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「教職員数削減」で現場のブラック化はどこまで進むのか? 文科省vs財務省、当事者なきバトル
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50257
2016.11.27 ドクターZ 週刊現代 :現代ビジネス
■どちらの予測が正しいのか
教育に関する「文教予算」について、財務省と文科省の間で大きな認識の差があることが明らかになってきた。
財務省は、今後10年間で公立の小中学校の教職員の定数をおよそ4万9000人削減できるとする案をまとめ、文科省に対して定数削減を要求した。これに対して当の文科省は「教育現場を十分に理解していない意見だ」と猛反発。さらに、自民党の文部科学部会も文科省を擁護し、財務省の提案に反対する決議をまとめた。
「教職員のブラック化」がメディアで報道されるなか、この財務省の提案を「非情」と捉える向きも多いが、実際のところ、財務省と文科省どちらが正しいのか。
そもそも、財務省が教職員の定数削減を主張するのは毎年のことだ。ただ、去年は10年間で3万7000人を削減可能としていたところをみると、今年は例年よりも強気であることがわかる。
定数削減の根拠は「少子化による生徒減少」が予想できるから。実は、文科省も少子化による教職員数削減の可能性は認めているが、こちらは今後10年間で1万6000人とより緩やかな試算である。
ここで、基本的な数字を確認して両者の言い分を整理しよう。'16年の学校基本調査によれば、小中学校の生徒数は974万人、教職員数は65万人だ。そして今後10年間で生徒数は175万人減り、800万人程度になると予測されている。
現在、教職員一人当たりが抱える生徒数は約15人。財務省の要求どおり教職員を4.9万人減らすと、10年後には13.3人に減少する。また文科省の試算に準ずると、一人当たりの生徒数は12.6人とさらに少なくなる。
ちなみに現在の教職員一人当たりの生徒数は、OECD諸国の平均を若干超えている。これを平均まで引き下げることで教職員人件費の国庫負担が抑えられるというのが財務省の主張だ。
■宙に浮いた過重労働の議論
ただ、これだけでは教職員数の問題を論じるには説明不足で、「1クラスの学級規模」と「労働時間」も考慮する必要がある。
まず、日本の小中学校の1クラスの規模は平均30人前後で、OECD諸国ではトップクラスの大きさである。教職員一人当たりの生徒数が平均であることと併せて考えると、日本の教職員の「平均授業時間」は比較的短い計算になる。
しかし一方で、日本の教員の「労働時間」はOECD諸国の平均よりも長い。部活動など、授業以外での生徒指導が多いためだ。
財務省の提案どおり教員を削減すれば、教職員の労働時間はより長くなることが必至で、財務省はこの実情を無視していることになる。これではただ予算を削減したいだけと捉えられても仕方がない。
ただ、それに反発する文科省もまた、教職員の過重労働を深刻化させている張本人なわけであるから、その責任は否定できない。
もし財務省が要求する規模の定数削減を行うときには、浮いた予算は他の文教予算に回すことを約束し、文科省はそのぶんで教職員の負担を削減する方針を立てるのがベストだ。
政府が掲げる「教育再生」を達成するには、両省が教育現場の実情を踏まえた施策を準備する必要がある。
『週刊現代』2016年12月3日号より
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