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米山隆一 vs 森たみお(2016年10月16日 新潟県知事選挙)
新潟県全体での米山候補と森候補の得票数と得票率はそれぞれ次の通り。
得票数
[当選]米山隆一 (49) 無新 528,455票
森 民夫 (67) 無新 465,044票
得票率 ※
[当選]米山隆一 52.2%
森 民夫 45.9%
※ ほかに2人の立候補者がいるので、得票率の合計は100%にならない。
両候補の市区町村別の得票率の差を地図グラフであらわしてみた。
CARTO ※ というウェブサービスを利用した。色分けのしかたは等量分類(quantile)と呼ばれる方法にもとづく。分類方法を選べばあとは自動的に表示されるので、分類の詳細はわからない。等量分類では市区町村のちがいがわかりやすく単純化される。いい方をかえれば、この地図グラフはきわめて大ざっぱな見取り図にすぎない。
※ CARTOというなかなか楽しい地図グラフの「おもちゃ」のことは、武井宏之という朝日新聞記者による都知事選挙結果分析のツイートで知った。
緑色の濃い市区町村では、米山隆一候補の得票率が森民夫候補を上回っている。色が薄くなるにつれて両候補が互角になり、さらに森候補が米山候補を上回るようになる。
地図にマウスカーソルをあてると、各市区町村の基礎データが表示される。上から順に、市区町村名(該当する衆議院小選挙区)、米山候補の得票率、森候補の得票率、得票率の差(米山候補の得票率から森候補の得票率を引いた値)。地図左上にあるプラス/マイナスボタンで、表示を拡大/縮小できる。
市区町村別開票結果(開票確定 2016/10/16 23:32更新 )
市区町村別得票率計算表
緑色のきわだって濃い市区町村はどこだろう。
加茂市。泉田裕彦現知事の出身地。小池清彦市長も泉田県政支持の立場を鮮明にしていた。
新潟市秋葉区。旧新津市。森ゆうこ議員の出身地。
南蒲原郡田上町。加茂市と秋葉区の間に位置する。佐藤邦義町長は森民夫氏に出馬要請をした首長の1人。
新潟市西蒲区。原発建設計画への反対運動と住民投票で知られる旧西蒲原郡巻町を中心とする開票区。
魚沼市。米山候補の出身地(旧北魚沼郡湯之谷村)。
一方、とりわけ緑色の薄い市区町村もある。
岩船郡粟島浦村。
岩船郡関川村。
刈羽郡刈羽村。
三島郡出雲崎町。
これら4つの町村では、今年7月の参議院選挙新潟選挙区で劇的な「2千票差の当選」をはたした森ゆうこ氏も、相手候補の中原八一氏に大きな差をつけられている。
東蒲原郡阿賀町。ここで相手候補に差をつけられた理由については見当がつかない。地域が人口減少などの切実な課題を抱えるなかで、あるいは米山氏の原発再稼動シングルイシューの訴えが冷ややかにあしらわれたのだろうか。参考:「合併10年目を迎えて」(神田敏郎町長 2014年)
北蒲原郡聖籠町。渡邊廣吉町長は県町村会の会長であり、今年5月、森民夫県市長会長(当時)とともに首長有志の先頭に立って泉田県政批判の火蓋をきった。
糸魚川市と佐渡市。それぞれ道路や空港のインフラ整備を強く求めている事情が新潟日報に報じられていた。
長岡市。森民夫氏のお膝もと。昨年11月には市長5選をはたした。とはいえ、米山氏も知事選に立候補するまでは民進党の新潟5区総支部長だった。過去にも新潟5区だけで3回、自民党や日本維新の会から立候補してはそのたびに落選した。長岡市での地元対決に焦点をしぼれば、米山氏がまた負けるという結果だった。ちなみに森ゆうこ氏も2014年、新潟5区から立候補している。当時維新の党にいた米山氏に立候補をゆずらせる格好で野党共闘を組んだが、長島忠美氏に敗れた。今年7月の参院選で雪辱をはたし、長岡市で相手候補の中原氏を制した。
このように市区町村ごとにながめてみると、米山氏は新潟県全土で同じように支持を集めたわけではなかったということがわかる。新潟市の各区をはじめとする人口の多い開票区での支持の広がりが、序盤に劣勢だった米山氏に6万3千票差の地滑り的な大勝利をもたらしたのだ。
新潟市の篠田昭市長(4期)は、森民夫氏を支持して応援演説を積極的に行なった。その明確な意思表示にもかかわらず、篠田市長の4選をこれまで支えてきた新潟市民の多数が県知事としては米山氏を選んだ。田上町(佐藤邦義町長・5期)、燕市(鈴木力市長・2期)、見附市(久住時男市長・4期)、三条市(国定勇人市長・3期)、新発田市(二階堂馨市長・2期)など、自身の強固な支持基盤をもっていそうな首長が森民夫氏を応援したほかの自治体でも、同じような現象がおきた。
以上の観察結果についてさらにくわしく調べて分析したいところだが、投稿者にそれだけの力量がない。気がついたことを指摘するだけにしておく。投稿者は今後、米山県政を応援しながらも、今回は米山氏に県政を委託しなかった格好になる地域の声にはとくに耳を澄ませるようにしたい。また、市区町村や政党をこえて広がった米山氏への期待を共有した人たちが、さらにこれから新潟県の新しい地方自治を模索していくとしたら、その動きにもあまり遅れずについて行かなくてはなるまい。
[参考]森ゆうこ vs 中原八一(2016年7月10日 参議院選挙新潟県選挙区)
2016年7月の参院選新潟選挙区での森裕子候補と中原八一候補の得票率差についても、同じ要領で地図グラフにしてみた。青色の濃い市区町村では得票率で森裕子候補が中原候補を上回っている。
得票数
[当選]森 裕子(60)無元 560,429票
中原八一(57)自現 558,150票
得票率 ※
[当選]森 裕子 49.0%
中原八一 48.8%
※ もう1人立候補者がいたので、得票率の合計は100%にならない。
市区町村別開票結果(平成28年7月10日執行 参議院議員通常選挙/新潟県選出議員選挙 開票結果)
市区町村別得票率計算表
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