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米国産牛は不安だらけ(C)AP
TPPのウソ<10>健康リスク度外視…安い食品で消費者が幸せ 暴走TPP「10のウソ」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/193510
2016年11月9日 日刊ゲンダイ P7 文字お越し
確かにTPPによって関税が下がれば、米国から安い牛肉や豚肉が入ってくるため、牛丼や豚丼は安くなる。しかし、関税を下げれば当然、関税収入も減る。日本の関税収入は、税収60兆円の内の1.2兆円ほどだ。TPPによって、その大半がなくなれば、他で補わなければならなくなるため、結局のところ消費者の税負担は増える。
さらに問題なのは、米国や豪州の牛肉や豚肉を食べ続けることは極めて健康リスクが高いということだ。米国では牛の肥育のために女性ホルモンのエストロゲンなどが投与されている。これは発がん性があるとして、EUでは国内での使用も輸入も禁止されている。
実際、EUでは米国産牛肉の輸入を禁止してから6年間で、乳がんによる死亡率が大きく下がったというデータ(アイスランド44.5%減、イングランド&ウェールズ34.9%減、スペイン26.8%減、ノルウェー24.3%減)もある。日本では国内使用は認可されていないが、輸入は許可され、国内に入ってきている。
また、ラクトパミンという牛や豚の餌に混ぜる成長促進剤にも問題がある。これは人間に中毒症状を起こすとして、欧州だけではなく中国やロシアでも国内使用と輸入が禁じられている。日本でも国内使用は認可されていないが、輸入は素通りだ。
米国の乳牛には遺伝子組み換えの牛成長ホルモンが注射されている。米国ではこれが認可された1994年から数年後には、乳がん発生率が7倍、前立腺がん発生率が4倍という論文が出されたため、今やスターバックスやウォルマートでも、わざわざ「成長ホルモンを投与した牛乳・乳製品は扱っていません」と表示するようになっている。もちろん日本でもこの牛成長ホルモンは認可されていないが、やはり輸入を通してどんどん入ってきている。
一方、7月29日、オバマ米大統領が「米国遺伝子組み換え(GM)食品表示法」に署名し、GM食品の表示が義務化されることになったとして、鈴木は寝ぼけたことを言っていると指摘する人がいる。一見、規制が強まったように思えるが、もちろんそんなことはない。実は表示といってもQRコードだけでよく、GM食品かどうかはいちいち読み取って確かめなければわからない。事実上の「非表示法」なのだ。
つまり、輸入農産物は、成長ホルモン(エストロゲン)、成長促進剤(ラクトパミン)、GM、除草剤(グリホサート)の残留、収穫後農薬(イマザリル)などのリスクがあり、まさに、食に安さを追求することは命を削ることになりかねない。
このような健康リスクを勘案すれば、実は「表面的には安く見える海外産のほうが、総合的には国産食品より高い」ことを認識すべきなのである。(つづく)
鈴木宣弘 東京大学教授
1958年、三重県生まれ。82年東大農学部卒。農水省、九州大学教授を経て、06年から東大教授。専門は農業経済学。「食の戦争」(文芸春秋)、「悪夢の食卓」(角川書店)など著書多数。
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