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安倍首相の真珠湾訪問は何だったか。
本当は実質的意味がない訪問をマスコミを動員して作り上げた政治ショーだったのではないか。
そしてトランプ・オバマ関係が緊迫している中、トランプとの関係悪化の危険をはらむ。−(孫崎享氏)
http://www.twitlonger.com/show/n_1spftoh
29th Dec 2016 市村 悦延 · @hellotomhanks
新聞の見出しに、「歴史的な訪問だとある。
何が歴史的だったのであろうか。
当初、「現職首相初めての真珠湾訪問」と報じられた。それだったら歴史的であったかもしれない。
しかし、その後吉田首相、鳩山(一郎)首相、岸首相が現役で訪問していたことが判明した。
かつ鳩山(一郎)首相の時には祝砲がうたれ、国歌吹奏も行われている。
確かにオバマ大統領は同席したが、彼は毎年暮れ真珠湾で過ごすので、
立ち会うのは特別ではないし、首相が演説をしたからと言って、「歴史的」とは言えない。
首相が行った演説も美辞麗句を並べているが、実はない。
安倍首相は「日本は不戦の誓いを貫いてまいりました。
戦後70年間に及ぶ平和国家としての歩みに、
私たち日本人は、静かな誇りを感じながら、この不動の方針を、これからも貫いてまいります」と述べた。
安倍首相は、集団的自衛権を認め、米軍の戦略に自衛隊を出さんとしている。
米国の戦略の中心は「テロとの戦い」だ。」!
「テロとの戦い」は2001年ブッシュ大統領がWar on Terrorと宣言している。
テロ戦争に加担したいと宣言するのか。真逆のことをしようとしているではないか。
あれは戦闘で戦争でないとでもいうのか。
美辞麗句を並べる中に、「戦争が終わり、日本が、見渡す限りの焼け野原、
貧しさのどん底の中で苦しんでいた時、食べるもの、着るものを惜しみなく送ってくれたのは、米国であり、
米国民でありました。皆さんが送ってくれたセーターで、ミルクで、日本人は、未来へと、
命をつなぐことができました」というくだりがある。これは正確ではない。
戦後、米軍経費負担を中心とする「終戦処理費」は1946年32%、47年31%、48年23%払っている。
食料援助よりはるかに大きい占領費を払っているのである。
私達は吉田首相、鳩山(一郎)首相、岸首相の首相現役訪問が何故当時の新聞に大きく取り上げられず、
今日、マスコミで大々的に取り上げられているかを考える必要がある。
明確に言えることは今日のマスコミは当時と比べ物にならない程度に
首相の広報機関になってしまったということである。
今一つ知るべきは、朝日は本訪問はそもそも米側提案と報じていた。
どの様な形で実施かも指示していたとみられる。
そして今次訪問における米国務省報道官は「in a spirit of looking forward未来志向の精神で 」と
安倍首相と同じセリフを述べている。
1.米国は安倍首相の真珠湾訪問を一つの梃子として、
集団的自衛権で、自衛隊を米国戦略の一環として使う。
2. 防衛費を増大させて、米国の軍事に利用する。
3. 米軍基地を拡充する。
これらの要請を強めてくる。
「未来志向」の持つ意味はそういう内容を含んでいることを理解しておくべきだ。
今一つ留意すべきは、オバマ大統領とトランプの関係が悪化している事だ。
オバマは大統領選中、トランプを「大統領にふさわしくない」と批判していたが、
選挙後「自分が候補者だったらトランプに勝てた」とのべ、これにトランプが反発する現象が生じている。
トランプは安倍・オバマの共同行動を好意的に見ているとはとても思えない。
安倍首相はオバマとショーを展開することで、次期大統領との関係でリスクを背負った。
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