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いきなりトランプにスリ寄る安倍首相の無定見と危うさ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/193902
2016年11月15日 日刊ゲンダイ 文字お越し
急がなきゃ/右写真=(C)AP
一国のトップとして節操がなさすぎる。米大統領選から10日足らず。安倍首相が17日にニューヨークでさっそくトランプ次期大統領と相まみえる。
いくら大統領選を制したとはいえ、まだ就任前の人物のもとに日本の首相が駆けつけるのは極めて異例。「どうぞよしなに」と言わんばかりの卑屈な態度は、安倍政権がトランプ勝利を想定せず、人脈も皆無という異常事態の裏返しだ。
今年9月に安倍が訪米した時も、外務省はヒラリーとの“押し掛け会談”をセットしただけで、トランプはスルー。まさかの大番狂わせに安倍は狼狽しきり。外務省に「話が違うじゃないか!」といら立ちをぶつけたというから、子どもじみている。
なぜ、ダダをこねるほどトランプとの“コネ”を欲しがるのか。
ハッキリ言ってトランプなんて「次期大統領」の肩書がなければ、尊大で傲慢な人種差別主義者の成り金ジイサンではないか。とことん威張り散らすスタイルと、法を軽んじる独裁者然とした振る舞いは欧米社会でも嫌悪の対象で、ヒトラーになぞらえて批判する人も多い。
元ピンク・フロイドのメンバーで、ミュージシャンのロジャー・ウォーターズ氏もその一人だ。
ウォーターズ氏は「全体主義国家になる方法はいつも同じ。いつも他者を敵として設定するんだよ。ヒトラーにとってはユダヤ人であり、トランプの場合、メキシコ人やイスラム教徒がそう」と訴え、世界に警鐘を打ち鳴らしている。全世界が危ぶむ排外主義者だと知りながら勝った途端、馳せ参じてしまう安倍の判断にも危うさが漂う。
■あぶり出された「ポチ外交」の節操のなさ
「まずは“危うい問題児”の懐にいきなり飛び込まず、相手の出方を探るのも、それなりの了見のはず。ところが、安倍首相は次期大統領がいかなる人物だろうと、お構いなし。“新たな主人”とのパイプを求めて大慌てです。暴言大統領の誕生は、ひたすら対米従属一辺倒という“ポチ外交”の無定見をあぶり出しました」(政治学者・五十嵐仁氏)
安倍は10日朝、あえて外務省の手を借りず、われ先にとトランプに自ら電話。そして会談を取りつけた際にはヨイショしまくり。
「たぐいまれなリーダーシップにより、米国がより一層偉大な国になることを確信している」とほめちぎったのも、トランプの選挙スローガン「メーク・アメリカ・グレート・アゲイン(米国を再び偉大にする)」を、わざわざ織り込んだメッセージだ。“たいこ持ち”さながらの挨拶は、そうまでしてでも次期大統領にスリ寄り、ネンゴロになりたいと願う安倍の悲哀すらにじむ。
頭越しの会談実現にも外務省は安倍の軽挙妄動をいさめるどころか、岸田外相は「電話会談が全世界で4番目に実現した」と大威張り。政権内部からは「首相とトランプの会話は打てば響くようなテンポの良さだった」「オバマ大統領よりウマが合うかも」という軽はずみな声も聞こえてくる。つくづくマトモな了見の持ち主が、ひとりもいない政権である。
フランスも危うい(ルペン党首)/(C)AP
一国の命運を「猛獣使い」に預けていいのか
ロコツな手のひら返しで新しい“ご主人さま”に尻尾を振る前に、安倍政権は現実を直視すべきだ。
なぜ、米国民はトランプのような「怪人物」に絶大な権力を与え、核ミサイルのスイッチを握らせてしまったのか──。その原因を冷静かつ真剣に検証した方がいい。
「革命は続いている」
トランプの勝利を受け、米ブルームバーグの取材にそう言い放ったのは、イギリスのEU離脱派の急先鋒だった英独立党のナイジェル・ファラージ党首代行だ。イギリスのEU離脱もトランプ・ショックも勝因は同じ。「保護主義」と「反移民」という内向き思想の大勝であり、それをもたらしたのは、弱肉強食の新自由主義に根ざした経済のグローバル化の弊害である。
「特に米国は国際金融資本に有利な減税や規制緩和に舵を切り、狂乱のマネーゲームを誘引。ゲームに興じた一握りの1%と、乗り遅れた99%との間に激烈な所得格差を生み出したのです。経済のグローバル化は国民生活を幸福にしないことに多くの人々が気付き、フランスなどでイスラムテロが相次いだこともあって、欧米社会で反グローバリズムと反移民・難民の流れが一気に渦巻いた印象です」(経済アナリスト・菊池英博氏)
ヒト、モノ、カネが自由に行き交うグローバル化への大反発が招いたのは「国境の警護」と、市場を閉ざす「保護主義」への大きな揺り戻し。行き着く先は経済的にも政治的にも明日が見えないカオスの時代である。
しかも、反グローバル化の嵐は今後も次々と危ういリーダーを産み落としそうだ。向こう10カ月の間にイタリア、オランダ、ドイツ、フランスで国政レベルの選挙を控えているが、おしなべて「保護主義」と「反移民」を掲げる政党が躍進する見込みなのである。
■反中国のためなら独裁国家にも大盤振る舞い
イタリアでは来月4日に憲法改正の是非を問う国民投票を実施。レンツィ首相が公約する「否決なら辞任」という事態になれば確実に早期選挙だ。EUに批判的な新興政党「五つ星運動」には追い風で、来年早々には毒舌お笑い芸人のベッペ・グリッロ党首率いる反EU政権が誕生する可能性は高い。
来年3月実施のオランダの総選挙は反イスラムを掲げる「自由党」が第1党に躍り出る勢い。5月のフランス大統領選も、下馬評では反移民の極右政党「国民戦線」のマリーヌ・ルペン党首に「当選の目がある」と伝えられる。反グローバル化の波はドイツにも例外なく押し寄せ、反移民感情をあおる極右政党「ドイツのための選択肢」が、あらゆる地方選で躍進。来年秋の総選挙の結果次第では、メルケル首相の「寛容な難民政策」だって転換しかねない。
隣国・韓国で死に体の朴槿恵に取って代わる次期大統領の有力候補、野党第1党「共に民主党」の文在寅・前党首も厄介な人物だ。すでに竹島上陸を果たし、民族主義をあおる典型的なポピュリストである。
つまり今後1年以内で先進国のトップが次々と「ヤバイやつ」に代わる恐れがあるのだが、本当に怖いのはそのつど、安倍が「悪そうなやつは大体友達」といった軽いノリで、スリ寄る姿が容易に想像できることだ。
産経新聞はロシアのプーチン大統領やフィリピンのドゥテルテ大統領とウマが合うことから、安倍を「猛獣使い」と持ち上げていたが、冗談じゃない。安倍は国際社会から「独裁者」の烙印を押されているトップとも平気で親交を深めてしまう。1年前には中央アジアの独裁国トルクメニスタンに2兆円強もの経済支援の手を差し伸べた。
「ひと言で言えば無節操な外交方針には、『中国憎し』で凝り固まる安倍首相の頑迷さが透けて見えます。中央アジアの独裁国家への大盤振る舞いは、中国包囲網の一環ですし、トランプ氏にすがり付くのも中国と対峙するうえで、米国の“後ろ盾”だけは絶対に失いたくないからです」(五十嵐仁氏=前出)
世界全体が混迷の時代に差し掛かっているのに、これだけ無節操で単細胞な首相を抱える不幸を呪うしかないのか。
無定見な“猛獣使い”に支配されている限り、この国には国際社会からの孤立化が待ち構えている。
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