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ポスト籾井も変わらない 安倍官邸が仕切るNHKトップ人事
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2016年12月3日 日刊ゲンダイ 文字お越し
万事休す(C)日刊ゲンダイ
海の向こうでは暴言大統領が誕生したが、公共放送の「暴言王」は1期3年でお払い箱だ。NHKの籾井勝人会長(73)が退任する見通しとなった、と大メディアがこぞって報じている。
任命権を持つ経営委員12人のうち、再任に必要な9人以上の同意を得るのが極めて困難となったため。来年1月24日の任期満了をもって、籾井会長はお役御免となる。
最近の籾井会長は唐突に受信料値下げをブチ上げ、年内解散のSMAPに自ら紅白出演の熱烈ラブコールを送るなど、何かと人気取り策に走っていた。どうやら「人気」で「任期」を勝ち取ろうと必死だったらしい。
そんな悪あがきもむなしく、SMAPに袖にされただけでなく、値下げ提案も11月の経営委員会で即座に否定された。それもそのはずで、委員長でJR九州相談役の石原進氏をはじめ、経営委員会の面々は籾井会長をとっくに見限っていた。
経営委は10月に、次期会長の選考基準となる5項目の資格要件をまとめたが、籾井会長は何ひとつ合致しちゃいない。
具体的には@公共放送の使命を十分に理解しているA政治的に中立B人格高潔で説明力に優れ、広く国民から信頼を得られるC構想力、リーダーシップが豊かで業務遂行力があるD社会環境の変化、新しい時代の要請に的確に対応できる経営的センスを有する――。“籾井おろし”のため、あえてかすりもしない項目を並べ立て、当てこすっているようにも見えるほどだ。
経営委がサジを投げるのも当然で、籾井会長は2014年1月の就任会見から、「政府が右ということを左というわけにいかない」などと暴言を連発。経営委から3度にわたって注意を受け、国会によるNHK予算の承認も、全会一致の通例が3年連続で崩れる異例の事態を招いていた。
この3年間には子会社の職員による2億円もの公金着服や、籾井会長自身の私的なゴルフでのハイヤー代を「皆さまの受信料」で立て替えさせた問題など、スキャンダルも頻発した。
在任中の実績もほとんどゼロで、籾井会長がクビになっても、同情の余地は何ひとつないのだが、今回の“モミジョンウン”の更迭騒動には、NHKの腐敗構造があからさまに見て取れる。
すでに安倍官邸に支配され、政府が右といえば唯々諾々と従わざるを得ない。それこそ「公共放送の使命」や「政治的中立」なんてチャンチャラおかしい。ムキ出しとなっているのは、隷属機関の成れの果ての姿だ。
「ハイ、ご苦労さん」の心境か?(C)日刊ゲンダイ
就任4年で完成しきったメディア支配の惨状
籾井会長の進退を預かるNHK経営委員会は財界人や有識者らで構成され、メンバーは政府が国会の同意を得て任命する。このNHKの最高意思決定機関の人事に目をつけたのが、安倍官邸だ。
政権発足以来、息のかかった人物たちを次々に送り込んでいった。
その筆頭が委員長の石原進氏だ。もともと麻生財務相とはズブズブの仲。彼の政治思想は、今年7月の委員長就任まで辞めなかったポストでも、よく分かる。10年12月に経営委員に選ばれて以降も、改憲を目指す保守団体「日本会議」の地方機関「日本会議福岡」の名誉顧問や、原子力の利用を促進する一般社団法人「原子力国民会議」の共同代表を平気で務めていたのだ。
こんな偏った思想の持ち主が、よくも次期会長に「政治的中立」を求められるものだが、他の委員も似たり寄ったり。同じく日本会議の代表委員の長谷川三千子埼玉大名誉教授や、安倍の小学生時代の家庭教師だった本田勝彦JT顧問など、安倍の“お友達”がゴロゴロいる。
「現在の経営委員はすでに全員が安倍政権により任命・再任された面々となってしまいました。本来なら経営委員は放送法の定める『政治的公平性』に従って次期会長を選ぶべきなのに、安倍カラーに染まった今の陣容では当然、政権の意向が最優先されてしまう。つまり、暴言会長が消えてもNHKは一向に正常化されず、ポスト籾井に誰がなっても自動的に政権の傀儡となる宿命なのです」(元NHK政治記者で評論家の川崎泰資氏)
官邸サイドも「政権の言いなり」を起用したはずが、扱いづらい「お騒がせ男」だったことに懲りている。次期会長は必ず地味でおとなしい人物にクビをすげ替えるに決まっている。
次なる“政権の犬”は「放言、暴言を吐かない籾井」に変わるだけ。実にアホらしくなってくるのだ。
■負の循環はもう止まらない
大マスコミもNHKの構造腐敗には目もくれず、次期会長人事を巡って大騒ぎ。ポスト籾井をスッパ抜こうと汲々としている。
NHK会長の年間報酬は3000万円前後。火中の栗を拾うには割に合わない金額との理由で、名のある財界人には敬遠され、後継選びは難航しているという。
それでも、内部昇格なら前専務理事で現NHKエンタープライズ社長の板野裕爾氏や、常勤経営委員で元三菱商事副社長の上田良一氏など、地味ながら政権の覚えめでたい人物の名が飛び交っているが、前出の川崎泰資氏は「NHK人事を報じるメディアの姿勢はおかしい」とカンカンだ。こう続けた。
「読売新聞は2日の夕刊1面で、『NHK会長 上田氏有力』と伝えましたが、ニュースソースは『政府関係者』。NHKの会長ポストを官邸が事実上決めていること自体が大問題なのに、その腐敗構造を前提とした取材活動をうかがわせる記事は本末転倒です。会長人事を巡るくだらないスクープ合戦に熱をあげ、追及の矛先を誤っているのだとしても、権力の監視役を放棄したも同然です」
一部のメディアからは今夏の都知事選で完敗した増田寛也元総務相の名前が挙がったが、その解説がふるっていた。政府関係者に「都知事選に担ぎ出したお詫びとばかりに、菅官房長官が主導している」とコメントさせていたが、それこそ権力の乱用、人事の私物化そのものではないか。
間もなく再登板から4年目を迎える首相本人の懐柔策により、既存メディアはすっかり骨抜き。その結果、コトの本質を見失っているのだとしたら事態は深刻である。
安倍政権は、公共放送のトップ人事なんて官邸のさじ加減ひとつで、いかようにも左右できると言わんばかりだ。これだけ堂々とおごり高ぶりを見せつけているのに、お灸を据えるメディアが皆無では、ますます暴走政権をつけ上がらせるだけだ。元NHKプロデューサーで武蔵大教授の永田浩三氏はこう言う。
「歴代政権が躊躇してきた手法により、安倍政権はロコツなNHK支配を進めましたが、腐敗の構造は民放や大手紙も同じです。経営トップや幹部が首相と会食を重ねる“ねんごろ”の仲となり、ちょっとでも政権の意に沿わないコメンテーターは、すぐに消されてしまう。そんな異常事態が余りにも長く続いたことで、報道の現場にも諦念がはびこり、“出る杭”となるのを控え、萎縮しているような印象です。メディアが政権と対峙しなければ、TPP承認や年金カット、カジノ解禁と、数に頼ったゴリ押しが続くのも当たり前となる。いつまでたっても負の循環は止まりません」
籾井会長はいっそのこと、官邸ポイ捨ての内幕を洗いざらい暴露したらどうだ。毒をもって毒を制するしか、この腐りきった状況を打開する道はないのかも知れない。
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