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安倍政権終わりの始まり 二島返還もパーの亡国結末
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/196129
2016年12月19日 日刊ゲンダイ 文字お越し
世界から孤立(C)AP
成果がないことは最初から分かっていたが、それにしても、ここまでヒドイとは――。さすがに今回ばかりは、無能政権の化けの皮がはがれたのではないか。日本中が大騒ぎした日ロ首脳会談の結末は、「肩透かし」や「期待はずれ」の言葉では片づけられないものだ。深刻な負の遺産を残した。
安倍首相は連日、テレビ番組に出演して釈明に必死だが、北方領土の返還どころか、進展は何ひとつなく、ロシアへの経済協力で3000億円もの大金をふんだくられた。これが客観的な事実であり、盗人に追い銭みたいな話なのだ。
日本のメディアはハッキリ言わないが、海外の報道はハッキリと「日本外交の敗北」と書いている。たとえば、英フィナンシャル・タイムズ紙はこう指摘した。
〈首脳会談は安倍首相にとり屈辱的な結果をもたらすだろう。北方4島のロシアの主権を70年以上にわたり認めてこなかった日本が、4島でロシアと共同経済活動をするという大幅譲歩をした。だが
プーチン大統領を大歓待して、あれこれ“お土産”まで持たせ、一方の日本が得たものは何もない。15回もの首脳会談を経て「信頼関係」を売りにしてきた結果がコレだから、安倍の“おもてなし”には世界が驚いている。
「島での経済協力は、ロシアの法律下で行われるとロシア側は明言しています。つまり、ロシアの主権を認めることになる。北方領土で経済活動ができるようになって喜んでいる日本人は、資源利権に関わる一部の人々だけですよ。ロシアの領土だということを前提に、日本の投資によってインフラ整備が進み、北方領土が今以上に住みやすくなれば、ますます返ってくる可能性はなくなる。実際、プーチン大統領は『主権問題は存在しない』などと言い出しています。北方領土のうち歯舞、色丹の2島を平和条約締結後に引き渡すとした1956年の日ソ共同宣言まで反故にされたも同然で、安倍首相は、戦後の領土交渉の積み重ねを無にしてしまった。私利私欲のために領土を差し出すような売国的交渉に日本国民は納得できるでしょうか」(政治評論家の本澤二郎氏)
■巨額の税金を使って国益を失う
当初は、今回の日ロ会談で2島先行返還、残り2島もいずれ……というムードだったのに、フタを開けてみれば、2島返還までパーという大後退だ。安倍は北方領土について、「私の世代でこの問題に終止符を打つ」と言ってきたが、こんな形で終止符を打つことを誰が望んだというのか。2島返還だけなら、何代も前の内閣で実現可能だった。ここまで時間が経過したのは、4島の帰属にこだわってきたからで、安倍が決めた経済協力によって、日本に帰属権も領有権もないことを確定させてしまうことになりかねない。ロシアの主権を認めるために、巨額の経済協力を申し出るなんて、トチ狂ってるとしか言いようがないのだ。
「安倍首相の本当の目的は、北方領土返還ではなく、中ロ関係にくさびを打ち込むことにあった。ロシアと接近することで、中国を牽制するという妄想です。しかし、中ロの信頼関係は固くて、崩すことはできない。中国敵視に凝り固まって、あわよくばのスケベ心と自信過剰で突っ走るから失敗する。そもそも、最大の敵国が米国というロシアから見れば、米国追従の日本は敵性国家です。安倍外交の基本はいつも同じで、中国封じ込めのために巨額の税金を使って、国益を失うというパターン。結局は対米盲従しかできないのに、ロシアにもいい顔をするコウモリ外交では、国際社会で信用されるわけがない。そんな体たらくだから、経済協力だけ食い逃げされるのです」(本澤二郎氏=前出)
シリア情勢でロシアを非難するケリー米国防長官(右)/(C)AP
シリアで市民を虐殺するロシアに加担したも同然
まったく、なんてことをしてくれたんだと言いたくなるが、今回の日ロ会談の影響は、領土を失っただけで済まないから深刻だ。会談当日、ロシアのラブロフ外相は、カメラの前で「シリア問題とウクライナ東部の情勢をめぐって両首脳が意見交換し、両国の立場はほとんどの点で一致している」と話していた。これは聞き捨てならない。本当なら由々しき問題である。外交評論家の小山貴氏が言う。
「いま、国際社会の最大の関心事はシリア内戦の激戦地アレッポでの市民虐殺です。シリアのアサド政権が、女性や幼児を大量殺戮するという人道危機が起きている。アサド政権のバックにロシアがついていることは周知の事実で、米国やNATO諸国はロシアへの制裁強化に動いています。そういう世界情勢を考えれば、孤立するロシアと協調することは、日本にとってマイナスでしかありません。ロシアへの経済協力だけでも、G7の結束から逸脱する行為なのに、『シリア問題で両国の立場が一致した』なんて言語道断です。もちろん、ロシア側が勝手に言っているだけでしょうから、厳しく抗議し、訂正する必要があります」
ところが、ロシア政府に抗議したという話が聞こえてこないから気味が悪い。まさか、本当にロシアの立場を支持したとでもいうのか?
アレッポの市民虐殺は、SNSなどを通じてもリアルタイムで配信されてきた。そこでは、とても正視に堪えないような地獄絵図が繰り広げられている。欧米のニュース番組は連日、この問題を取り上げ、人道的な観点から、ロシアを非難している。
■八方美人外交で八方塞がりの愚
国連安保理も13日、シリア内戦の人道危機について緊急会合を開いた。潘基文事務総長は「シリアとその同盟国であるロシアやイランに国際人道法に従うよう求める」と名指しで批判し、米英仏もロシアを強く非難した。
そんな最中にプーチンにスリ寄り、会談に大遅刻されてもヘラヘラ笑って出迎えて、3000億円を出資する日本は、世界からどう見られるか。ロシアと通じた悪の枢軸国として、G7から追放されてもおかしくないのだ。八方美人外交で、八方塞がりになっているのだから世話はない。
10月にも、米英仏独伊とカナダの6カ国が、アレッポ情勢について即時停戦を求める共同声明を発表したが、G7の中で日本だけが名を連ねることはなかった。
「安倍首相は常々、国際社会に向けて『力による現状変更は認められない』と強調しています。尖閣諸島や南シナ海での中国の活動を牽制するためですが、中国に対しては『国際法を守れ』と言い、ロシアのウクライナ侵攻やシリア虐殺は黙認するというのはダブルスタンダードで、筋が通りません。ロシアはサイバーテロにも力を入れていて、つい最近もトランプ候補を勝たせるために米大統領選に干渉したという調査結果が出た。オバマ大統領は報復を検討していて、米ロ間の緊張が高まりつつあります。そういう状況下でロシアに肩入れし、領土を差し出して何も日本にメリットがないのでは、世界の笑いものです。なぜ、こういう交渉結果になったのか、安倍首相は国民に説明する必要があります」(小山貴氏=前出)
タス通信によると、ロシアのスルツキー下院外交委員長は16日、プーチン訪日で経済協力強化が合意されたことについて「(欧米諸国の)対ロシア制裁網に風穴をあけた」と評価したという。要するに、まんまと利用されただけということだ。
トランプに真っ先に会いに行って「信頼できる」と持ち上げたのに、直後にTPPでハシゴを外されたのと同じで、完全に足元を見られている。
この男が動くたびに、国益を損なう。日ロ交渉では、領土だけでなく、国際的な信用も失うという大失態。こうなると疫病神でしかない。
公約違反の消費税増税延期は「新しい判断」でケムに巻いたが、対ロ問題に関しては、「新しいアプローチ」だの「特別な制度」だのといった言葉遊びで終わらせるのを決して許してはならない。
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