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乱暴国会なのに高支持率…戦前と似てきた野党への絶望
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/195878
2016年12月15日 日刊ゲンダイ 文字起こし
ナーンもしてない(C)日刊ゲンダイ
「(1956年の)日ソ共同宣言の枠を超えている。全く別の話で別の問題提起だ」
安倍政権にとっては強烈な先制パンチを食らった格好だろう。15日から2日間の日程で来日するロシアのプーチン大統領。モスクワのクレムリン(大統領府)で日本メディアの事前インタビューに応じたプーチンは、日本側が「北方領土」の帰属問題を日ロ首脳会談の交渉対象として検討していることに触れ、ハッキリと「ノー」を突き付けたのだ。
予想されていたとはいえ、これで今回の安倍、プーチン会談で「北方領土返還」の可能性はきれいさっぱり消えた。「歴史的な日になるかも」なんてバカ騒ぎしていた安倍政権や大新聞・TVは冷や水をぶっかけられ、赤っ恥をかいたワケだ。プーチンはまた、日本側が提案した医療や極東開発といった「8項目の経済協力プラン」を受け入れる姿勢を示す一方で、経済協力が日ロ平和条約を締結する条件ではない、との認識も示した。
つまり、ロシア側は「日本が経済協力を申し出るなら受けるよ。でも、北方領土返還と平和条約は全く関係ないけどね」と断言したのに等しい。日本にとっては「ゼロ回答」どころか、ロシアに「いいとこ取り」されるだけで、一体どこが日本の国益につながるのかサッパリ分からない。大体、安倍外交の「敗北」は北方領土だけじゃない。2014年5月の北朝鮮とのストックホルム合意後、安倍は拉致問題について「全面解決に向けた第一歩となることを期待する」と胸を張っていたが、いまだに進展していない。来年に「日中国交正常化45周年」、再来年に「日中平和友好条約40周年」という節目を迎える日中関係も、安倍は「改善させたい」とオウムのように繰り返すばかりで、具体化に向けた動きはナシだ。要するに“食い散らかした”だけで、何一つ実現していないのだ。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏はこう言う。
「安倍首相は外交政策であれもこれも手を出すが、何としてもやり抜くという強い信念を持っているわけではない。世論ウケ狙いも結構ですが、外交は相手国との交渉事です。真剣に向き合わなければ成果を出すのは難しい。プーチン大統領が突き付けているのも『安倍首相は本気で取り組む気があるのか』ということ。中国なども、そういう安倍首相の薄っぺらな外交姿勢を見透かしているのだと思います」
■内政も失敗続きで実績なし
もっとも「実績ゼロ」なのは外交だけじゃなく、内政も同じだ。最大の失敗は「この道しかない」と突き進んできた経済政策「アベノミクス」だ。12年12月に誕生した第2次安倍政権は「デフレからの脱却」を大々的に掲げ、日銀の尻を叩いて市場にジャブジャブ金を流し込んできた。金融緩和をすれば大企業は儲かり、やがて恩恵は中小企業や家計に向かう(トリクルダウン)――と喧伝する一方、株価を買い支えるために年金資産まで手を突っ込んだ。ところが4年経ち、16年度の税収はリーマン・ショック後の09年度以来、7年ぶりに前年度実績を下回る見通し。安倍政権は来年の春闘で財界に「賃上げ」を要請しているが、予定通りトリクルダウンが起きていれば、政府がシャシャリ出る必要はない。「アベノミクス」の生みの親とされる米エール大名誉教授の浜田宏一内閣官房参与ですら月刊誌で失敗を認めている通り、「破綻」は明々白々なのだ。
ところが、安倍政権はアベノミクスの失敗に頬かむりしているだけではなく、シレッと「カジノ法案」や「年金カット法案」を強行採決だ。これが数少ない“実績”とは恐ろしい話だ。
内閣不信任案の趣旨弁明をする枝野民進党前幹事長 /(C)日刊ゲンダイ
政党政治が信頼を失えばファシズムが台頭する
北方領土は返還されず、拉致問題の解決も程遠い。「社会保障費に全額使う」と言って消費税を引き上げながら、逆に社会保障費をバンバン削って国民に負担を押し付ける。熱心に取り組んだのは、特定秘密保護法、集団的自衛権の行使容認、カジノ法で、野党の声には一切、耳を傾けず、国民に丁寧に説明する気もサラサラない……。
この4年間の安倍政権を改めて振り返ると、国政史上、一、二を争う無能、独裁政権だ。にもかかわらず、世論調査でいまだに半数を超える支持を集めているのが不思議でたまらないが、最大の理由は野党がフヌケだからだ。とりわけ、だらしないのが最大野党の民進党だ。
14日も、民進党は参院選挙制度改革への取り組みが不十分として伊達参院議長の不信任決議案を提出したが、参院本会議でアッサリ否決。安倍首相の問責決議案も、議院運営委員会で与党などに反対されて、本会議に上程すらされなかった。衆院にも内閣不信任決議案を提出したが、否決された。国民の目には「会期末にアリバイ的に抵抗しました」と映るだけで、何ともドッチラケの展開だ。
政治学者の五十嵐仁氏がこう言う。
「安倍政権の暴走を許しているのは、与党の対抗軸を担う野党・民進党が全く存在感を示せていないからです。カジノ法案も途中で日和ってしまい、他の野党から批判が出たほどですからね。これでは与党に足元を見られ、解散・総選挙をあおられるわけです。最大野党としてなぜ、野党共闘を強力に主導しないのか。与党を好き勝手させている責任は野党側にもあるのです」
その通りだ。カジノ法案だけじゃなく、安保法だって、民進党の議員の中には「ホンネは賛成」の「第2自民党」みたいな連中がゴロゴロしていることを、国民はとっくに見透かしている。だから安倍自民がどんなにメチャクチャやっても、民進党の支持が上がらないのだ。民進党が本気で野党共闘に力を入れ、政権交代を目指す気であれば、今国会だってチャンスはいくらもあった。
例えば、13日夜の沖縄・名護市沖のオスプレイ墜落事件だってそうだ。
「安倍首相が『重大事故』と認めているものです。野党にとって、これは政府・与党を攻める絶好の案件だったでしょう。国会の会期延長を求め、この問題をガンガン追及すればよかった。恐らく政府・与党は応じざるを得なかったと思います。カジノ法案も大事ですが、野党はピントがずれていますよ」(元レバノン大使の天木直人氏)
言うまでもないが、民主主義政治とは議会政治であり、議会政治とは政党政治だ。政党政治は政党が政策を実現するために有権者に支持を訴え、主張が異なる党と論戦するのが正常な姿だ。それなのに、与野党が水面下でコッソリと手を握っているような状況であれば、国民が政党政治を信頼するはずがない。
戦前の日本は、政友会と民政党という2大政党が汚職と醜聞を繰り返した結果、テロ・クーデターが続発。国民が政党政治を見放し、代わって軍部が台頭した。今のように離合集散を繰り返し、あちこちの野党に「自民別動隊」が潜んでいるような政治情勢では、かつての「暗黒の時代」に戻る日も近いだろう。
「政府・与党に対して、野党がしっかりとした対立軸を示さないアヤフヤなままの政治情勢が続くと、国民が既存政党に期待しなくなるのは言うまでもありません。そこで『現状を打開してほしい』と、扇動的な言動を発する人物に期待し、恐ろしいファシズム政権が生まれる危険があるのです」(五十嵐仁氏=前出)
作家の永井荷風は、戦前の軍部台頭や政界腐敗は国民の無関心にも原因がある――とみたが、同じ轍を踏んではならないのは言うまでもない。
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