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トランプ大統領誕生で問われる日米同盟の意義
パネルディスカッションを行う(左から)WSJ日本版の西山誠慈編集長、自民党の山本一太参議院議員、民進党の長島昭久衆議院議員、WSJのピーター・ランダース東京支局長 PHOTO: NOBUAKI MIYAI/THE WALL STREET JOURNAL
By RYUJI SAKANO
2016 年 11 月 10 日 18:15 JST
米大統領選の結果が判明した直後の9日夜、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が都内で開いたパネルディスカッションに登壇した自民党の山本一太参議院議員と民進党の長島昭久衆議院議員は、共和党候補ドナルド・トランプ氏の勝利にそろって驚いた様子を示した。司会はWSJ日本版の西山誠慈編集長が務めた。
ここまで予想外となった理由
民進党の長島昭久衆議院議員 ENLARGE
民進党の長島昭久衆議院議員 PHOTO: NOBUAKI MIYAI/THE WALL STREET JOURNAL
これほどの驚きがもたらされたことについて、長島氏は敗れた民主党のヒラリー・クリントン国務長官の不人気、そしてトランプ陣営の声が全くメディアに吸い上げられなかった点を指摘。ディスカッションに参加したWSJのピーター・ランダース東京支局長もマスコミが反省する部分は大きいと述べた。一方、長島氏は人口知能(AI)まで使われたさまざまな事前分析が行われていたにもかかわらず、「こんなことがあってはいけない」という人間のバイアスが今回の選挙結果を予想外のものにしたのではないかとも付け加えた。
山本氏は「あらゆるメディアがトランプ氏を批判したにもかかわらず」トランプ氏が勝利したことは知的階層の歴史的な敗北だと指摘。ポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭から特権階級と非エリート層が対立するようになり、米国社会の分断が深刻化していると懸念を表明した。一方、長島氏は「トランプ氏がぶち壊してしまったものがあまりにも大きい」とした上で、同氏が自ら招いた分断をどう統合していくのかが見ものになると述べた。
日米同盟の転機
トランプ氏が大統領に就任することで日米同盟に転機が訪れるとの見方が出ているが、ランダース支局長は「何のために日米関係があるのか考え直す」機会になると発言。長島氏は党の立場を離れた意見だと念を押した上で、有事の際に米国は日本を守るのに日本は米国を守らないということが所与の条件ではなくなってくるだろうと述べた。
「トランプ大統領」誕生を伝えるWSJの一面 ENLARGE
「トランプ大統領」誕生を伝えるWSJの一面 PHOTO: NOBUAKI MIYAI/THE WALL STREET JOURNAL
長島氏は「相互に守り合うのが同盟の基本」であり、そのために「ノーマルな同盟に近づいていく」と見通し、日本と米国がお互いにとってフェアになるような均衡点を見いだす作業を、日本側が主体的に行うべきだとの考えを示した。
米軍駐留経費の日本の負担率は75%に上っているが、長島氏は日本として財政的に負担できるギリギリのところでやっており、これ以上を負担すれば「駐兵というよりは傭兵」になってしまうと述べた。トランプ氏の日本観が80〜90年代で止まっているのではという意見に対し、山本氏は安倍首相が早期にトランプ氏と面会して誤解を解く必要があると述べた。
米ロ関係が日ロ関係に与える影響
トランプ氏が大統領になれば米ロ関係が改善に向かうとの観測が浮上しているが、ディスカッション終了後の質疑応答では日本が日ロ関係を修復する際にこうした流れをどのように利用できるのかとの質問が出た。
自民党の山本一太参議院議員 ENLARGE
自民党の山本一太参議院議員 PHOTO: NOBUAKI MIYAI/THE WALL STREET JOURNAL
山本氏は「何の証拠もない想像だ」と前置きした上で、クリントン政権であれば(領土交渉は別にして)米国務省は日ロ関係の進展を懸念するだろうと発言。トランプ政権下で米ロ関係が表面的にでも良くなれば、安倍政権のロシア政策に有利になる可能性があり、さらに首相がプーチン氏と向き合う際の選択肢を広げるかもしれないと述べた。
一方、長島氏は日ロ関係の改善は望ましいものの厳しいだろうと指摘。よほどプーチン氏を追い詰める戦略関係ができない限り、日本の経済協力だけでロシアが北方領土で妥協するとは思えないと分析した。
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トランプ氏の顧問団、ウォール街出身者ずらり
財務長官にゴールドマン出身のムーニュチン氏起用か
左から、ドナルド・トランプ氏の経済顧問を務めるサーベラス・キャピタルのスティーブン・ファインバーグCEO、元SEC委員のポール・アトキンス氏、元ゴールドマン・サックスのバンカー、スティーブン・ムーニュチン氏 PHOTO: L-R: PETER REITZFELD FOR THE WALL STREET JOURNAL; BRENDAN HOFFMAN/GETTY IMAGES; ANDREAS BRANCH/PATRICK MCMULLAN
By ANUPREETA DAS AND NICK TIMIRAOS
2016 年 11 月 10 日 17:19 JST
米大統領選で異端候補のドナルド・トランプ氏が勝利したことで、大企業を利してきた世界的な権力構造が覆されることになった。ただ、トランプ政権の要職にはウォール街出身の金融専門家をはじめ成功した実業家が就く可能性がある。
トランプ氏に近い筋によると、同氏は元ゴールドマン・サックスのバンカー、スティーブン・ムーニュチン氏を財務長官に任命することを検討している。同氏は5月に陣営の全国資金調達責任者に起用された。もし財務長官になれば、ゴールドマン出身者の財務長官はロバート・ルービン氏とハンク・ポールソン氏に次いで過去20年で3人目となる。両氏ともゴールドマンの最高経営責任者(CEO)を務めていた。
ムーニュチン氏はゴールドマンで17年にわたって住宅ローン取引部門トップや最高情報責任者(CIO)などを歴任したあと、投資家に転身した。いっとき、民主党の大口献金者の1人で著名投資家のジョージ・ソロス氏が関係するヘッジファンドで働いていたこともある。トランプ氏は選挙広告でゴールドマンとソロス氏をいずれも「ワシントンで権力を握るエスタブリッシュメント(既得権益層)」とみなしていた。
トランプ氏の顧問団は、要職スタッフを迅速に任命することで、警戒感が高まる市場を落ち着かせられると指摘する。民主・共和両党の政治理念を打ち破る政界のアウトサイダー、トランプ氏の当選が確実になり始めると、市場のボラティリティー(変動性)は急上昇した。
トランプ氏の経済政策顧問を務める未公開株投資家のウィルバー・ロス氏は「副大統領候補にマイク・ペンス氏を選んで多くの人を安心させたように、政権人事が明確になれば安堵(あんど)感が高まるだろう」とし、企業経営者は「トランプ政権について誤った懸念を抱いている」と述べた。
ムーニュチン氏は陣営の資金調達責任者を務めるだけでなく主要な経済顧問の1人ともなっていた。あとの2人はジェフ・セッションズ上院議員(共和党、アラバマ州)とセッションズ氏の元側近で陣営の政策責任者を務めたスティーブン・ミラー氏だった。
トランプ陣営の顧問団にはロス氏のほか、投資会社コロニー・キャピタルの創業者で会長のトーマス・バラック氏などさまざまな仕事仲間で構成されていた。
またトランプ氏は、減税と規制緩和を長年提唱している保守派のエコノミストや財界人も顧問に起用している。米シンクタンク、ヘリテージ財団のスティーブン・ムーア氏や、元ベア・スターンズのチーフエコノミストで財務省や経済問題に関する政権移行を担当するデービッド・マルパス氏だ。
マルパス氏の下で金融規制の政権移行を監督するのは、元証券取引委員会(SEC)共和党委員で金融危機後の規制作りに批判的なポール・アトキンス氏だ。
ドナルド・トランプ氏の予想外の大統領選勝利で不透明感が増した今後について、WSJワシントン支局長のジェラルド・F・サイブに聞く(英語音声、英語字幕あり)Photo: AP
さらに、カリフォルニア大学の経済学教授であるピーター・ナバロ氏や鉄鋼大手ニューコアでCEOを務めていたダン・ディミッコ氏も顧問団に加わっている。いずれも現政権の貿易政策に批判的だ。
トランプ氏の政治任用を巡っては異例の不透明感が漂っている。それは同氏が政治経験のない部外者であるからだけでなく、過去の共和党の選挙運動に関わった政策担当者や企業経営者がトランプ氏と距離を置いていたからだ。
その結果、トランプ氏の経済顧問団は互いに結びつきが強く、包括的な政治理念よりもトランプ氏に対する信認に突き動かされている人たちが多い。
ナバロ氏とロス氏は8日夜、バラク・オバマ大統領の医療保険制度改革で誕生した医療保険市場のテコ入れが優先課題の1つになるとの見方を示した。ロス氏は「それが第1の目標であり、トランプ氏の勝利にも大きく影響した」と述べた。トランプ政権で金融規制緩和がどの程度の優先順位になるかは不明だ。
トランプ氏は8月、バラック氏をはじめとする経済政策顧問団を発表した。バラック氏は銀行、規制、国際金融政策を担当した。
億万長者のヘッジファンド経営者ジョン・ポールソン氏も起用された。顧問の1人によると、住宅市場に関する知識が高く買われたためだ。ポールソン氏は2007年に米国のサブプライムローン(信用度の低い借り手への住宅融資)市場の破綻を見越して絶妙なタイミングで空売りをし、巨額の利益を得た。近年では2008年の金融危機後に政府管理下となった連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の株式を大量に取得している。ファニーメイの株価は9日、17%近く上昇し年初来高値を付けた。
事情に詳しい関係者によると、やはり経済顧問に起用されたサーベラス・キャピタル・マネジメントの共同創設者スティーブン・ファインバーグ氏は9日、不安定な市場動向の追跡で忙しい朝を過ごしたが、トランプ氏の勝利に安堵していた。同関係者によると、ファインバーグ氏が顧問を引き受けたのは、トランプ氏の提案が企業の設備投資低迷を覆し、増員や賃上げを促すと考えたためだ。
トランプ陣営に詳しい関係者によると、陣営がファインバーグ氏に支援を求めたのは、サーベラスで自動車業界をはじめとするさまざまな企業を再建した経験を評価したため。サーベラスは2007年にクラスラー株を取得したことで注目を集めた。だが、その株式はその後の自動車市場の破綻で紙くずと化した。
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