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10月7日(金) 珍しくまっとうなことを言っている「財界総理」の諫言に安倍首相はどう答えるのか(五十嵐仁の転成任語)
http://www.asyura2.com/16/senkyo214/msg/153.html
投稿者 gataro 日時 2016 年 10 月 08 日 11:00:07: KbIx4LOvH6Ccw Z2F0YXJv
 

10月7日(金) 珍しくまっとうなことを言っている「財界総理」の諫言に安倍首相はどう答えるのか [憲法](五十嵐仁の転成仁語)
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/archive/20161007

 「オヤオヤ」と思いましたね。今日の『朝日新聞』に掲載されている榊原定征経団連会長の改憲についての発言です。
 珍しくまっとうなことを言っているじゃありませんか。改憲に無駄なエネルギーを注いでいる安倍首相への諫言にほかなりませんが、この発言を安倍首相はどう読んだでしょうか。

 本日付の『朝日新聞』のインタビュー「危機下の『財界総理』 経団連会長・榊原定征さん」での発言です。榊原さんは「安倍晋三首相の宿願は、私は憲法改正だと思います。実現には相当の政治的精力が必要な難題です。危機下にあって、政策実行の優先順位をどう考えますか」と問われて、次のように答えています。
 「戦後すぐにできた憲法を時代に即したものに変えていく必要性は、一般論としてはその通りです。とかく憲法9条が注目されがちですが、教育や防災などの分野は改正は必要と考えます。ただ、経済界からすると、優先順位は憲法ではなく、経済再生であり、社会保障改革であり、構造改革。首相にはいつも『経済最優先』と申し上げ、首相も繰り返し言及されてきた。脇目もふらずにやって欲しい、それが正直なところです」

 この発言に関する限り、きわめてまっとうなものだと思います。「憲法を時代に即したものに変えていく必要性は、一般論としてはその通り」という点や「とかく憲法9条が注目されがちですが、教育や防災などの分野は改正は必要と考えます」という指摘は、憲法の基本原理に反せず、この国の形を壊さないことを指しているとすれば、否定されるようなものではありません。
 しかし、だからと言って、そのような「改憲」に政治のエネルギーを費やしている場合なのか、そのような必要性が一体どこにあるのか、ということが次に問題になります。これについても榊原さんは、「首相と直接、この優先順位の話はしたのですか」という問いに対して、こう答えています。

 「さすがに『憲法改正の議論はやめてください』とは言っていません。でも、どこまで直接的な表現を使うかは別にして、必要なときは言います。憲法審査会で議論するのはいいと思いますが、大事な国会の審議がそちらに割かれ、経済や構造改革、社会保障制度改革の議論が遅れることはあってはならない。経済は国の礎。まず経済をよくしなければなりません」

 さらに、「経済が脇に置かれると、榊原さんの持論の『政治と経済の車の両輪』も狂ってしまう、と」という問いにも次のように答えています。
 「おっしゃる通り。『憲法は後にしたってよろしい』と言うくらいのつもりです。経済界としては、このような経済、社会保障、財政の状況にある時期ですから、まさに『経済最優先』の主張を強く発信するところだと思います」
 ――それが経団連の使命だと。
 「改革には政治の力が絶対に必要です。いくら新聞が書いても、世の中を変えられるのは政府、特に首相しかいない。だから私は政治と連携し、首相に直接、提言できる関係を構築したのです。業界に利益を誘導するとか、そんなけちなことは考えていません」

 このような発言の背後には、経済界としての強烈な危機感があります。それについても榊原さんは次のように指摘し、アベノミクスについても「アベノミクスで、国民所得、税収、雇用の指標も大きく改善しました。最初の3年間は大きな成果を上げたと評価しますが、その後は十分な形になっていないのは確かです」と、失速していることを認めています。

 「日本のGDP(国内総生産)は1993年からの20年間で、増えるどころか減りました。米国は2・4倍、中国は16倍にも増えたのに。世界シェアでは日本は90年の13・8%から2013年は6・6%に落ち、国際社会における経済的プレゼンスは半減しました」
 「人口も減り始めて、2060年には9千万人を割り、国を支える生産年齢人口はいまの6割から5割に減るでしょう。一方、年間の社会保障給付はすでに100兆円の大台を超え、国の予算を上回ります。放っておくと25年度には150兆円ほどにもなる。しかも高齢者向けは大幅に増え、子どもや働き世帯へはほとんど増えていない。医療費は40兆円を超え、国と地方合わせた長期債務残高は、GDPの2倍超です。これほど債務を抱えている先進国はありません。この流れを変えないと、日本はまさに消滅してしまいます」

 こう仰る榊原さんには、「このような危機を作り出してきたのは歴代の自民党政権ではありませんか。それを支持し背後から支えてきたのは、ほかならないあなたたち財界人ではありませんか」と言いたいところです。とはいえ、現在の日本がこのような危機に直面しており、「この流れを変えないと、日本はまさに消滅してしまいます」という状況に陥っていることは間違いありません。
 それは現行憲法のせいではなく、憲法を変えたからと言って「この流れ」が変わるわけでもありません。改憲は政治的なエネルギーの無駄遣いであり、優先順位が間違っているという認識は財界と共有できるということになります。
 榊原さんは現在の政治の優先順位が改憲にはないと明言しています。この論理を民進党はじめ野党は大いに主張するべきでしょう。

 「『憲法は後にしたってよろしい』と言うくらいのつもりです。経済界としては、このような経済、社会保障、財政の状況にある時期ですから、まさに『経済最優先』の主張を強く発信するところだと思います」という経団連会長の発言は、改憲最優先で暴走を加速しようとしている安倍首相に対する強力なブレーキになる可能性を秘めています。この点に限って言えば、立憲野党との共同も可能かもしれません。
 日本の経済と社会が深刻な危機状況に陥っているのに、相も変わらず「壊憲」に精力を費やそうとしている安倍首相の暴走振りが、経済界までも「『憲法は後にしたってよろしい』とも言うくらいのつもり」にしてしまったということでしょう。「財界総理」と目される経団連会長からこのように言われたとき、「政界総理」である安倍首相はどう答えるのでしょうか。


【関連記事】

(インタビュー)危機下の「財界総理」 経団連会長・榊原定征さん


朝日新聞 2016年10月7日05時00分

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12596012.html 

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コメント
 
1. 2016年10月08日 20:15:10 : Oozg29Kcag : Qiiwq5NaXgQ[240]
>珍しくまっとうなことを言っているじゃありませんか

「まっとうなことも」とすべきところだろう。憲法改正などには危機感をもって体を動かすほどの人たちが、TPPにはいまひとつ反応が鈍いということがよくある。これはなぜなのか。


2. 2016年10月08日 20:17:30 : Oozg29Kcag : Qiiwq5NaXgQ[241]
経団連は「財界総本山」とも呼ばれ、1950〜70年代にトップに就いた石坂泰三氏や土光敏夫氏らは「財界総理」の異名で仰ぎ見られた。培った見識を強みに、時の政権に物申し、対決することもいとわない権威の重みからだった。その力の失墜が叫ばれて久しい経団連。存在意義は、どこにあるのか。榊原定征会長に聞いた。
 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――いまの日本の社会や経済の現状を、どうみていますか。

「問題を放置して安住したら、大変な道を歩む危機的な状況です。次の世代に、こういう社会を引き継いではなりません。会長就任以降の私は、すべてその認識に基づいて行動してきました」

――強烈な危機感ですね。

「日本のGDP(国内総生産)は1993年からの20年間で、増えるどころか減りました。米国は2・4倍、中国は16倍にも増えたのに。世界シェアでは日本は90年の13・8%から2013年は6・6%に落ち、国際社会における経済的プレゼンスは半減しました」

「人口も減り始めて、2060年には9千万人を割り、国を支える生産年齢人口はいまの6割から5割に減るでしょう。一方、年間の社会保障給付はすでに100兆円の大台を超え、国の予算を上回ります。放っておくと25年度には150兆円ほどにもなる。しかも高齢者向けは大幅に増え、子どもや働き世帯へはほとんど増えていない。医療費は40兆円を超え、国と地方合わせた長期債務残高は、GDPの2倍超です。これほど債務を抱えている先進国はありません。この流れを変えないと、日本はまさに消滅してしまいます」

――危機感は、政治家や国民と共有できているのですか。

「06年以降の日本の首相は6年間で6人、様々な成長戦略を掲げられた。作成する、辞める、作成する、辞める、の繰り返し。その結果がGDPがまったく増えない社会です。この有り様を、国民が、政治が、あるいは経済人が、まずきちっと認識すべきです」

――安倍晋三首相の宿願は、私は憲法改正だと思います。実現には相当の政治的精力が必要な難題です。危機下にあって、政策実行の優先順位をどう考えますか。

「戦後すぐにできた憲法を時代に即したものに変えていく必要性は、一般論としてはその通りです。とかく憲法9条が注目されがちですが、教育や防災などの分野は改正は必要と考えます。ただ、経済界からすると、優先順位は憲法ではなく、経済再生であり、社会保障改革であり、構造改革。首相にはいつも『経済最優先』と申し上げ、首相も繰り返し言及されてきた。脇目もふらずにやって欲しい、それが正直なところです」

――首相と直接、この優先順位の話はしたのですか。

「さすがに『憲法改正の議論はやめてください』とは言っていません。でも、どこまで直接的な表現を使うかは別にして、必要なときは言います。憲法審査会で議論するのはいいと思いますが、大事な国会の審議がそちらに割かれ、経済や構造改革、社会保障制度改革の議論が遅れることはあってはならない。経済は国の礎。まず経済をよくしなければなりません」

――経済が脇に置かれると、榊原さんの持論の「政治と経済の車の両輪」も狂ってしまう、と。

「おっしゃる通り。『憲法は後にしたってよろしい』と言うくらいのつもりです。経済界としては、このような経済、社会保障、財政の状況にある時期ですから、まさに『経済最優先』の主張を強く発信するところだと思います」

――それが経団連の使命だと。

「改革には政治の力が絶対に必要です。いくら新聞が書いても、世の中を変えられるのは政府、特に首相しかいない。だから私は政治と連携し、首相に直接、提言できる関係を構築したのです。業界に利益を誘導するとか、そんなけちなことは考えていません」

――消費税の増税再延期の首相の判断に理解を示されましたね。

「違います。私はあらゆる機会をとらえ、『消費税率10%への引き上げは法律通りの実行を』と主張してきた。『8%に引き上がって以降、回復していない個人消費を喚起し、日本経済の本来の力を引き出すためにも、財政出動でしっかり対策を打ってほしい』とも言ってきた。今回、世界経済全体に下ぶれリスクがあると見た首相が、主要7カ国(G7)首脳会議の議長として下された重い政治決断を、私は『尊重します』と言った。理解するとは言ってません」

――政権に近すぎませんか。

「一般的には、政治と経済は一定の距離を置き、互いに切磋琢磨し合う関係が望ましい。ときには政府の批判をしたっていい。でも、危機のいまは責任ある姿とは言えません。日本丸という船が暴風雨のなかを漂流しているときに船長と機関長がけんかし、互いを批判し合う暇はない。一致協力して、きっちり船を目的地まで着かせないといけない。オールジャパンで難題に取り組む時期です」

――経団連の会長就任から2年、政経連携の成果は何ですか。

「環太平洋経済連携協定(TPP)がそうです。安倍政権は初期のころ逡巡するところがあり、あらゆる機会に私は『早く加盟の表明を』と申し上げてきた。経済界の代表として政府の会議に入っているからこそ、できることです」

――限界や副作用も指摘されている安倍政権の経済政策「アベノミクス」を、手放しで評価する段階はもう過ぎたでしょう。

「アベノミクスで、国民所得、税収、雇用の指標も大きく改善しました。最初の3年間は大きな成果を上げたと評価しますが、その後は十分な形になっていないのは確かです。個人消費は増えず、GDPも首相がめざした2%、3%成長は達成できていない。企業側も設備投資や研究開発投資を増やし、賃上げもしてきた。けれど、賃上げ分も社会保険料や税金で減殺され、将来不安や非正規の労働者の増加もあり、なかなか消費に回らない。構造的な問題を、十分に踏み越えていないのではないか。成長戦略のあり方を見直す必要がある。官民それぞれで再検討を、と私は提案しています」

――危機との認識がある社会保障では、何を提言しますか。

「社会保障制度は、いまのままでは持続できません。所得のある75歳以上の医療費の自己負担は1割でなく、2割、3割に増やしていただく。医療機関で診察を受けた人は、一定額をさらに負担する。ジェネリック(後発医薬品)の利用を増やす。いずれも医療費増加の抑制につながりますが、それこそ夜討ちに遭うかもしれない覚悟で取り組まなければならない。手厚い医療で2年、3年と延命できる終末医療も生命の尊厳にかかわる難しい問題ですが、国民全体で考えなければなりません。幸い、安倍政権は国民からの高い支持がある。痛みを伴う改革ができるだけの強固な政権基盤があります。ある意味、かつての行政改革より、もっと重要な改革です」

――危機と改革は02年に東レの社長になったときも課題でした。

「危機の質は違いますが、危機感と取り組む意気込みは、いまと同じだったかもしれません。社長に就いたときは本業の繊維事業は厳しく、全社の利益は前年の3分の1に減った。『会社は2年後につぶれる』との厳しい試算もあり、構造改革に切り込みました」

――入社したときは、炭素繊維の研究開発をめざしていました。

「アルミより軽く鉄より強い炭素繊維の飛行機を、いつか世界の空に飛ばしたい。50年ほど前の東レの研究所はそんな熱気にあふれ、私も研究に携わりました。海のものとも山のものともわからない時代、デュポンなど世界の化学メーカーがことごとく撤退するなか、東レは開発費だけで累計1300億円超の投資を続けた。経営者に21世紀の基幹材料だという信念があったから、できたのです」

――夢が育つ風土だった、と。

「チャレンジさせてくれました。社長時代の06年にボーイング社と炭素繊維を長期供給する契約を結びました。40年かけて実現したプロジェクトです。若い世代はグローバルな視点で考え、海外での経営にも挑戦してほしい。経営者も若い人に活躍の場を提供し、研究開発やイノベーションができる風土をつくることが責務です」

――しかし、経団連の会員である東芝や三菱自動車で経営の劣化を思わせる不祥事が続きました。

「不祥事は残念ですが、大半の企業は、法令順守や安全などは、利益や売り上げを含めたすべての経営課題に優先するとたたき込まれている。いまも日本の強みだと信じています」

――社会に夢や志を指し示せなくなれば、経団連の存在意義はないのではありませんか。

「経団連は、日本社会の改革の旗手であるべきだとの自覚を持っています。何もしなければ、後世の歴史家から指弾されます。国の将来を見越した国家政策をきっちり提言し、実現するために行動して日本に活力を取り戻し、次の世代へと引き継ぐ。これができれば、存在価値は社会から認めていただけると思います」

(聞き手 編集委員・駒野剛)

さかきばらさだゆき 1943年生まれ。名古屋大と同大学院で応用化学を学び、67年に東レ入社。2002年社長、10年会長。経団連では07〜11年に副会長、14年会長。


「(インタビュー)危機下の「財界総理」 経団連会長・榊原定征さん」
(2016年10月7日05時00分 朝日新聞デジタル)


3. 2016年10月08日 20:20:38 : UriUMyAuHw : pFoFQvN3BG0[138]
ハッキリと 言えぬ景気が 悪いとは

4. 2016年10月09日 10:58:43 : qSrfQ8JE4A : KH@voOWVCyM[9]
ま、とやかく言わず
人殺し兵器製造販売仲介業者で、
物をつくうことを忘れ、
国民の金にたかり、
節税と称して、脱税パナマっている
憲法違反犯罪企業がごまんといらっしゃる、
経団連の長の東レ様、

つぶれていいですよ!

先の戦争の反省が出来ない企業は、
!!ツブレロ!!

よろしくお願いします。


5. 2016年10月10日 02:25:16 : IJjjrLkBu1 : Tp0IihGPIW0[1078]
  改憲はそもそも自民党の党是であるところ、党総裁としての立ち位置と総理大臣の立位置を完全に混同して国会審議に臨んでいるような安倍首相が、口を開けば改憲を言い募り、驚くべきことに、参院選では改憲は口には出さずに経済一辺倒であったのに、今では、参院選で自民が過半数を取ったのは国民が改憲を支持している証左だ、などと言い放っており、もはや病鴻毛、という印象である。
  従って、少し考えの有る財界トップであれば、自民党の党是を党総裁としての立場を前面に出して国会審議の場で公言する首相が、国会を自民党大会と錯覚しているかのような異常さは感じているのではないか。
  それにしても、経団連というのは、政財官護送船団ムラの中心部分であり、与党への献金の額も半端では無く、自民党の口利きで補助金、交付金を受け、その謝礼としての与党への企業献金と、官僚への接待、天下り先の提供と、血税を政財官の三者で還流させて来た張本人であろう。
  それを証拠に、最後の段になって、散々湯水の如くに使ってしまった税金が枯渇したことを以て、高齢化による医療費の増大、などと指摘しているが、高度経済成長の成果を底辺層に再配分もせずに、過労死や過労死予備軍を大量に出し、長時間労働で休暇も与えず、単純労働以外にやる能力を育てず使い殺しにした挙句、「僅かなコアに正社員を残し後は皆非正規雇用で良い」、などの勝手な青写真を描いた結果、行政機構も含めて、日本中をブラック化させたのが、経団連と連合労組のコラボであったのではないか。
   マスコミトップも、常に政財官護送船団トップと料理屋で一献傾けているのだから、個別にインタビューをせずに、全員が揃ったところでどのような会話をしているのか、それを報道すべきである。
   日本人社会の、本音と建て前の使い分け、裏と表の使い分けは非常に念の入ったテクニックであるから、こんなインタビューでは本音は取れず、あまり大々的に報道する意味は無いように思う。
  

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