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政界地獄耳 憲政史上由々しきIR法案
http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1746626.html
2016年12月3日8時46分 日刊スポーツ
★IR法はその性格もさることながら、ギャンブル合法化の法案だけに、各党の利害やエゴがぶつかり合う格好になった。景気は上向かず、アベノミクスの失敗をかわすためか、ついに国民にギャンブルを奨励するギャンブル国家の道を、言論の府とはいいがたい連中のいいかげんな審議によって成立させた憲政史上、由々しき法案となった。
★2日、衆院内閣委員会はIR法案を採決し、自民党と日本維新の会などの賛成多数で可決したが、委員会で民進党・緒方林太郎は「議論に入る前提として、カジノ業界や業界団体、遊戯産業関係業者、業界団体からの政治資金パーティー券の購入、さらには政治団体への寄付はそれぞれあるか」とただした。自民党の法案提出者、西村康稔、細田博之、岩屋毅、日本維新の会の小沢鋭仁、松浪健太の5人は「政治資金規正法にのっとって適正に処理している」と答弁するにとどめた。
★また、ギャンブル依存症への懸念を持つ公明党は自主投票という情けない対応になった。自民党が維新との共闘にシフトして連立の立場が不安になったことで慌てて政権にしがみついたという構図だろう。日本維新の会代表・松井一郎に至っては「(審議入りに反対なのは)政治的に僕に対する民進党の嫌がらせだ。彼らは国民の方を全く見ず、日本のことも考えず党利党略、個人的な好き嫌いで物事を考える。まあ、バカな政党だと思う」と解説した。
★2日付の読売新聞社説はこの法案に厳しい。「そもそもカジノは賭博客の負け分が収益の柱になる。ギャンブルにはまった人や外国人観光客らの“散財”に期待し、他人の不幸や不運を踏み台にするような成長戦略は極めて不健全である。さらに問題なのは自民党などがカジノのさまざまな『負の側面』に目をつぶり、その具体的な対策を政府に丸投げしていることだ」。この議論が国会で必要だった。(K)※敬称略
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