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しんぶん赤旗」の部数減少が止まらない(写真はイメージ)
平身低頭で党員に「赤旗」購読を呼びかける共産党 赤旗を読まない共産党員などあり得なかったが・・・
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48089
2016.10.11 筆坂 秀世 JBpress
東京の豊洲市場問題では、小池百合子東京都知事の活躍もさりながら、共産党の都議団が大いに活躍している。石原慎太郎元東京都知事の豪華海外出張などを厳しく追及してきたのが、共産党都議団だった。国会でも稲田朋美防衛相や菅義偉官房長官の白紙領収書問題を取り上げ、厳しく追及した。これらの追及は、大いに評価されてしかるべきだ。
民進党との選挙協力でも東京10区や福岡6区で共産党が候補者を降ろし、野党統一候補を成功させた。両選挙区とも相手候補が圧倒的に強く、野党統一候補が勝利することは困難だろうが、共産党としては統一できただけでも大成功ということだろう。
■「しんぶん赤旗」日刊紙が休刊の危機か
だが、喜んでばかりいられない深刻な事態が共産党を襲っている。その最大のものが「しんぶん赤旗」(以下「赤旗」)の部数激減である。
共産党にとって「赤旗」は、二重の意味で党を支える最も重要な手段となってきた。1つは、財政面である。
「共産党の政治資金収支報告を見ると自民党に次いで収入が多い。共産党は財政が豊かだ」と指摘されることがある。だがこれは正確ではない。政治資金収支報告には「赤旗」の売り上げがそのまま収入として表示されているが、「赤旗」を発行するためには、記者などの人件費、紙代、印刷代、運送代など、さまざまな経費を必要とする。この経費を差し引けば、決して多くはない。
平成26年分の収支報告によれば、収入は225億円となっている。このうち機関紙誌(新聞、雑誌)の収入が194億円であり、総収入の約86%が機関紙誌、つまり「赤旗」の売り上げが占めている。しかし、その発行経費が138億円かかっており、差し引き56億円が実際の収入ということである。
ちなみに自民党の場合、収入は234億円で共産党とほとんど一緒だが、経費など一切かからない政党交付金が占めており、この額がそのまま実際の収入となっている。
共産党の活動は、党員が納入する党費などもあるが、それはごくわずかだ。実際には大部分を「赤旗」の売り上げが支えている。
共産党にとって深刻なのは、この「赤旗」が減り続けているということである。かつて発行部数は、公称350万部を誇っていた時期もあった。だが現在は、週1回の日曜版が100万部、日刊紙が20万部の合計120万部にまで激減している。
「赤旗」は、北海道から沖縄まで発行する全国紙である。それが20万部や30万部では、そもそも採算が取れない。十数年前から日刊紙は赤字で、それを日曜版の黒字で補ってきた。
『週刊新潮』(10月6日号)によると、日刊紙は発行するたびに月7000万円の赤字になっている。年間8億4000万円という巨額の赤字というわけである。早晩、休刊という事態に追い込まれる可能性すら出てきているということだ。
■繰り返されるキャンペーン、笛吹けど踊らない党員
共産党も手をこまぬいてきたわけではない。この数年間をとってみても、何度も「赤旗」部数を増やすための「大運動」なるキャンペーンを繰り返してきた。だが増えるどころか、減る一方である。
先月、共産党は第6回中央委員会総会を開き、来年1月に第27回党大会を招集することを決めた。ここでも志位委員長が、次のように述べて党員を叱咤している。
「いま党勢拡大の空前の条件と可能性が広がっており、それをくみつくした取り組みを行うことを呼びかけたいと思います。
わが党が野党共闘という新しい方針に踏み出したことは、党と国民との関係を大きく変え、党に対する新たな注目、期待、支持が広がっています。(中略)
いま目の前に大きく広がる党勢拡大の新たな条件と可能性を、あまさずくみつくし、『党勢拡大大運動』を必ず成功させようではありませんか」
「党勢拡大の空前の条件」とは、よく言ったものである。これまでも何度も何度も同じようなことを言ってきた。だが「空前の条件」などどこにもなかった。だからこそこの数十年間、党勢は上向きになるどころか、下降の一方だったのである。
慶應大学塾長などを務めた小泉信三氏が、『共産主義批判の常識』(講談社学術文庫)という著書の中で、「職業革命家は、長短ともに職業軍人に相類するところがある。職業軍人が往々特有の偏視、誤算、希望的観測に陥ったように、職業革命家もしばしばそれを免れないのではないだろうか。吾々はこれに対して、着実に人民大衆の利害を思え、といわなければならぬ」と指摘している。
「職業革命家」というのは、共産党の指導者と解すればよい。「偏視」「希望的観測」とは言い得て妙である。軍の指導者が、その条件もないのに、「空前の条件」などと言って兵士を動かせば、大変な犠牲を出すだろう。一般の共産党員の立場に立てば、無駄な労苦を強いられるだけである。
■もはや党員も読まない「赤旗」
私が在籍していた当時から、「赤旗」の拡大は、「党大会が終わるまで3カ月だけで結構ですから購読してもらえませんか」とか、「選挙が終わるまでお願いします」などという調子で増やすのが大半であった。増やしたといっても、ほとんどが3カ月程度の短期読者だった。3カ月後には、確実に減るのである。この実態を知らないわけがないのに、「空前の条件」などと言って、党員の尻を叩くというやり方は、もはや行き詰まっていると言わねばならない。
2014年に行われた共産党の第26回大会では、「2010年代に『成長・発展目標』を実現するために、50万の党員(有権者比0.5%)、50万の日刊紙読者(有権者比0.5%)、200万の日曜版読者(有権者比2.0%)」にすることを決めている。
残すところ3年余だが、目標に向かって前進するどころか、すべての分野で後退しているのが現状である。
党員数は、公称30万人とされているが、政治資金収支報告にある党費の額から試算すると、党費を納入している党員は20万人程度という指摘も共産党研究者によってなされている。党費は納めないが党活動は熱心に行うなどということはあり得ない(私が入党した数十年前なら、党費を納めない党員は除籍させたものだ)。
■党員に向かって「心から呼びかけます」
そして「赤旗」の2つ目の役割だが、レーニン以来、共産党機関紙は、党を組織し、党中央と党員をつなぐ最も大事なものだとされてきた。また広範な国民と結びつく最も重要な「武器」とされてきたのである。これも私が入党した当時は、「赤旗」日刊紙を読まない党員などあり得なかった。それだけで党員としての要件が欠落していると見なされたものである。
「赤旗」日刊紙の購読者で一番多いのは、もちろん党員である。だが市役所など役所関係にも、相当な部数が議員などによって入れられている。したがって、もし党員数が30万人、日刊紙の発行部数が20万部という数字が事実ならば、およそ半分の党員が「赤旗」日刊紙を購読していないということになる。
実際、今年の8月28日共産党書記局から、「党員のみなさんに、『しんぶん赤旗』日刊紙の購読を心から呼びかけます」という文書が出され、翌日の「赤旗」に掲載された。前代未聞のことである。党員ですら「赤旗」日刊紙を読んでいないというのは、共産党にとって恥ずかしいことだ。まさに恥も外聞もなくである。
昔なら、読まない党員は離党させてきた。だが離党させると党員はますます減ってしまう。党員に向かって、「心から呼びかけます」などと平身低頭でお願いしているのである。こんな革命政党があるだろうか。ブッラクジョークである。この実態のどこが「空前の条件」なのか。
ところが事態は、さらに深刻になっているようだ。なんと今年の7月、8月で「赤旗」日刊紙が3万5000部、日曜版が7000部も激減したというのである(『週刊新潮』)。もはや「大運動」なるものが大失敗に終わることは確実だと言わねばならない。
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