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語るに落ちる安倍首相の配偶者控除見直し先送り
http://xn--gmq27weklgmp.com/2016/10/09/post-5538/
9Oct2016 天木直人のブログ
安倍首相は「働き方改革」の柱として、女性の就労を妨げているとされる配偶者控除の見直しをすると大見得を切って来た。
ところがあっさりとその旗を降ろした。
その理由がふるっている。
来年早々にも踏み切るといわれている解散・総選挙を意識して方向転換したというのだ。
つまり選挙に不利だから延期したのである。
語るに落ちるとはこのことだ。
配偶者控除の見直しが、実は、「働き方改革」とか「女性の活躍」などというきれいごととは無関係な、単なる増税だったことを認めたようなものだ。
あらゆる税制改革は、その理由は聞こえはいいが、すべて増税である。
その事を見事に教えてくれた配偶者控除見直しの撤回である(了)
◇
<配偶者控除存続へ>専業主婦世帯に配慮
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161006-00000089-mai-bus_all
毎日新聞 10月6日(木)21時36分配信
2017年度税制改正の焦点となっている配偶者控除の見直しで、政府・与党は、代替案の夫婦控除(夫婦なら一定の控除を適用)導入を先送りし、配偶者控除の適用拡大を検討する方針に転換した。安倍政権が掲げる「働き方改革」の柱として、女性の就労を妨げているとされる配偶者控除の廃止を探ったが、年明けの衆院解散が取りざたされる中、増税となる専業主婦世帯などの反発を招きかねないと判断したためだ。
◇選挙意識し方針転換
配偶者控除廃止の動きは8月下旬に公になった。自民党の宮沢洋一税制調査会長が見直しを主張し、9月には茂木敏充政調会長が「配偶者控除から、パート収入の上限がない夫婦控除に移行していく」と踏み込み、所得税改革の機運が高まるとの見方が広がった。
配偶者控除は「夫が働き、妻は家庭を守る」という高度成長期の家族モデルを前提に、専業主婦世帯を優遇する制度。約20年前に共働き世帯が専業主婦世帯を上回り、「時代にそぐわない」との指摘が出ていた。
ただ、配偶者控除を廃止し夫婦控除を導入すれば、専業主婦世帯を中心に多くの世帯で増税となる可能性がある。次期衆院選を考えれば増税世帯の増加は避けたいのが与党の本音。閣僚の一人は「どれだけ多くの世帯を敵に回すか分からない。政府内も一枚岩ではない」と漏らしていた。年明けの衆院解散説が広がった9月下旬から、夫婦控除導入論は急速にしぼんだ。
支持層に専業主婦世帯が多い公明党への根回しも進んでいなかった。公明党が重視する東京都議選は来夏。夫婦控除の拙速な導入による選挙への悪影響を恐れた。公明幹部は「議論を煮詰めるには時間が必要。今年の導入などとても無理だ」とけん制した。麻生太郎財務相も記者会見で「(家族のあり方の)価値観の話が入り、簡単ではない」と慎重姿勢を強調。宮沢税調会長は6日の岸田派会合で「夫婦控除というものは、なかなか厄介な話がたくさんある」と述べ、導入見送りを事実上認めた。
しかし、安倍政権は女性の就労促進を含めた「働き方改革」を重要課題に掲げており、「税制改正でゼロ回答は許されない」(自民党幹部)事情もある。菅義偉官房長官は財務省幹部に、配偶者控除を受けられる年収要件(103万円)の緩和検討を指示。茂木氏も6日の会見で「大切なのは、働きたければもっと働けるよう『103万円の壁』を早期かつ実質的に取り払うことだ」と方向を一転させた。年収要件緩和でパート女性の就労時間を増やす狙いだが、経済官庁幹部は「選挙を意識した有権者向けの『あめ』に過ぎない」と冷ややかだ。【大久保渉】
◇適用範囲拡大、新たな壁
政府・与党が今後検討するのは配偶者控除の適用範囲の拡大だ。夫が会社員で妻がパートなどで働く世帯の場合、夫が配偶者控除を受けられる妻の年収上限は現在103万円で、これを引き上げる方針。だが、引き上げ後の上限が女性の就労を阻む「新たな壁」となる恐れがある。
現在の配偶者控除は、妻の年収が103万円を超えると、夫の税負担が増える。また、企業も103万円を基準に配偶者手当などの支給を減らすところが多いとされる。これを嫌って妻が働く時間を抑えようとするため、「103万円の壁」と呼ばれている。
総務省の調査によると、パートで働く女性の年収は「50万円以上〜100万円未満」が約48%を占める。新たな上限の水準を巡っては、政府内で「150万円程度」との意見が出ている。その程度まで引き上げられれば、多くのパート女性が働く時間を増やす可能性がある。
だが、新たな年収上限を超えれば夫の税負担が増える状況は変わらない。仮に150万円まで引き上げられると、今度は妻が年収150万円を超えないように働く時間を抑える可能性があり、「150万円の壁」となりかねない。また、控除のメリットが専業主婦やパートの妻のいる世帯に限られ、妻がフルタイムで働く世帯との不公平感は残ったままになる。
増税となる世帯が出るのも避けられない。上限引き上げによる税収減を防ぐため、夫の年収に上限を設けて適用対象を絞ることが検討されているためだ。夫婦控除の導入より対象世帯の拡大が小幅にとどまるため夫の年収制限は比較的高い水準になる可能性がある。それでも専業主婦のいる高所得層は増税になるとみられ増税世帯の反発を抑えられるかも課題となりそうだ。
女性の就労を巡っては、税制以外の「壁」も指摘される。年収が130万円以上だと年金など社会保険料の支払いが発生するため、「130万円の壁」と呼ばれている。今月からは、従業員数501人以上の大企業でこの基準が106万円に引き下げられ、新たに「106万円の壁」が生まれたとされる。大和総研の是枝俊悟研究員は「社会保険の壁があり、配偶者控除の年収上限を引き上げても女性の就労拡大を後押しするという効果は限定的」と指摘する。【横山三加子】
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