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IR法案採決(C)日刊ゲンダイ
協調外交は立派だが…ギャンブル立国は絶対あり得ない 日本経済一歩先の真相
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/195378
2016年12月9日 日刊ゲンダイ
柄にもなく、立派な心がけだ。今月26、27の両日に安倍首相が真珠湾を訪れ、オバマ米大統領とともに戦争犠牲者を慰霊することになった。次期大統領にトランプが選ばれるや、イの一番にトランプタワーに駆けつけ、真っ先に会談。また、15日にはロシアのプーチン大統領を地元・山口県長門市に招く。
英国のEU離脱以来、世界中に反グローバル、反インターナショナルの嵐が吹き荒れる中、安倍首相の外交方針には、逆風に負けまいとする猛烈な意欲を感じる。本来のイメージとは程遠い「融和と協調」の路線を突き進むのは、それこそひとつの見識ではある。
何しろ世界はひどくガタついている。フィリピンのドゥテルテ、「アメリカ第一」のトランプなど、ナショナリズムを煽るリーダーの出現が相次ぎ、欧州でもナショナリズムに根差した新興政党の躍進が目覚ましい。
イタリアでは4日の国民投票で政権が倒れ、反グローバル・反EUを打ち出す「五つ星運動」が政権奪取に意欲を見せている。来年春に大統領選を控えるフランスも右翼政党が勢いづき、来年秋のドイツの総選挙でも、反イスラム・反難民を掲げる新興政党が台頭しそうだ。
もはやグローバルやインターナショナルのコンセプトは崩れ去り、それぞれの国が勝手気ままに民族主義や保護主義へとやみくもに駆け抜けていく。そんな時代の幕開けムードが世界中に漂う中で、安倍首相の抵抗は良い意味での「想定外」の出来事ではある。
ただ、外交面はともかく、内政に目を向ければ、やはり支離滅裂だ。たった6時間未満の審議で、カジノ法案の採決を強行し、一気呵成に解禁してしまうなんて本当に理解に苦しむ。
ラスベガス、マカオ、モナコと世界を代表するカジノはすでに衰退しており、新規参入にメリットがあるわけもない。むしろカジノで儲ける風潮を受け入れない潔癖な文化と社会を維持してきたのが、「日本らしさ」でもあったはずだ。
そもそもカジノ解禁を成長戦略に掲げるセンスを疑う。ギャンブルを経済の尺度で扱うべきではないし、あぶく銭を当て込んだ経済成長もあり得ない。カジノが日本経済を牽引するとは到底思えないのだ。
ものづくり大国、技術大国などと呼ばれ、輸出立国、産業立国を目指したのも今や過去の話なのだろうか……? それにしても、観光立国を新たな目標に掲げるのはまだ許せるが、ギャンブル立国というのはもってのほかだ。
安倍政権は一体、この国をどこに導くつもりなのか。とてもじゃないが、納得できない。
高橋乗宣 エコノミスト
1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。
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