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引き分けどころかプーチンの一本勝ちの日露会談
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2016-12-16 そりゃおかしいぜ第三章
日露首脳会談は、当初日本国内向けに大騒ぎしていた領土問題は全く触れることなく、財界の称賛の下で共同宣言を出した。プーチンの言う、”引き分け”とは程遠い内容である。
そもそも、北方領土をソ連に渡すことになった経緯のすべては、終戦のどさくさでさえも軍人を含む官僚が自分たちの立場だけを優先させようとした結果といえる。ソ連に敗戦の通告を出していなかったのである。
東京でプーチンは記者団の質問に答えて、歴史的経過をかいつまみながらも正確に説明した。そして、日米安保条約が存在し、日本はアメリカに目を向けなければならないと、日本の背後にアメリカの姿を見ていることをはっきり説明した。またプーチンの明治初頭からの説明は思ったより正確で、説得力のある内容であった。その上で、領土をピンポンのようなやり取りするのはもう止めるべきと述べた。ここでのプーチンの言葉の内容はこちらが推し測らなければならないのであるが、領土には手を付けさせないという意味である。日米安保条約が邪魔という釘はしっかりさしている。
報道は、両首脳の新しい基準による共同経済活動を高く評価するばかりである。唯一根回しのできていなかった、訥弁の自民党の二階幹事長が領土はどうしたと不満を述べていた程度である。元島民の人的交流がしやすくなるのは評価しなければならない。経済より平和条約が優先事項というのは眉唾発言である。
日露首脳会談に向けて領土交渉の進展をいいだけぶち上げていた。安倍晋三の国内対策である。この男は目先を巧みに替えるのに長けている。今回も政界の大集団のパーティで引き合わせ、成功したかに見える。
しかしどのように繕おうとも、領土問題をエサにして日本から3000億円規模の経済協力を引き出した、プーチンの魂胆ははっきり見えている。プーチンが言う引き分けなどとは程遠く、プーチンの一本勝ちといえる。
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