http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/913.html
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「領土返還をぶち壊したのは安倍側近だった!」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/662.html
「安倍首相の野望を幻に終わらせた側近の一言〈AERA〉」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/814.html
「安倍北方領土外交の無能さは公開情報でもこれだけわかるー(天木直人氏))
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/902.html
「元官僚の一言が領土返還をぶち壊した!」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/900.html
などへのコメントです。
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プーチン大統領の訪日で開催された日露首脳会談の合意については、多くのメディアが批判的ないし懐疑的に報じている。好意的な評価でも、膠着状態にある日露平和条約交渉の第一歩になるというレベルである。
ざっくり言えば、日露首脳会談より前から安倍首相やプーチン大統領の人柄及び政策に“嫌悪感”を抱いてきたリベラル派や「歴史的に反ソ・反露の保守派」さらには「親米ないし親欧米派」は、今回の合意に厳しい目を向けている。
自民党の二階幹事長でさえ、大半の国民は今回の合意にがっかりしているとコメントしているくらいである。(将来に備え落胆を深める意図的な発言の可能性が大だが)
今回の日露合意に積極的に好意的で高い評価を示しているひとたちは、見聞きしている範囲になるが、佐藤優氏・鈴木宗男氏・下斗米法政大教授に限られている。
安倍首相はプーチン大統領から手玉に取られたという表現はまだいいほうで、領土を売り渡すどころかオマケ(経済協力)まで付けて献上した売国奴とまで言われている。
私は、いくつかの投稿で説明したように、将来的な「歯舞・色丹返還」を含意する今回の合意について、好意的でも批判的でもなく、他の手順や方法はなかなか見つからないという観点から、安倍政権には合意の具体化に向け積極的に取り組んでもらいたいと考えている。
今回の日露合意についてはいろいろ言いたいことがあるが、今回は、領土返還が実現しなかった重大戦犯のひとりとしていろいろな人によって取り上げられている谷内安保局長の発言について触れたい。
1)「返還後北方領土に米軍基地が置かれる可能性」発言
「安倍首相の野望を幻に終わらせた側近の一言〈AERA〉」からその内容を引用する。
「プーチン氏が態度を急に硬化させたのは明らかだ。そのきっかけになったとみられるのが、11月上旬に訪ロした谷内正太郎・国家安全保障局長の発言だ。複数の関係者によると、ロシア側から、将来日本に歯舞、色丹を引き渡した場合「米軍が基地を置くか」と聞かれて、「可能性はある」と答えたという。
これは、プーチン氏にとってはまったく容認できない見解だ。ロシアが渡した領土に米軍が基地など置こうものなら、プーチン氏のメンツは丸つぶれだ。
プーチン氏は大統領に就任直後、2000年9月に訪日した際、当時の森喜朗首相にも米軍基地が置かれる可能性について尋ねている。それほど気になる問題なのだ。ちなみに、このとき森氏は「そんなことは絶対にないよ」と答えていた。」
まず、主要メディアの記者や研究者さらには政治家なら、11月の訪露時に行われたやり取りの内容がリークされた“意図”を考えてみる必要がある。
このリーク自体が、今回の日露合意を仕方がないものと思わせるネタの一つなのである。
ロシアは、安全保障上、北方領土は返還しにくい状況にあることを日本も理解せざるをえないと、玄人筋(政治家や学者など)に納得してもらうためのネタである。
ほぼ断言できるが(なにせ米国支配層の判断なので100%の断言はできない)、返還された「北方領土」に米軍が基地を置くことはない。
なぜなら、米国がロシア軍とりわけロシア海軍を牽制したいと思っているのなら、「北方領土」の返還を待たずとも、宗谷岬近辺・根室半島・知床半島などの北海道に基地を設置すれば済むことだからである。
ご存じのように、北海道には米軍の専用施設はゼロである。
通信関連の共同利用施設が一つキャンプ千歳にあるほか、日米地位協定で認められた飛行場・演習場・射撃場などの一時利用可能施設が40箇所ほどあるというのが実態である
現在、最北の米軍基地は、今は自衛隊と共同利用施設になっている青森県の三沢基地である。
言ってしまえば、偶発的な衝突を想定したり、軍事的対応の時間が限定的な(逃げる間もない)ソ連やロシアに近接する場所にわざわざ米軍の基地を置きたくないのである。
(これは、“対中牽制”としてもっとも効果が高いと思われる尖閣諸島に米軍基地を設置しないことを考えるとわかりやすい)
これが、北方領土となると、“危険性”が高まるだけではなく、米軍将兵の“福利厚生”の問題も生じる。
都市が近くある北海道内なら米軍将兵も憂さ晴らしもできるが、より過酷な気候条件で娯楽もあまりない北方領土に基地があると、将兵は精神的にもたないだろう。
このようなことから、色丹島に限らず、北方四島が返還されたとしても、米軍がどこかに基地を置くことはないとほぼ言える。その意味で、森元首相の「そんなことは絶対にないよ」という発言は間違っていない。
ただ、日米安保体制下に置かれている日本は、米国連邦政府が返還された四島に基地を設置したいと言ってきたとき、最後まで抵抗できる保障はない。
その意味で、谷内国家安全保障局長が、「米軍が基地を置くか」と聞かれて、「可能性はある」と答えたのは“誠実”な対応と言える。
「領土返還をぶち壊した安倍側近」という見方の決定的な間違いは、日本と米国が連帯で返還された北方領土に軍事基地を設置しないと保証しても、歯舞・色丹は別だが、ロシアが国後・択捉を返還することはないという現実を見落としていることにある。
リークされた谷内国家安全保障局長の発言は、どうあがいても返還されない(国際法的にも日本がロシアに返還求める根拠がない)国後島と択捉島について、ロシアが返還しないのも仕方がないという別の理由を将来(平和条約締結)のために付け加えたものでしかない。
谷内国家安全保障局長を「領土返還をぶち壊した安倍側近」とするのは、発言者の意図とは違って、安倍政権をサポートするものなのである。
2)共同経済活動の対象地域に関する安倍首相と谷内正太郎国家安全保障局長や外務省の対立
「安倍北方領土外交の無能さは公開情報でもこれだけわかるー(天木直人氏))から引用。
「 たとえば12月20日の読売新聞の「検証 日露首脳会談」の記事だ。
そこにはこう書かれている。
「・・・(共同経済活動の対象範囲について)首相側近の谷内正太郎国家安全保障局長や外務省は
『4島を対象とすれば、プーチン氏が怒るのではないか』として、2島での実施を進言した・・・しかし。
首相は『いや、4島で突っ込もう。プーチン氏ならわかってくれるはずだ』と譲らなかった・・・」
驚くべき内情だ。
北方領土交渉の直前になっても、4島返還で押し通すのか2島返還で行くのかで、
外務省と安倍首相の意見が分かれていたというのだ。」
この記事をもって、安倍首相と谷内正太郎国家安全保障局長&外務省の対立という見方をするようでは、世界はまったく見えないよと言いたい。
「『4島を対象とすれば、プーチン氏が怒るのではないか』として、2島での実施を進言した・・・しかし。首相は『いや、4島で突っ込もう。プーチン氏ならわかってくれるはずだ』と譲らなかった・・・」という記事は、安倍首相はリーダーシップがあり揺るぎない姿勢で外交交渉に臨む強力な政治家という印象を醸成するヨイショねたである。
外交問題で表立って見聞きできる内容は80%以上が国内向けのものという認識がなければ、外交問題の内実を読む説くことはできない。
※ 関連参照投稿
「共同経済活動」に関するプレス向け声明:判じ物の声明だがひとを欺くための“逆走”説明とわかれば合意した「帰属」が推測可能
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/665.html
「気持ちはわかるが、より「お花畑」的発想の持ち主は小林よしのり氏」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/850.html
「安倍首相、日露首脳会談について:「本格的な領土問題の話に入ったと私は思っている」:内実は合意済み」
http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/765.html
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