界をこれまでにない対立と軍拡に走らせたことだ。トランプ大統領がどのような政策をとろうとも、米国は自らの矛盾を解決できず、だからといって米国に変わる正しい指導国が出てくるはずがなく、世界は更なる混乱に苦しむことになる。いまこそ日本は日米同盟最優先しかないという固定観念から自立し、憲法9条の精神を唯一の頼りにして、人権重視と共存の外交に舵を切る時だ。トランプの登場はその絶好のチャンス到来と前向きに考えるべきだ。
年が明け、世界は動き出した。
それを見るにつけ、年末に書いた私の思いは強まる一方だ。
トルコとイラクで立て続けにテロが起きた。
米ロ中の軍事対立は強まる一方だ。
そのような中で、トランプ大統領との首脳会談を急ぎ、バカの一つのように日米同盟の強化しか語れない安倍首相は、みずから日本の可能性を閉ざしているようなものだ。
米ロ中の軍事対立が表面化すれば真っ先に犠牲になるのは日本だ。
万が一米ロ中が軍事的に手を結ぶようなことになれば、日本の出番はない。
トランプ後の日本外交は、ひとり安倍首相、安倍政権だけの問題ではない。
どのような政権が出来ても、どのような政治家がこの国の指導者になっても、日米同盟最優先の外交を続ける限り日本に未来はない(了)
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