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山崎拓氏が暴露 与野党と大メディア「談合国会」の正体
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/193421
2016年11月8日 日刊ゲンダイ 文字お越し
4日の特別委で強行採決(C)日刊ゲンダイ
いったい何のために特別委で強行採決に及んだのか。米大統領選前の衆院通過が最優先課題とされていたTPP承認案。8日がデッドラインだったはずなのに、本会議採決はあっさり見送られた。
当初は10月中の衆院通過が与党側のシナリオだった。仮に参院で採決できなくても、会期内に承認案が自然成立し、かつ会期末の解散を匂わせることで衆院を掌握することをもくろんで日程を組んでいた。
ところが、主務大臣の山本農相の度重なる暴言で審議が止まり、採決日程も二転三転。とうとう先週末の4日、特別委の塩谷委員長が職権で開いた委員会で採決を強行し、与党の数の力にモノを言わせて可決させたわけだが、これは、かなり乱暴なやり方だった。
「4日の午前中から与野党が採決日程を協議していて、落としどころが見つかれば、7日の特別委、8日の本会議で採決という案で落ち着くはずだった。ところが、議院運営委員会が協議を中断して休憩している間に、特別委での採決が強行された格好で、野党に徹底抗戦の口実を与えてしまった」(与党議運関係者)
当然、野党側は猛反発し、全会一致でパリ協定の批准が決まるはずだった4日の本会議も開けなくなった。
衆院議運委の佐藤委員長は7日、「国会に20年いるが、このような強引な運びは初めて。今後このようなことがあってはならない」と与党国対に注意したというが、そこまで強引に特別委採決に持ち込んでおいて、本会議採決は大統領選後に持ち越しになった。
■憲政史上、例を見ない暴挙
「議事運営の最高責任者である議運委員長が特別委の開催を知らされていなかったなんて、前代未聞の珍事です。これが本当なら手続きに瑕疵があると言わざるを得ない。山本農相の最初の失言は先月18日の佐藤委員長のパーティーで、『強行採決するかどうかはサトベンさんが決める』と発言して謝罪・撤回に追い込まれたのに、当の佐藤委員長が知らないうちに強行採決されていたなんて、悪い冗談としか思えない。現場が暴走したにしろ、最終的には安倍首相が強行採決を是認したことに違いはなく、数の驕りによる歪みが国会運営に表れたということです」(政治学者の五十嵐仁氏)
この間、大メディアの報道も「与野党の攻防」に集中し、強行採決の裏事情を解説する記事があふれたが、国対がこうだとか議運がどうとか言われても、国民からすればチンプンカンプンだ。
憲政史上、例を見ないほどの与党の暴挙は許されるのか。正常に採決もできないTPPが本当に国益にかなうのか。そういう国民目線で真っ向から是非を検証するメディアは皆無。TPP承認が前提になっていて、農相が辞めるのかどうか、採決日程はいつになるのかという政局報道ばかりだ。政治日程を追いかけているだけなのである。TPPのような大事な話も、結局は政治屋の都合で決まってしまうということだ。
「国対の談合で国会運営が決まる与野党の馴れ合い政治は、55年体制から脈々と続いてきた。与党のシナリオに沿って、国会では茶番が繰り広げられてきたのです。馴れ合っているうちに予期せぬ方向に行くこともあるものですが、今の与党は、数の力で何とでもなると甘く考えている。だから、衆院でのTPP審議の終盤になって、国対政治のうさんくささが露呈してしまったということです」(五十嵐仁氏=前出)
少数野党は日程闘争がせいぜいだと足元を見られている。どんなに騒いでも、放言大臣のクビひとつ取れないんじゃ、情けないの一言だ。
詳細なメモを残していた山崎拓氏(C)日刊ゲンダイ
与野党対立も綿密に打ち合わせたプロレスのドッチラケ
国対は、国会法に明文規定のない非公式機関だが、党三役に並ぶ重要ポストとされている。法案処理をめぐって、与野党の国対が裏で話し合い、“握る”。これが日本の政治では中心的な役割を担ってきた。
「55年体制下では、野党にカネが流れる露骨な国対政治が横行していました。豪華な食事を奢るとか、賭けマージャンでわざと負けるなんていうのはかわいいもので、しまいには国会内で札束が飛び交うまでになっていました。本気で政権を狙う野党が誕生してからは、与党の国対から野党にカネが流れるようなことはないはずですが、国対政治の本質は変わっていない。どこまで対決姿勢を見せるか、どうやって野党の見せ場をつくるかということを綿密に打ち合わせているわけで、与野党対立もプロレスみたいなものです」(政治評論家・本澤二郎氏)
メモ魔で知られ、自民党の幹事長や副総裁などの要職を歴任した山崎拓氏が上梓した「YKK秘録」(講談社)にも、与野党談合の場面が生々しくつづられている。
たとえば95年4月21日の夜。国対委員長だった山崎が、野党の新進党で当時の国会運営委員長を務めていた神崎武法氏と会い、国会運営について話し合った場面が、こう書かれている。
〈「補正予算を提出するので、早期成立をお願いしたい」と単刀直入に頼んだら、「野党として抵抗する時間も必要なので、2週間の審議時間が欲しい」と言われた〉
支援者の手前、抵抗するフリだけして、早期成立に協力するわけだ。こういう具合に法案成立までの筋書きが決まっていく。「歴史は夜つくられる」とはよく言ったもので、山崎の回顧録を読むと、夜な夜な料亭や高級レストランで政治家同士が怪しげな話し合いをしていることが、よく分かる。同じくらい目立つのが、メディア関係者との会合の多さだ。とりわけ、日本テレビの氏家斉一郎氏と読売新聞の渡辺恒雄氏の登場回数はハンパない。それだけ政権中枢に多大な影響力を行使してきたということだ。
■暴政に加担するメディアの劣化
小泉純一郎氏が首相に就任した01年、内閣総理大臣として靖国神社を公式参拝した際も、背後で読売新聞が動いていた。8月12日の16時、渡辺氏から山崎に電話がかかってきたという。
〈たった今、小泉首相に電話で、「明日靖国参拝を電撃的に決行すべきこと。8月15日以降は中国の圧力に屈したことになるのでだめだ。明日決行なら、これから編集局長と政治部長を呼んで、社説で支持声明を出すよう指示する」と申し入れたとのことであった〉
そして翌13日、小泉は靖国参拝を決行したのである。さらには、人事にまで口出ししているのだから仰天だ。小泉の総裁再選と内閣改造を目前に控えた03年8月11日、日本テレビ本社で氏家、渡辺両氏と会食した際のことを山崎はこう述懐する。
〈「君は副総裁を引き受けるべきだ。同時に竹中を辞めさせなければ、年内に内閣打倒の論陣を張る」と言われた〉
30日にも渡辺氏から電話があり、竹中を含む全面改造を実行しなければ、首相経験者たちが議員辞職すると伝えてきた。
「そうなれば、俺も読売新聞1000万部を動員して倒閣に走らざるをえない」という脅し文句まで口にしたという。
「政治とメディアの癒着は醜悪極まりないですが、今は当時よりひどいことになっている。安倍首相はメディア各社の幹部に堂々と飲ませ食わせして、完全に取り込んでしまった。与党の実力者をドーカツするどころか、政権批判さえできなくなっているのが現状です。小池劇場や韓国の朴大統領の問題を垂れ流しているうちに、TPPが特別委で強行採決されてしまったのがいい例です。韓国のようにメディアがしっかりしていれば、TPPの問題点が国民に知らされ、安倍政権の支持率が5%くらいに落ちても不思議はないのに、メディアが率先して煙幕を張り、政権批判を封じ込めている。暴政に加担しているのです」(本澤二郎氏=前出)
大メディアが目くらまし役を買ってくれるおかげで、イカサマ政権が高支持率にあぐらをかいていられる。安保法とTPPで味をしめた「数の暴力」による乱暴狼藉国会は、これからが本番ということになる。今後どんな惨憺たることになるのか。国民は覚悟しておいた方がいい。
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