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TPP参院審議の無意味 安倍首相に求められるケジメと懺悔
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/193837
2016年11月14日 日刊ゲンダイ 文字お越し
日本国民だけが騙されている(頭を下げる山本農相)/(C)日刊ゲンダイ
「就任初日にTPPから離脱する」――と公約していたトランプが次期大統領に選ばれたことで、もはやTPPが雲散霧消することは確実である。とうとう、TPPを推進してきたオバマ政権も、発効を正式に断念してしまった。
TPP発効には、参加12カ国のうち「6カ国以上」が批准し、そのGDPの合計が「域内GDPの85%以上」を占める必要がある。GDPの60%を占めるアメリカが参加しなければ、発効しないのだ。
ところが安倍首相は、それでも発効の可能性が消えたTPPに固執しているのだから、どうかしている。大統領選の翌日にTPP法案を衆院で強行採決させた上、「明日からいよいよ参院での審議だ」と自民党内にハッパをかけ、11日からスタートした参院審議でも「わが国が主導して早期発効の機運を高めたい」と答弁しているのだから信じられない。
これほどナンセンスな話はないのではないか。民進党の野田佳彦幹事長が、「見込みのない案件に時間を費やしても意味がない」と珍しく的を射る発言をしていたが、ホント、その通りだ。安倍はアメリカ国民にハシゴを外されたのである。安倍のやっていることは、死んだ子の年を数えるようなものだ。政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「TPP法案を成立させるために国会を延長する方針のようですが、冗談ではありませんよ。国会を1日開くと3億円の税金がかかる。なぜ、死んだ法案のために税金を使う必要があるのか。
大体、日本は今、TPP法案に時間を費やしている場合ではないでしょう。トランプ大統領の誕生によって、日米関係は大きく変わる可能性がある。トランプは選挙中、日本のことを『数百万台の単位でクルマを送り込み、我々に打撃を与えている』『アメリカの雇用を奪い、我々のカネを奪っていく』と攻撃していた。トランプ政権に対してどう対応するのか、国を挙げて議論する必要があるのに、TPPにかまけているなんて話になりませんよ」
■唯一の「成長戦略」が消えた
それより何より、TPPが消滅したことに、安倍はどう落とし前をつけるつもりなのか。国民にどのように釈明するつもりなのか。
TPPは安倍政権にとって「成長戦略」の切り札だったはずだ。「TPPに参加すれば景気が拡大する」「農産物も輸出できる」とバラ色の未来を語り、日本のGDPは14兆円もアップすると胸を張っていた。だから、国民の反対を押し切ってまでTPP法案をゴリ押ししてきたのだろう。ところが、そのTPPが消滅したのである。アベノミクスのシナリオが崩れたのは明らかだ。唯一の「成長戦略」を失った今、どうやって景気を浮揚させるつもりなのか。
ここまできたら、安倍は国民に潔く懺悔し、ケジメをつけ、辞任すべきだ。アベノミクスが行き詰まったのだから、政権に就いていても意味がないだろう。
「安倍首相は“3本の矢”によって景気を回復させると宣言していました。しかし、1本目の矢である“金融緩和”は息切れし、副作用の方が目立つ状況です。2本目の矢である“財政出動”も、国の借金が過去最悪にまで膨れ上がり、簡単には使えない。3本目の矢であった“成長戦略”も、TPPが消滅したことで潰えてしまった。アベノミクスが絶望的なのは、TPPしか成長戦略がないことです。女性活躍も、地方創生も、1億総活躍も、経済成長につながらなかった。もう安倍政権からは、TPPに代わる成長戦略は出てこないでしょう。3本の矢がすべて折れた安倍政権に期待しても、景気回復は難しいと思います」(経済評論家・斎藤満氏)
TPPの消滅を認めたら、アベノミクスの終焉を認めることになるから、「わが国が主導して早期発効の機運を高めたい」などと答弁しているのだろうが、国民をゴマカせると思ったら大間違いだ。
トランプは「TPP脱退」を宣言(C)AP
米英国民が拒否したグローバリズム
そもそも、この期に及んでTPPが「成長戦略」になると期待していること自体、トチ狂っている。「グローバリズム」の権化のようなTPPに参加しても、国民が豊かにならないことは、すでに証明されている。アメリカ国民がトランプを大統領に押し上げたのも、イギリスがEUから離脱したのも、行き過ぎたグローバリズムは大衆を豊かにしないと国民が気づいたからだ。
実際、トランプを熱狂的に支持したのは、グローバリズムから取り残された人たちだった。「ラストベルト」と呼ばれるオハイオ州やペンシルベニア州は、かつて鉄鋼業や製造業で栄えたが、グローバリズムの激しい価格競争に巻き込まれた結果、大企業が次々に労賃の安い海外に移転してしまい、残された住民は職を失ってしまった。もともと「ラストベルト」は民主党の牙城だったが、住民は寝返るように「反グローバリズム」「排外主義」「保護主義」を掲げるトランプに票を投じた。グローバリズムに対する怒りと絶望が、トランプ大統領を誕生させたのだ。
「グローバリズムは、突き詰めると大衆を犠牲にして、大企業だけを儲けさせるシステムです。1%と99%に格差が広がってしまう。もし、例外なき関税撤廃、自由貿易が大前提のTPPに参加したら、日本国民の圧倒的多数も“負け組”に転落してしまうでしょう。安倍政権は、大企業が儲かれば貧困層まで恩恵が広がる“トリクルダウン”が起きると説明していますが、大嘘です。グローバル化を進めたアメリカは、確かに大企業は巨大になったが、国民は疲弊し、労働者の実質所得はこの40年間、上がっていません」(斎藤満氏=前出)
なのに、オバマ政権が発効を断念したTPPを参院で審議し、大手メディアは、安倍がトランプを説得するなどと真顔で報じているのだから、この国はどうかしている。
■時代が読めない安倍首相
これ以上、安倍のような男に国の舵取りを任せていたらダメだ。
この先、グローバリズムに疲れ切った先進国は、アメリカのように保護主義を強めていく可能性が高い。なのに、グローバリズムの象徴であるTPPに執着するなんてマンガである。
「反グローバリズム」を訴えるトランプ大統領が誕生したことで、世界のパラダイムは変わったのだ。もちろん、国際社会が保護主義を強めれば、貿易が滞って景気が悪化し、失業者が増加する悪循環に陥ってしまうだろう。しかし、グローバル資本主義の限界が露呈したのも紛れもない事実なのである。
今すぐ日本は、新しいパラダイムを見極め、対応する必要があるが、時代を読めない安倍に任せても取り残されるだけだ。
「日本は戦後、アメリカに追従していればよかった。オバマ政権と一緒になってTPPを推し進めた安倍首相は典型です。しかし、その時代は終わりつつある。“アメリカ第一主義”のトランプ大統領は、コストが合わなければ、平気で同盟国と手を切りかねない。これから日本は、舵取りが難しくなる。経済政策も、行き過ぎたグローバリズムでも、保護主義でもない、新しい処方箋が必要になるでしょう。アメリカに追随してきた単純な安倍首相では、答えを見つけるのは不可能。一日も早く、激動の時代に対応できる政治家と交代させるべきです」(本澤二郎氏=前出)
TPPという頼みの綱を失った安倍は、この先、どうやって経済政策を進めていくつもりなのか。
このまま頬かむりをして居座るつもりなのだろうが、許されると思ったら甘過ぎるというものだ。
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