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すっかり歓迎ムード(C)AP
混乱に乗じた首相のスケベ心 日ロ首脳会談の先に待つもの 日本経済一歩先の真相
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/195862
2016年12月16日 日刊ゲンダイ
ロシアのプーチン大統領が、ついに日本へやってきた。安倍首相は地元・山口県長門市の老舗旅館で出迎え、伝統的な温泉宿で「おもてなし」するが、最大の焦点となる北方領土交渉は、このくつろいだムードで話し合われることはなさそうだ。
今回の首脳会談に同席するのは双方の通訳のみ。ほぼ2人きりで話し合わせる“極秘会談”で、領土問題はどこまで進展するのか。事前報道で知る限り、安倍首相はそう簡単に「4島返還」を勝ち取れそうにはない。
2014年2月の国会で、安倍首相は北方領土問題について、「私の総理在任中に解決していかなければならない」と強い意欲をみせていた。それから2年余り。交渉本番の直前、北方4島の元住民らと会った際には「私の世代でこの問題に終止符を打つ決意で首脳会談に臨みたい」とトーンダウンさせたのは、気がかりである。
何しろ最大の同盟国の反対を押し切ってまで、安倍首相は日ロ交渉のテーブルを用意したのだ。16日、東京に舞台を移しての首脳会談について、オバマ米政権が先月、開催自粛を求めていたと報じられた。
東京では経済協力を中心にした議論が行われる。ロシアの極東開発の全面支援に日本が動き出せば、プーチン大統領は大喜びだが、同時にオバマ大統領の顔に泥を塗ることになる。
ウクライナ問題やシリア情勢を巡って、オバマ政権はロシアと鋭く対立してきた。2年前のクリミア編入以来、日本も米国やEU諸国と一緒にロシアに経済制裁を科してきた。安倍首相がプーチン大統領に経済協力を約束すれば、日米欧の「対ロ包囲網」を進んで緩めることになる。米国が反対するのも無理はない。
安倍首相がオバマ政権の制止を振り切った背景には、恐らく世界情勢の混乱がある。英国の離脱決定以降、EUは存在意義を失い、米国には一国主義の新大統領が誕生する。フィリピンの暴言大統領はアジアの波乱要因だし、韓国は朴政権スキャンダルでガタガタだ。
世界の枠組みが音をあげて崩れ、歴史の大きな曲がり角に差し掛かる中、安倍首相はその混乱に便乗し、北方領土の凍てついた歴史の扉をこじ開けようとしたのだ。首相を突き動かした原動力は、間違いなく「歴史にその名を残したい」という政治的野心だ。あわよくば、北方領土問題の進展を手柄に解散・総選挙へとなだれ込み、圧勝して長期政権を確実なものにしたい。そんなスケベ心にとりつかれたようにしか思えない。
ただし、日ロ関係の深化を急げば、安倍首相の想定以上に世界秩序を一気に崩しかねない。対ロ融和をにおわすトランプ新政権の誕生や、EU離脱決定以降の英・中両国の接近など、ユーラシア地域を巡る外交は一筋縄ではいかない。はたして安倍首相には、この高度で複雑な連立方程式を解く覚悟はあるのだろうか。
高橋乗宣 エコノミスト
1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。
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