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安倍昭恵オフィシャルサイトより
安倍昭恵が大宣伝していた「大麻で町おこし」の会社社長が大麻不法所持で逮捕!「家庭内野党」からの撤退に拍車
http://lite-ra.com/2016/10/post-2630.html
2016.10.18. 安倍昭恵が応援する人物が大麻で逮捕 リテラ
すっかり「お騒がせ」キャラが板についた安倍総理のファーストレディ・昭恵夫人が、またしても注目を集めている。今度は、昭恵夫人が大々的に応援していた大麻加工を行う会社の代表が、大麻を所持し、大麻取締法違反の疑いで厚生労働省の麻薬取締部に逮捕されていたのだ。
逮捕されたのは、鳥取県智頭町で大麻の関連商品の販売を行っていた上野俊彦容疑者。上野容疑者は大麻草の種や茎から食品や衣服をつくる取り組みを行っていたが、今回、逮捕されたのは栽培していた大麻とは違うものだといい、「他人から譲り受けて吸うために所持していた」と供述しているという。
そして、この上野容疑者の大麻栽培・加工販売を高く評価し、メディアを通して宣伝していたのが昭恵夫人なのである。
まず、昭恵夫人は2015年7月3日、自身のFacebookで〈鳥取県智頭町。上野俊彦さんの麻畑を訪ねました〉と投稿。大麻畑でにっこりと微笑む写真はネット上で大きな話題を呼んだが、「SPA!」(扶桑社)15年12月15日号では、上野容疑者との対話も掲載されているのだ。
このなかで昭恵夫人は「麻はすべての部分を有効活用できる植物なんです」「日本ではまだ認められていませんが、医療用としても大いに活用できると思っています」と、大麻が秘める可能性に言及。上野容疑者のもとを訪ね、その取り組みに耳を傾けたといい、誌上では〈大麻栽培での町おこしにかける上野さんの情熱に、昭恵夫人も感心しきりだった〉とレポートされている。
また、上野容疑者の「お年寄りから子供たち、そしていちばん偏見の強かった団塊の世代の方々からも、温かい声援をいただいています」という話を受けて、“大麻は縄文時代以来の日本の文化”と言う昭恵夫人は「今、昔ながらの日本人が持っていた精神性を取り戻しつつあるのだと思います」と語っている。
たしかに大麻の加工や医療用大麻の解禁については積極的な取り組みや議論が進んでいい話だと思うが、総理の夫人が猛プッシュしていた人物が大麻の個人使用の疑いで逮捕されてしまうというのは、さすがに立場上まずいだろう。
となると、心配なのは、例の「家庭内野党」的活動だ。周知のように、昭恵夫人はこれまで、夫である安倍首相の右翼政策と対立するような言動を繰り返し、リベラルな知識人たちとも交友を広げてきた。たとえば、今年の夏に三宅洋平氏とともに米軍ヘリパッド建設に揺れる沖縄県高江の反対派テントを訪問した件は、記憶に新しい。
しかし、今回のことで、さすがに夫である安倍首相やその周辺から叱責され、こうした行動がとれなくなるのではないか。そんな声があがっているのだ。
だが、そうだとしても、まあ別に大勢に影響はないだろう。そもそも、昭恵夫人の「家庭内野党」的行動はあくまで首相夫人の趣味の範疇でしかない上、ここにきて、その姿勢を転換しつつあるからだ。
実は昭恵夫人は、現在発売中の「正論」(産経新聞社)11月号の特集「安倍政権の敵か味方か」なる企画のインタビューに登場しているのだが、ここでこうはっきり宣言している。
「私は家庭内野党だとかいう意識はないし、あくまで安倍晋三を応援しているつもりなので」
もっとも昭恵夫人は一方で、「ホームレスの人たちとでも、普通に対等にお話ができます」と自慢し、「そういう意味で、総理にいろんな声を届ける役割があるのかなと思っています」とも答えている。
「対等にお話ができます」という言葉の“上から目線”が鼻につくが、ともかく昭恵夫人にしてみれば“安倍首相に伝える役目”という使命感があるため、高江訪問に対して批判が巻き起こったことには、不服であるらしい。
「高江に行ったときも、そこへ行ったこと自体を批判されましたし、「あんたのしていることは所詮パフォーマンスじゃないか」「本当に弱い人の立場に立つ人はこんなことをしている」とか、私が怒り出しそうなところを突いて来る人もいます。でも、どうにかカッとせず、泣きながら耐えていますよ(苦笑)」
高江の反対派市民のみならず、多くの人が昭恵夫人の行動を非難したのは、直前に行われた参院選の選挙活動で沖縄に入り、自民党の基地賛成派候補の応援演説をして「夫は独裁者ではない」などと安倍首相を擁護していたからだ。しかし、昭恵夫人はそれを矛盾した行動だとも、基地反対派の人々の気持ちを逆撫でするものだとも感じていないことが窺える。
他方、少なからずといえども、「高江で起こっている市民への蛮行を目にして、昭恵夫人が安倍首相に抗議してくれるかもしれない」という小さな希望にかける人もいた。だが、やはりそうした期待をこの人に寄せるのは、無駄だったのだろう。というのも、このインタビューのなかで昭恵夫人は、批判されたことに憤慨する一方で、こう語っているからだ。
「高江に行ったことは(安倍首相に)報告しましたけど、沖縄で「主人に伝えます」と約束したことは、きちんと伝えられていないかもしれません」
おいおい、「いろんな声を届ける役割」じゃなかったのかよ、という話だが、さらに昭恵夫人は、こんな話もしている。
「平和じゃないのは誰かが悪いんじゃなく、自分自身だと思うんですよ。その人たちは自分自身が変わらないとどんなに総理が変わっても平和にはなれないんじゃないかと思います」
この“平和自己責任論”には、もはや閉口するしかない。“政府の方針”によって高江で公然と自然が破壊され、反対する市民が不当な弾圧を受けている現場を見ても、この人は“平和じゃないのは自分が悪い”などと言うのである。自分の夫が人々の平和を左右する権力の持ち主であるという自覚がまったくないらしい。
しかし、これまでの昭恵夫人なら、さすがにここまでのことは言わなかった。おそらく、昭恵夫人は高江訪問を批判されたのを機に、軌道修正を図ろうとしているのではないか。だから、わざわざ夫が大好きな「正論」に登場して、「家庭内野党ではない」などとこれまでの言を翻すような発言をし、保守好みの発言を連発したのだろう。
だが、これは逆に言うと、昭恵夫人の「家庭内野党」というのがその程度のものだったということでもある。夫とは違う世界でアバンチュールを楽しんだだけ。だから、ちょっと批判されたら、すぐに夫のもとに戻ってしまう。
まったく罪深い“無邪気さ”としか言いようがないが、しかも、昭恵夫人がタチが悪いのは、方向を転換しても“無邪気さ”はまったく変わっていないということだ。むしろ、無邪気なまま背筋が凍るような話を彼女はインタビューで披露している。それはブッシュ前大統領との会話だ。
「私から「大統領として何が大変ですか」とお尋ねしたとき、ブッシュ大統領は「イラクで亡くなった若い兵士の家族に会うときが一番つらいですね」と言われました。ご自身で戦争をする決断をし、自分の国の若者が死んで、その家族に会うのはどんなにつらいだろうと思うとウルッときたんです。その私を見てブッシュ大統領も涙があふれて、二人で手を取り合い泣いてしまいました」
ブッシュは「大量破壊兵器を持っている」という大ボラを吹いて戦争を起こし、結果、米兵のみならず十数万人という罪なきイラクの民間人を死にいたらしめた張本人だ。そうした前提をすっ飛ばして“一緒に泣いた”という話を美談風に語る──。結局、昭恵夫人が語る“平和”とは、これほどに想像力のかけらもない、薄っぺらいものなのだ。そして今後、安保法制によって自衛隊員が海外で戦闘に巻き込まれ、命を落としても、彼女は夫を「つらいね」などと慰めて一緒に泣くのだろう。
しかし、言うまでもなく国民は昭恵夫人をウルッとさせるために存在しているわけではない。本サイトでは過去に「家庭内野党」として彼女に期待したこともあるが、昭恵夫人のこうした“ヒロイン気分”はかなり危険なのではないかということを、最後に指摘しておきたい。
(水井多賀子)
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