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TPPが国益にかなうのか 安倍首相は高度成長期の発想だ 金子勝の「天下の逆襲」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/193426
2016年11月8日 金子勝 慶応義塾大学経済学部教授 日刊ゲンダイ 文字お越し
TPPが本当に国益にかなうのか(C)AP
山本有二農相の暴言によってTPP国会は大荒れになっている。
振り返れば、TPP担当の大臣はそろって疑惑まみれである。西川公也元農相は“政治とカネ”で辞任に追い込まれ、TPPの旗振り役だった甘利明前経済再生担当相も大臣室で50万円のカネを受け取ったことが発覚している。こうした“利権屋”政治家がTPPを進めていること自体がうさんくさい。
しかし、問題なのは、交渉過程を記した文書が黒塗りだったことに加え、メディアがTPPの内容を検証していないことだ。TPPの恐ろしさのひとつは、企業が相手国政府を訴えることができる「ISDS条項」にある。北米自由貿易協定(NAFTA)を中心に、ISDS条項に基づいて米国の多国籍企業が46件の訴訟を起こしているが、1件も負けていない。
米韓FTAでも、米国のファンド「ローンスター」が、韓国の外換銀行を買収した際、韓国政府の承認手続きが遅れたと訴え、5000億円もの賠償金を求める訴訟を起こしている。
日本メディアは、TPPによって農業は犠牲になるが、製造業や金融や商業は有利になるといったトーンである。しかし、輸出産業の自動車も25年間、米国側の関税は下がらず、その間に米国の自動車産業は得意のITを生かして自動運転車を開発して巻き返そうとしている。さらに、あらゆる分野で米国のルールを押しつけられ、最悪、ISDSによって賠償金を奪われかねないのだ。
米国大統領選の候補であるヒラリーもトランプもTPPに反対しているのは、日本に有利だからだ、などという意見もあるようだが、大間違いだ。ヒラリーにしろ、トランプにしろ、多くの支持者が、多国籍企業は儲かるが、大衆には利益がないと考えているからである。彼らはNAFTAによって雇用が失われ、国内産業が空洞化した苦い経験から反対しているのだ。
日本もTPPが本当に国益にかなうのか、真剣に検証する必要がある。ところが、安倍首相は、東京五輪に大阪万博と、高度成長の夢を再びで、米国に譲れば市場を何とか確保できると勘違いしている。当時と違って国際競争力が落ちた今はそうはいかない。思考が停止したまま、まともに交渉もしていないのではないか。
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