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博打で日本を成長させる!? 何バカなことを言ってんだ。
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16年12月02日 永田町徒然草
カジノ法案の審議入りが報じられたばかりだが、自民党は採決をすると言い出した。大阪維新の会は、これに賛成した。カジノ法案は、“統合型リゾート法案”の俗称であるが、まさに本質を表している。統合型リゾートは、英語の integrated resort の訳語だが、integrate には“溶け込ませる”という意味もある。リゾート推進と言えば聞こえは良いが、その聞こえの良いresortの中に、カジノを溶け込ませようという法案なのだ。まさに、名は体を表すという、トンデモナイ法案なのだ。
私は、リゾート法の制定に中心的な役割を果たした。リゾート法とは、1987年に制定された「総合保養地域整備法」の略称である。政府提案の法律であるが、この法律の制定作業に携わった役人は、世界レベルの本格的なリゾートに、行ったことも見たこともない人がほとんどだった。私は、リゾートとは何かを掴むために、3回にわたり世界各地のリゾート視察の旅を重ね、リゾートなるものの奥深さを、多少は勉強したつもりである。
今回、カジノ法案の成立に前のめりになっている国会議員は、リゾートの本質を勉強したことがあるのだろうか。総合保養地域整備法ができると、全国各地からリゾート法の指定を受けたいという申し出が多数あり、相当の地域が指定された。しかし、リゾート法の指定を受けたいと申請した人たちもまた、リゾートの本質をほとんど理解していない人たちだった。従って、この法律のよって本格的なリゾート開発に成功した例を、私はあまり知らない。
私は、リゾート法の言い出しっぺだった。それは、私の選挙区の地域振興策のひとつとして、リゾートを考えていたからである。そして私は、十日町市の河岸段丘のひとつである当間地区に、実際にリゾート施設を作った。そのほとんどが農地であった総面積156万坪にリゾートを作るためには、どうしてもリゾート法は必要だった。そして、実際に大きな役割を果たした。
平成2年のバブル崩壊・私の衆議院選の落選・リゾートに対する認識不足などで、私が理想とするようなリゾート建設はなかなか進まなかったが、それでも、156万坪の広大な土地にかなり立派なリゾート施設が、既に出来上がっている。もちろん、営業をしながらのリゾート建設であり、本当の完成には20〜30年はかかるであろう … リゾート建設とは、そういうものである。是非一度、行って貰って、見て頂きたい。私がリベラル一辺倒のバカでないことが、分かって貰える筈である(笑)。詳しくは、ベルナティオをご参照あれ。
話を本筋に戻そう。世界的レベルのリゾートは、わが国にも是非欲しいものである。海外の人にも、またわが国民のためにも、是非必要なのだ。しかし、それには知恵と工夫が必要だ。そのためには、世界各地のリゾート施設を徹底的に学ぶことが大切である。リゾートの基本的なコンセプトは、基本的に “保養地”なのだ。ところが、カジノ法案に前のめりの論者は、カジノがないと integrated resort にならないと考えているようだ。これは、とんもない発想だ。
カジノとは、所詮“博打場”のことである。健全な博打場なんていうものは、この世に無い。バカラやブラックジャックやルーレットで、多くの人たちが身ぐるみ裸にされる。私は、そういう人たちを嫌というほど見てきた。パチンコやマージャンとは、次元が違うのだ。小さくやれば良いじゃないかという人がいるかもしれないが、そうできないのが、カジノの独特の雰囲気なのだ。
大阪市長のように行政のトップにある人や、有名な国会議員がカジノの有用性や有益性を語っている。私に言わせれば、カジノや博打というものを知らない、素人の言い分である。カジノのせいで必ず多くの家庭崩壊が起こるのは、想像に難くない。安倍首相も、成長戦略のひとつとして統合型リゾート推進論者という。こんな発想が、政府の経済審議会で堂々と取り上げられること自体が、私には理解できない。もう、この国は狂っている、としか言いようがない。
今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。
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