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カジノ法案の強行採決は単なる愚行の次元ではない 日本の民主主義が死に体だ
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2016/12/04 01:04 弁護士 猪野 亨のブログ
カジノ法案(統合型リゾート(IR)整備推進法案)が衆議院内閣委員で自民党と維新の会による強行採決がなされました。
公明党は自主投票とはいうものの採決に反対せず、強行採決に加担しました。
強行採決には多くの新聞が批判社説を掲載しています。このまま衆議院本会議、そして参議院と強行採決を許すのかどうか、日本の民主義主義が死に体です。
毎日、読売、朝日の各紙は、昨日、掲載しました。
「強行採決の暴挙、カジノ法案が衆議院委員会で可決 沈没するアベノミクスが最後の大バクチ ギャンブル依存症に陥った安倍政権」
産経は強行採決前の社説(主張)です。
「カジノ解禁法案 懸念解消を先送りするな」(産経新聞2016年12月2日)
「会期延長をはさんで与党は今国会成立への動きを強め、民進、共産などの反対を押し切って審議入りした。きょうにも衆院内閣委員会で可決を図ろうとしている。
およそ超党派の議員立法には似つかわしくない姿ではないか。推進派議員には、疑問点に答えを出し、より多くの賛同を得ることに尽くすべきだと言いたい。」
「各地の公営ギャンブルの売り上げは、バブル期の半分以下に落ち込み、地方競馬、競輪の廃止も相次ぐ。カジノ分野では、すでにアジアでの競争が激化している。」
「拙速なカジノ解禁は問題多い」(日経新聞2016年12月3日)
「法案の審議が始まったのは今国会が終盤を迎えた、つい3日前のことだ。カジノには国民の間に根強い反対論や拒否感があり、これまで審議できずにいた。それを突然持ち出し、まともな議論もないままなし崩し的に解禁しようとする議員たちの見識を疑う。」
「カジノ法案採決 やはり合点がいかない」(北海道新聞2016年12月3日)
「道内では苫小牧市、釧路市、後志管内留寿都村がIR誘致を表明。道も前向きな姿勢を示す。
しかし、考えねばならないのは北海道を訪れる多くが、豊かな自然に魅力を感じているという現実だ。自然を生かした体験型観光の充実を求める声も多い。ギャンブルとは相いれないのではないか。
道には誘致自治体のみでなく、道民全体から意見を聞くことが求められる。」
「カジノ法案 懸念置き去りでよいのか」(福井新聞2016年12月3日)
「慎重審議を求めていた公明党の変節には首をかしげたくなる。1日の党会合で意見集約ができず幹部に一任、自主投票を決めた。井上義久幹事長は会見で「取りまとめに至らず、残念」と述べたが、一枚岩の党が法案の吟味より党内事情を優先したことは禍根を残すだろう。暴走する自民党の歯止め役となるべき、健全で良識ある抑止力はどこへいったのか。」
「カジノ法案/「負」の部分から目そらすな」(河北新報2016年12月3日)
「事は犯罪に関わる問題で例外は極力避けるべきだ。それでも例外を認めるなら、社会的な損失やコストを十分に考慮して判断すべきである。その対策を付帯決議で政府任せにしているのは無責任だ。
会期延長までした窮屈な国会の審議日程の中で、なぜ結論を急ぎ立てるのか。議論を尽くさないまま、今国会での成立など言語道断だ。」
「カジノ法案審議 モラル欠く危険な賭け」(岩手日報2016年12月4日)
「ギャンブル依存の増加、青少年への悪影響など、カジノ法案については数々の懸念が示されてきた。十分に審議もせず、数の力で押し通したことは許し難い。自民の暴走に歯止めをかけられない公明党も情けない。
カジノやホテル、大型会議場が一体となったIRは「成長戦略の目玉」(安倍晋三首相)。だが、カジノの本質は「客の不幸で金もうけ」だ。採決の強行は、「もうかれば何でもいい」という、モラルが欠如した政権の本質をあらわにしたとも言える。」
「カジノ法案可決 懸念や疑問は置き去りか」(西日本新聞2016年12月3日)
「その短い審議でも、法案提出者の自民、維新両党議員の拙さが浮き彫りになった。世論の反発を問われると「IRの概念が十分膾炙(かいしゃ)(広く知れ渡ること)していない」と認めざるを得なかった。懸念や疑問は「実施法案で判断する」という。事実上政府に丸投げする無責任ぶりである。
慎重論が強かった公明党が党議拘束を外して自主投票とし、採決を容認したのも理解に苦しむ。」
大きな勘違い!
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