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TPPから北方領土まで すべて八方ふさがりの安倍政権
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/194381
2016年11月22日 日刊ゲンダイ 文字お越し
無為無策を露呈(C)AP
安倍政権に飼いならされ、ヨイショ記事しか書けなくなった大マスコミの“従軍記者”はちっとも報じないが、日本にとって今回のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)ほど無意味で成果を得られなかった会合はないだろう。とりわけ象徴的だったのは、ペルーの首都リマで行われた安倍首相とロシアのプーチン大統領の首脳会談だ。
9月にロシア極東のウラジオストクで開かれた日ロ会談では、安倍は、北方領土問題を含む平和条約締結交渉について「手応えを強く感じ取ることができた」と上機嫌だった。この発言を受けた大マスコミは、明日にでも北方領土が返還されるかのごとく大々的に報じていたが、今回の会談後の安倍の表情は一転して暗く、「解決へ道筋が見えているが、簡単ではない」とトーンダウン。記者団から突っ込んだ質問をされても「中身を紹介することは差し控えたい」と逃げた。
だが、インタファクス通信などの報道によると、プーチンは日本側に対して北方領土での「共同経済活動」を提案したという。北方領土での「共同経済活動」はロシアの領有権を認めることになるため、日本政府は従来から「反対」の立場を鮮明にしている。プーチンだって、そんなコトは百も承知しているわけで、わざわざ首脳会談で取り上げたのは、日本側が求めている北方領土問題を含む平和条約締結を暗に「拒否」した証左とみていい。安倍政権は12月中旬に訪日するプーチンとの首脳会談を「一大セレモニー」の場にするシナリオを描いていたようだが、もくろみは完全に崩れたわけだ。
「日ロ交渉について、日本では経済問題のように報じられていますが、全く違う。本質は安全保障の問題です。なぜなら、仮に2島返還となれば、周辺海域に同盟国である米国の艦船が往来することになる。それをロシアが認めるはずがありません。経済協力の話では、シベリアの油田開発といった構想が出ていますが、極寒の地で環境が厳しいため、日本企業は慎重にならざるを得ないのが実情です。安倍政権は日ロ交渉がトントン拍子で進むような話ばかりしていましたが、そんなに単純な話ではないのです」
■オバマ大統領からは門前払い
APECでは、TPPについても「打つ手なし」がハッキリした。「反TPP」を訴える米国のトランプ大統領就任で、発効がほぼ絶望的となったとはいえ、旗振り役を務めた安倍はTPP首脳会合で、「国内手続きをやめてしまえばTPPは完全に死んでしまう」と訴えただけ。米国をつなぎ留める有効な手立ては何も示せず、協定の消滅を回避するための努力を確認するだけで終わった。決定的だったのは安倍とオバマの日米首脳会談が開かれなかったことだ。安倍がオバマに対し、トランプに翻意を促すよう求めることを期待していた他のTPP参加国は唖然ボー然だったろう。だが、そりゃあそうだ。トランプが次期大統領に決まった途端、土産持参でNYに馳せ参じた安倍の姿を見て、オバマはむしずが走る思いだったに違いないからだ。
「トランプ会談はあまりに軽率でした。オバマ大統領が快く思うはずがありません。安倍首相が他国の首脳と同様に、トランプ氏が正式に大統領に就任するまで会わない――という姿勢で臨んでいれば、APECでオバマ大統領も首脳会談の時間をつくったでしょう。TPP発効に向けて日本と足並みをそろえて何らかのアクションを取った可能性もあった。しかし、トランプ会談で大ハシャギしたため、日本は何の手も打てなくなったのです」(前出の小山貴氏)
安倍政権は、TPPを後ろ盾にして「中国包囲網」を強める狙いだったが、APECでは逆に中国が「東アジア地域包括的経済連携」(RCEP)を拡大させる構えを強調し、習近平国家主席は、北米や中南米諸国も取り込んだ「アジア太平洋自由貿易圏」(FTAAP)の構築を「断固進める」と宣言。包囲どころか、主役の座を中国に“奪われた”格好で、安倍外交の無為無策ぶりが露呈したのである。
“従軍記者”たちも加担(C)AP
外交だけじゃなく、内政も行き詰まりは明白だ
安倍ペテン政権がとっ散らかしにしたのは「北方領土返還」や「TPP」だけじゃない。経済も社会保障もすべてが「八方塞がり」の状況だ。
看板の経済政策「アベノミクス」では、黒田日銀が2013年4月に「2年間でインフレ目標2%」を掲げ、「異次元緩和」と称して「国債購入年間80兆円」「ETF購入年間6兆円」などで市場に大量のカネをばらまいたものの、目標達成は一度もない。今月1日の日銀の金融政策決定会合では、達成時期の目標が「17年度中」から「18年度ごろ」に先送りされたが、行き詰まりは誰の目から見ても明らかだ。
虚飾のアベノミクスを取り繕うためなら、なりふり構わない。国民の虎の子資産である年金積立金に手を突っ込み、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のシリを叩いて国内・外国の株式投資の比率(ポートフォリオ)を引き上げた結果、昨年度と今年第1四半期で10兆円もパーにした。全くフザけた話だが、そんな愚策の責任を誰も取らない上、今国会では、物価が上がっても賃金が下がれば賃金に合わせて年金を引き下げる「年金カット法案」が審議されているから言語道断だろう。
「アベノミクス」の名の下に公共工事などで大盤振る舞いした結果、国の借金は過去最大の1062兆5800億円に拡大。そこで狙い撃ちしているのが「社会保障費」の削減だ。17年度の予算編成でも、厚労省は年間8000億〜1兆円と見込まれる社会保障費の自然増を6400億円に圧縮する案を示し、財務省はさらに1400億円の削減が可能――とソロバンをはじいている。つまり、そうやって「なす術ナシ」の失政のツケを国民に転嫁しているのが安倍政権の姿なのだ。
■安倍政権を礼賛する従軍記者
大風呂敷を広げるばかりのデタラメ政権がなぜ、今も5割強の支持率を維持しているのかといえば、答えは簡単だ。大マスコミの“従軍記者”たちがせっせと大本営発表の記事を書き、国民騙しに加担しているからだ。普通の感覚を持つ記者であれば、安倍政権が続くほど国民生活は困窮するのは分かるはずだ。ところが、すっかり牙を抜かれた大マスコミは、安倍の総裁任期延長という禁じ手すらスルー。さらに「トランプ解散」や「北方領土返還解散」などと解散総選挙を煽りまくっている。2021年9月まで総裁を務めることになった安倍は今後、基本的人権を蹂躙する「壊憲」に手を付ける。そういう安倍政権の独裁化を大マスコミは阻止するどころか、環境整備に協力しているからどうしようもない。
評論家の川崎泰資氏(元NHK政治部記者)はこう言う。
「大手新聞・テレビの記者は安倍政権の宣伝部隊ですよ。トランプ会談の報道をみても、行くべき必要があるのか、土産品は不要ではないか――といった批判的な視点は一切ありませんでした。海外からはトランプ氏を絶賛した安倍首相だけでなく、日本メディアもマトモなのか、と笑っていますよ。大マスコミの記者は恥を知れと言いたい」
いやはや、もはや大マスコミは詐欺師の共犯と化している。
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