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門前集会で「今日は荒れるかもしれない」と警告する山田正彦元農水相(中央)。この後、傍聴整理券が配布された(2016.11.14筆者撮影)
元記事http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/archives/1915889.html
2016年11月14日16:45 カテゴリ ジャーナリズム
環太平洋連携協定(TPP)の違憲確認などを求める「TPP交渉差止・違憲訴訟」の第6回口頭弁論が14日、東京地裁(中村さとみ裁判長)で開かれたが、筆者は入れなかった。抽選で公安と思われる男が傍聴妨害をした疑いが濃厚だ。
同訴訟は今回で結審する可能性があり、違憲訴訟の会呼び掛け人で経済学者の植草一秀氏と、同じくアジア太平洋資料センター事務局長の内田聖子氏の原告陳述などが予定されていた。
午後2時すぎ、門前集会を終えて裁判所敷地に入り、傍聴整理券を受け取る。建物脇に延びる参加希望者の列の最後尾に並ぶと、隣にスーツ姿に黒かばんの、きちんとした身なりの男が少し離れて立っていた。推定40歳くらいか。青と白のストライプのタイをしている。平日の昼間、裁判傍聴するビジネスマンなど見たことがない。
以前、植草事件の裁判で権力による傍聴妨害工作疑惑に遭遇したので、ささやかな疑いを抱く。07年の植草事件公判では、黒の革靴とズボンに白シャツの屈強な男たちがずらりと並び、整理券配布後にわれわれ支援者を見ながらメールしていたことが2度あった。これらの回はいずれも、10人を超える支援関係者が1人も傍聴できず、マスコミにありもしない廷内のやり取りが流布された。
植草氏の名誉回復訴訟で記者席を申請した後、公安と思われる背広姿の屈強な男が自宅アパートの訪ねて来たこともある。このTPP訴訟でも、ブログ記事で弁論の内容発表を続けたら、2度入れなかった。いずれも抽選を待っているとき怪しい男が近付いて来て、整理番号を確認していた。
今回、私の整理券番号は109番。傍聴席は98(原告など関係者席含む)ある。私が列に付いた後、締め切り前にジャンパー姿の初老の男性と、白髪交じりの年配の女性が駆け込んで来た。背広の男は前方を向いて直立している。気になるが、もし公安なら会話すればこちらが情報を取られるので、話し掛けるのに二の足を踏む。
しかし、TPPを止める訴訟に来ている市民なら、同志として心を開くはずだ。もし公安なら、しっぽをつかめるかもしれない。そう考えながらちゅうちょしていると、「これからパソコンによる抽選を始めます」とアナウンスがあり、男がスマホを手に何かをメールした。思い切って、声を掛ける。
「お仕事で来たんですか」
「…まあ、そうだけど」
「TPPに興味があって?」
「まあ」
「へえ、裁判の関係のお仕事ですか」
「別に、あなたに関係ない」
男は異常な抵抗を見せ、私から離れた。TPPに興味があるのに、なぜ会話もしないのか。
「それでは、当選番号を発表します」
前方に掲示板が立てられた。列が前へ進む。男は私に構わず、そそくさと列の脇を小走りする。どこへ行くのか跡をつけると、掲示板も見ないで群衆を抜けた。私は全力で追う。
「外れたんですか」
「どうでもいいでしょう。あなたと話したくない」
「さっき何のメールしたんですか」
男は露骨に嫌な顔をする。
「友達になりましょうよ。何のお仕事ですか」
「なりたくない」
男は裁判所の敷地を出ていく。
私は傍聴という目的を失い、また敷地内に入りとぼとぼと歩く。すると、背広の男がまた入って来たのだ。ここに職場があるということではないか。すかさず声を掛ける。
「あれ、また会いましたね。何やってるんですか」
男は当惑した顔できびすを返し、また外へ出て行った。追うと、地下鉄の入り口の方へ向かう。すると、別の一回り大きな男が地下鉄口から出て来た。同じく黒背広を着ている。その男が先ほどの男に声を掛けた。
「おう」
「あっ…」
同僚のようだ。抽選の列にいた背広男は腕を捕まれたまま何やら耳打ちしている。その男が消えたので、新しい男を追った。すると、この男も裁判所に入っていく。敷地内で、声を掛けた。
「あのう、裁判の傍聴したいんですが、どうやるんですか」
男は私を一べつして、無視する。
「裁判の関係者の方ですか」
「じゃま」とばかり突き放すように足を速める。
そのまま、裁判所建物に入っていった。ここは関係者専用口ではないか。入り口前で断念した私は、再考してとぼけて入る。
「駄目駄目、ここは関係者専用だから」
警備員にとがめられて聞くと、この通路は弁護士と裁判所職員しか入れないとのこと。傍聴希望列に並んだ黒背広の男は、間違いなくこの中に部屋がある。ただし、一般の事務職員かどうかは分からない。
以前、裁判所の前で映画『裁判所前の男』の主人公、大高正二さんを見付け、声を掛けたことがある。感激して話していると、優しげな大高さんは「あそこに公安がいるよ」と注意を促してくれた。背広姿の男が5人ほど、こちらを見ていたのである。
CIA要員が参事官などの肩書きで米国大使館に机を持っているのと同様に、彼らも事務職員の体裁で裁判所内に机を持っているのかもしれない。少なくとも、公の裁判開催に工作を仕掛けていることはまず間違いない。「公正な裁判」が前提から崩れているではないか。
私は記者席申請で身元をさらしてから、完全にマークされているようだ。何十回申請して認められないだろう。それどころか、普通に並んで傍聴することも難しい。
心が暗くなったのは、私生活を監視されているような感覚があるからではない。傍聴希望列に並んで私に「あなたと話したくない」と悪態をついた男性の心中を察するからである。彼だって、こんなばかな仕事をしたいわけがないはず。自分の仕事すら奪うかもしれない協定を国民の反対から守るために、賃金奴隷を演じているのだ。
裁判長だって、分からない。第5回公判まで務めた松本利幸氏は、同訴訟の担当から外れていた。裁判官忌避を求めたわけでもないのに。先回の弁論直後、私は彼に宛て手紙を書いている。「われわれの子孫をグローバル資本の奴隷にし、司法権をも奪うかもしれないTPPを止めるのはあなたしかいない」とつづり、「あなたの良心を信じています」と結んだ。
トランプ次期大統領がTPPに反対だからばかげていると言っているのではない。植草事件も含め、彼らが嫌でも関係を持ちながら共に人生を歩まねばならない国民を苦しめる政策推進のための雑務を担わされているからである。
全ての他者と心を共有し、降り掛かる困難を払いのけたい。気持ちを強くして。
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