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「新潟の乱」の次は「TPPの反乱」が安倍政権を襲う
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/192038
2016年10月18日 日刊ゲンダイ 文字お越し
終わりの始まり(C)日刊ゲンダイ
どうやら、この国の風向きが少しは変わってきたようだ。脱原発派の候補が勝利を収めた新潟県知事選から一夜明けた17日、大新聞は1面トップから政権与党系候補の敗北をデカデカと伝えていた。
「安倍政権に痛手」(毎日)、「与党、次期衆院選へ不安も」(朝日)、「解散戦略に影響も」(読売)といった見出しが躍り、勢いづく野党協力と安倍首相の解散戦略を結びつけた報道が目立った。“新潟の乱”はマーケットも動かし、柏崎刈羽原発の再稼働が遠のいた東電の株価は急落。終値は前週末比33円安の385円と、約8%も値を崩した。
メディアとマーケットの反応からは、国会では弱小勢力に甘んずる共産、自由、社民の3野党推薦の米山隆一氏の勝利に心底、驚いている様子が感じられる。
それもそのはずで、8月末に泉田裕彦知事が立候補を見送り、与党には当初、「無投票当選の可能性もある」と楽観ムードが漂っていた。告示ギリギリに米山氏が出馬を表明しても、最大野党の民進が自主投票に回ったことで、与党内にはさらに慢心が広がった。
ところが、想定外の接戦に持ち込まれ、中盤から二階幹事長ら党幹部が入れ替わりで新潟入り。ついには安倍首相自ら乗り出し、泉田知事との官邸面談で支援を呼びかけたが、まさかの大逆転を許したのである。
政権挙げての総力戦の上の敗北に、自民党幹部は「与党系候補が連合新潟の支援も得て、相手は共産党が主体。あらゆる手を打ち、負ける理由がないのに負けた」と、産経新聞の取材に答えていたが、民意を侮るのも、いい加減にした方がいい。
ハッキリ言って、与党候補は「負けるべくして負けた」のである。
■逆転勝利を呼び込んだ国民不在への不満
7月の鹿児島県知事選に続く、脱原発派の“奇跡の逆転勝利”の要因はさまざまあるだろうが、詰まるところは「国民不在の横暴政治」に対する有権者の怒りにたどり着く。原発再稼働は、横暴政治のシンボルのひとつなのである。
政治評論家の森田実氏はこう言った。
「5年前の福島の大惨事によって、大多数の国民が原発の危険性を意識しているのに、安倍政権は我関せず。原発事故の検証も重大事故時の避難計画の整備も捨て置いて、“再稼働ありき”で突っ走る。原発行政に限らず、こうした非民主的な手続きと傲慢な姿勢を、国政選挙の連戦連勝の宴に酔いしれる余り、色濃くしているのが今の政権のありさまです。今回の知事選で二階幹事長は『電力業界などオール日本で勝たせる』と豪語しましたが、組織・団体をフル回転させても、出遅れ感たっぷりの野党候補にあれだけの大差をつけられたのです。それだけ有権者の間で、政権からにじみ出る“権力のおごり”への不満と怒りが渦巻いている証拠です」
17日から承認案と関連法案の本格審議が始まったTPPも、原発再稼働と根っこは同じだ。国民不在の横暴政治そのものである。
2連勝(左は森ゆうこ参院議員)/(C)日刊ゲンダイ
憤怒の炎は穀倉地帯から西日本に燃え広がる
安倍はTPPの承認を急ぐ理由について、二言目には「早期発効は大きなチャンス」と説明する。
17日も衆院特別委員会で「地方創生を進める中で、地方にとってTPPをチャンスにしていきたい」と強弁したが、その「チャンス」とやらの具体例さえ、国民に何ひとつ開示しない。この秘密主義がTPPのデタラメの本質である。
大筋合意に至った交渉経緯も内容面も不透明感満載で、いつも肝心なことは「ブラックボックス」。国民には皆目見当がつかない。
TPPの合意内容については国民の大多数がチンプンカンプンなのに、安倍政権はハナから「日程優先、承認ありき」だ。今月中の衆院通過を目指し、11月末までの会期内承認に向け、強行採決も辞さない構えだ。
かような傲慢政治こそ「国民不在」であることは言わずと知れたこと。それでも数の力で押し通すのなら、「やってみろ」だ。衆院の早期解散ムードが漂う中、怒れる有権者は目にモノ見せてやろう、と手ぐすねを引いている。
政権サイドは先の参院選の大勝に陶然とし、“勝てば官軍”の横柄な政治に終始しているが、選挙結果を冷静に分析すれば、有権者の怒りはひしひしと伝わってくる。反TPPの「地方の乱」が、すぐそこまで迫っていると言っていい。
「米どころ新潟は先の参院選でも野党系候補が反TPPを掲げて勝利を収めています。同じく1人区の東北6県で自民は1勝にとどまり、フルーツ王国の山梨や長野でも野党候補に敗れました。複数区の北海道でも野党が多数を占めました。つまり北海道から甲信越にかけての穀倉地帯では、反TPPの野党が圧勝したのです」(TPP問題に詳しい東大大学院教授の鈴木宣弘氏=農政)
この結果だけでも口先ウソツキ首相に地方の有権者がどれだけ怒っているかがよく分かる。
■反グローバル化の激流には逆らえない
地方の乱の根源に根差しているのは遮二無二、TPPを推し進める欺瞞政権への不満だ。
TPPは日本の農業を破壊するだけでない。ただでさえ疲弊しきった地方の雇用が、アジアの安い労働力に置き換えられてしまう。一握りのグローバル企業を儲けさせるための犠牲を地方に押しつけ、さらなる格差拡大をもたらすのだ。前出の鈴木宣弘氏はこう指摘する。
「地方の人々は、これまでも切り捨てられた立場だからこそ、安倍首相の美辞麗句から欺瞞を敏感にかぎ取り、不満の炎を燃やしているのです。また、反TPPの背後には欧米各国で広がる『反グローバル化』という地球規模の“時代の要求”も横たわっています。安倍政権が国民不在のゴマカシ政治を改めない限り、『反TPPの反乱』は東日本から西日本に伝播し、火の粉が全国に飛び散るのは間違いありません」
それでも「日程ありき」で、TPP承認を急げば急ぐほど安倍政権は墓穴を掘ることになる。すでにTPP協定文書の誤訳や表記ミスが見つかり、リベートが横行する輸入米問題も農水省の調査内容が不透明で依然としてクスぶったままだ。
この先も必ずスピード審議のムリがたたり、秘密交渉のデタラメが露呈するなどのハプニングで、立ち往生したっておかしくない。
上智大教授の中野晃一氏(政治学)はこう言った。
「原発再稼働やTPP、もっと言えば安保法制やアベノミクスなど、安倍政治の根幹には常に『グローバルな寡頭支配』が流れています。平たく言えば、国境なき時代におけるホンの一握りの利益のための少数派支配です。そうした利益と富の一極集中に反旗を翻しているのが世界規模の『反グローバル化』で、この国もご多分に漏れず、そのムードが醸成されつつある。読売新聞の出口調査によると、今回の知事選では約3割もの自民党支持層が野党系候補に流れていました。それだけ有権者の間で、グローバル一辺倒のアベ政治離れが激しさを増していることを物語っています」
いまだ“満つれば欠ける世の習い”の状況に気付かざるは、おごれるペテン政権ばかりなり。「新潟の乱」は間違いなく政権崩壊のアリの一穴となる。
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