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全てがあぶく銭のバクチ頼み 馬脚を現したアベノミクス
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2016年12月8日 日刊ゲンダイ 文字お越し
“重症患者”には馬耳東風(C)日刊ゲンダイ
フルスピード解禁は、さもありなんである。民進党の蓮舫代表が7日、初の党首討論で「ギャンブル依存症にどう対応するかも説明しないで、なぜ強行に(カジノ法案の)採決を急ぐのか」と安倍首相に噛みついたが、馬の耳にナントヤラだ。アベノミクス自体がギャンブル依存症のような政策で、しかも政権担当者たちにその自覚はない。異常を認識できないほど重度の症状に陥ってる。
今年度の税収が当初見込みより1.9兆円も不足しそうなことが判明し、安倍政権は慌てて赤字国債で穴埋めする。大幅減収の理由は秋まで続いた円高進行。とりわけ輸出関連企業の業績を悪化させ、10月末までの法人税収入は前年よりも29%も減った。しょせん為替は水物。今回の赤字国債発行は、アベノミクスが気まぐれなマーケットに極度に依存している現実を、雄弁に物語る。
日銀の黒田総裁が異次元緩和のバズーカを発射。その“神通力”が残っていたころは官邸のバクチ打ちたちもイケイケだった。円安効果で、輸出大手の業績はV字回復。連動するように税収は増え、新規の国債発行額も減った。
今年度の税収見通しが当初、バブル期以来25年ぶりの高水準となると、安倍は「アベノミクスの成果だ」と鼻高々。ところが、為替は逆流、円高が急激に進むと、税収も激減。安倍政権は負けが込んだギャンブラーのように、借金を増やすハメになった。
円安・株高に頼り切ったアベノミクスの危うさを、つくづく痛感させられる。経済アナリストの菊池英博氏はこう言った。
「アベノミクスは結局、為替のマジックで輸出大手を多少潤しただけ。輸出数量はちっとも増えず、増産に至らないから賃金は上がらない。実体経済には何ひとつ貢献していないのです。それどころか、株価維持策に汲々とし、虎の子の年金積立金やゆうちょマネーなど、あらゆる国民資産に手を出し、鉄火場の株式市場になげうつ始末。ひたすらマネーゲームを煽るだけの安倍政権に対し、国の家計を預かる女房役の黒田日銀はいさめもしない。むしろ、禁じ手のマイナス金利で助け舟を出し、ギャンブル狂のダンナをたきつけるありさまです。パチンコ好きの夫婦に、炎天下の駐車車両内で置き去りにされた乳児のように、国民生活も干上がってしまいますよ」
やめたいのにやめれらない。家中のカネを持ち出す。借金を繰り返す。多重債務。破産。果ては自殺に追い込まれる――「これがギャンブル依存症の怖さです」と蓮舫は党首討論で指摘したが、まさに“後は野となれ”のアベノミクスにぴったりと当てはまる。
猿マネはナンセンス(米アトランティック・シティのカジノ)/(C)AP
人の不幸を成長戦略に掲げる「美しい国」
そんなギャンブル依存症政権が、刹那のバクチ=カジノを成長戦略の柱に誇らしげに掲げているのだ。いよいよ末期的で、自覚症状がないのにもほどがある。
そもそもカジノの収益の柱は賭博客の負け金。国家が経済成長のため、依存症の人や外国人観光客らの“散財”に堂々と期待を寄せるなんて、実に汚らわしい。極めて貧困な発想で、普段は安倍応援団の読売新聞でさえ、2日付の社説で〈他人の不幸や不運を踏み台にするような成長戦略は極めて不健全〉と書いたほどだ。
日本が世界に誇ってきたモノづくり技術や、おもてなしのサービスと違って、ギャンブルは大金が動いても、何の付加価値も生まない。しかもカジノは賭博だ。刑法で懲役刑を科し禁じているだけでなく、安易な解禁は憲法違反の可能性すらはらんでいる。
過去に〈賭博は勤労の美風に反する〉とした最高裁判例があり、日本国憲法が定めた3大義務のひとつ、「勤労の義務」を損ねかねないのだ。判例はさらに〈甚だしきは暴行、脅迫、殺傷、強窃盗その他の副次的犯罪を誘発し又は国民経済の機能に重大な障害を与える恐れすらある〉と断じている。
前出の菊池英博氏は「解禁したところで、カジノ目当てに日本を訪れる外国人はいない」と喝破したが、その事実を裏付けるデータもある。
旅行サイト「トリップアドバイザー」が調査した「外国人に人気の観光スポット2016」によると、1位に輝いたのは伏見稲荷大社。以下、2位広島平和記念資料館、3位厳島神社、4位東大寺、5位京都のサムライ剣舞シアターと続く。
ハッキリしているのは、いずれも「日本らしい」文化や景観を味わえる場所が外国人観光客の支持を集めていること。安倍政権は国を挙げて観光立国を目指しているはずだが、ラスベガスやマカオの“猿マネ”はナンセンス。バカ丸出しだ。経済評論家の斎藤満氏も嘆くことしきりだ。
「人に喜ばれるサービスに知恵を絞り、丹精込めて高付加価値の製品を作り出すことこそ、日本人の美徳だったはず。この理念は、日本企業が国際競争に勝ち残る最大の武器でもある。観光客にバクチで損をさせ、手にした“あぶく銭”で経済を活性化させるのは『日本らしさ』とは真逆の発想です。額に汗して働くことを軽んじるような国づくりが、果たして安倍首相のいう『美しい国』なのか。いくらアベノミクスの“バクチ政策”が行き詰まっているとはいえ、さもし過ぎます」
■ギャンブル依存症が支配する国に未来はない
ましてや、この国はカジノがなくとも、すでに世界有数のギャンブル大国だ。国内のパチンコ店舗数は軽く1万店を超え、どんな田舎に行っても1軒は必ずある。その総売上高は毎年20兆円を悠々と突破する。やめたいのにやめられないギャンブル依存症の疑いのある人が、推計536万人もいるのも納得だ。
一方、カジノ解禁による経済波及効果は、パチンコの産業規模の10分の1にも満たない。大和総研は横浜と大阪、北海道の3カ所に、それぞれシンガポールと同規模施設を開業する前提で試算したところ、カジノ運営による経済波及効果は年間1兆9800億円。日本のGDPを押し上げる効果は、たかだか0.4%程度に過ぎないのだ。
「しかも、売り上げの大半は間違いなく外資系の運営会社に吸い上げられます。日本にはカジノ運営のノウハウがありませんから、参入は困難。これで、どうやって経済成長の起爆剤にするつもりなのか。安倍政権が言い張る成長戦略なんて、恐らくタテマエ。世界のカジノ運営は米資本が中心です。米大統領選でトランプ氏が勝利、安倍首相がNYで会談した直後から法案成立を急ぎ出したのは、いかにも怪しい。カジノ解禁は次期大統領に取り入る道具で、1月下旬に予定される初の首脳会談の手土産にしたいとしか思えません」(前出の斎藤満氏)
それにしても、安倍政権はカジノ解禁にかまけている場合なのか。
今年の流行語大賞でトップ10入りした「保育園落ちた日本死ね」騒動はどうなった。子育て世代や働く女性を置き去りにし、成長戦略もヘッタクレもない。安心して子どもを産める環境を早急に整備しなければ、この国は凋落の一途をたどるだけだ。
仏人類学者のエマニュエル・トッド氏も、「今の日本にとって、人口減少と人口の老化は黒船以上の脅威です」と7日付の毎日新聞のインタビューに答えていた。そして英国のEU脱退とトランプ勝利を予見したトッド氏は「このままでは30〜40年後に突然、災いが訪れる」とし、こう警告していた。
「日本政府は何もやっていませんよ。安倍晋三首相の周りの人たちは経済優先の考えで、中期的な展望で経済が安定することを望んでいます。でも、私の関心はもっと長期的に日本が安定することです。それには人口問題や出生率にもっと真剣に取り組まなければなりません」
目先の利益にとらわれたギャンブル狂政権に乗っ取られたバクチ国家には、絶望の未来が待つのみだ。
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