http://www.asyura2.com/16/senkyo217/msg/321.html
Tweet |
この国の民主主義は死んでいる 安倍内閣支持率60%超の謎
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/195498
2016年12月9日 日刊ゲンダイ 文字お越し
まるでペテン師(C)日刊ゲンダイ
テレビ中継を見ていた国民は思わずのけぞったのではないか。7日に行われた今国会初の党首討論。衆院内閣委員会で、わずか5時間半の審議時間で強行採決された「カジノ法案」について、民進党の蓮舫代表が「どこが成長産業なのか」と迫ると、安倍首相は少しも悪びれた様子も見せず、こう言い放ったのだ。
「(議員立法の法案で)内閣提出法案ではないから、私は説明の義務を負っていない」
おいおい、ちょっと待て。何をスットボけているのか。カジノを「成長戦略」の本丸に位置付けていた“張本人”は、安倍政権だったのではないか。党首討論で安倍は2014年5月にシンガポールのカジノ施設を視察した時の感想を語っていたが、当時、視察を終えた安倍は記者団に「外国人観光客を2020年までに年2000万人へ倍増させたい。(カジノを含む)IRは成長戦略の目玉になる」とハッキリ言っていた。議員立法であろうが何だろうが、「成長戦略の目玉」であるならば、安倍には説明する義務があるだろう。
まっ、国会答弁で度々、「国民に丁寧に説明」とか言いながら、一度も丁寧に説明したことがない男である。党首討論のデタラメなやりとりも、ある程度は予想できた。
とはいえ、その安倍の首相在任期間が中曽根元首相を上回る戦後歴代4位になり、60・7%の内閣支持率(11月、共同通信調査)を維持しているのは奇々怪々だ。
■政府・与党は国民をナメている
「民主主義(デモクラシー)」の語源は、ギリシャ語の「デモス(人民)」と「クラシア(支配)」が組み合わさったものだ。つまり、そのまま訳せば「人民支配」であり、民主主義とは、政府や立法者ではなく、国民に主権があるということだ。間違っても国会で「私は総理大臣なんですから」と、中世ヨーロッパの「王権神授説」を彷彿させるような発言を繰り返す安倍の姿勢は断じて民主主義ではない。にもかかわらず、今の高い支持率を得ているのを見ると、果たして日本国民は民主主義を理解しているのか、前提となるマトモな判断力を備えているのか、と疑わずにはいられない。一体なぜ、安倍政権の支持率はこんなに高いのか。聖学院大の石川裕一郎教授(憲法・フランス法)はこう言う。
「まずは安倍政権の負の部分をきちんと噛み砕いて報じない大手メディアの報道姿勢に原因があると思います。政府広報のような報道ばかりで、マイナス情報はごくごく少ない。だから、高い支持率を保っていられるのだと思います。ただ、政府・与党もそれを意図的に仕向けている面もあります。例えば、賭博を合法化するという大問題のカジノ法案をはじめ、TPP法案も年金カット法案も、強行採決に踏み切ったのはすべて金曜日。おそらく、土、日の休日は報道が減って国民の目に触れる機会も少なく、そのうちに忘れるだろう――と考えているのでしょう。国民は政府・与党にナメられているのです」
年金やTPP関連法案の議論を深めるために国会の会期を延長したはずなのに、いつの間にかカジノ法案に突き進んでいること自体が「詐欺行為」と言っていい。そんな政権が6割を超える支持を得ているようでは、この国の民主主義は死んでいるのに等しい。
思考停止に陥ってはいないか?(C)日刊ゲンダイ
騙されていることが平気な国民は何度も騙される
そもそも、どう考えても「数の力」に驕り、ブッたるんだ閣僚ばかりの安倍政権が世論の支持を集められるはずがないのだ。代表的なのは、山本農相だ。自民党の佐藤・衆院議院運営委員長のパーティーに出席した際、「(TPP案件を)強行採決するかどうかは佐藤氏が決める」と仰天発言。担当大臣が審議前から強行採決をほのめかすなんて前代未聞だ。
沖縄・東村高江の米軍オスプレイ基地の建設に反対する市民に対し、機動隊員が「土人」と差別発言をした問題では、鶴保沖縄北方相は機動隊に反省を促すどころか「差別だとは断定できない」と擁護する始末。菅官房長官、稲田防衛相、高市総務相らの政治団体による「白紙領収書」だって犯罪的行為なのに、そろって国会で追及されると「合法」と開き直った。
外交も失敗続きだ。TPPは、米国のトランプ次期大統領が離脱を明言した以上、発効はほぼ絶望的。それなのに、8日の参院特別委で、ダラダラと無意味な審議を続けていた。15日に来日するロシアのプーチン大統領との日ロ首脳会談だって、最初は経済協力と引き換えに「北方領土が返還される」みたいな騒ぎだったが、11月中旬にペルーの首都リマで行われたプーチンとの会談後の安倍は暗い顔で「大きな一歩を進めることは簡単でない」とトーンダウン。もはや北方領土どころか、2島返還の道筋すら怪しくなったというのが外交専門家の共通した見方だ。要するに安倍政権は内政も外交も何一つうまくいっていない。にもかかわらず、国民は支持しているから、ますますワケが分からない。政治評論家の森田実氏はこう言った。
「国民が目先のことしか考えない、近視眼的な思考になっているのでしょう。背景には『もうかればいい』という拝金主義、新自由主義が、政財界、メディアに至るまで隅々に浸透していることがあると思います。例えば、刑法で禁止されたバクチであるカジノ法案が成立すればどんな悲劇を招くか――などと考えず、政府・与党が喧伝する『経済効果』ばかりに目が向いている。日本の政治や将来はどうあるべきか、という大局的視点に立って物事を見ない。だから、安倍政権が耳当たりのいいことを訴えるほど、支持してしまうのです」
端的に言うと、国民が「思考停止」状態になっているワケで、こうなるとコワイのは、戦前のように「一億火の玉」化しかねないことだ。映画監督だった故・伊丹万作氏は著書「戦争責任者の問題」で、先の大戦に至った経緯を振り返りつつ、こう書いていた。
〈騙す者だけでは戦争は起こらない。騙す者と騙される者とがそろわなければ戦争は起こらない(略)騙された者の罪は、ただ単に騙されたという事実そのものの中にあるのではなく、あんなにも造作もなく騙されるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切を委ねるようになってしまっていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである〉
〈専横と圧制を支配者に許した国民の奴隷根性とも密接につながるものである。(略)『騙されていた』といって平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でも騙されるだろう〉
安倍は7日に自民党の茂木政調会長と会談した際、今の支持率が「民主主義国家ではこれ以上いかないだろう」と余裕シャクシャクで語ったらしいが、ペテン政権に「騙されている」ことに国民は早く気付かないとトンデモないことになる。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK217掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。