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牛丼がハッキリ物語る 「デフレに逆戻り」という絶望
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/191098
2016年10月4日 日刊ゲンダイ 文字お越し
得意技は“野党攻撃”(C)日刊ゲンダイ
「もはやデフレではないという状況を作り出すことができた」――安倍首相の世まい言を大メディアはいつまで垂れ流すつもりなのか。
異次元緩和のスタートから3年半。当初は2年をメドに年率2%の物価上昇率の実現を約束したはずが、最新の物価上昇率は前年比マイナス0.5%というありさまだ。日銀の黒田総裁も先月21日、「『物価が持続的に下落する』という意味でのデフレではなくなった」と強弁しつつも、従来の質的・量的金融緩和のみから金利操作を含んだ政策の枠組み変換を余儀なくされた。
アベクロコンビの自画自賛とは裏腹に現状は「むしろデフレ」で、企業は再び値下げ合戦を繰り広げている。
吉野家が牛丼より50円安い「豚丼」(330円)を4年ぶりに復活させれば、マクドナルドは400円のバリューランチを投入して対抗。ユニクロも昨年まで2年連続で秋冬物を値上げしたものの、客足が遠のき、大幅な値下げに転じた。脱・低価格路線を模索した家具チェーンのニトリも、6月の決算発表で似鳥昭雄会長が「今後、何があっても値上げしない」と宣言。「仕入れ価格が安くなる円高が続くなら、値下げを行っていきたい」と踏み込んだ。
企業の値下げ戦略は当然の帰結で、アベノミクスの3年半で実質賃金は大幅減。消費者の節約志向は高まるばかりだ。
厚労省の毎月勤労統計によると、実質賃金は東日本大震災前の2010年を100とすると、13年は98.3、14年は95.5、昨年は94.6とガタ減りだ。つられてGDPの6割を占める個人消費も勢いを失って14年度、15年度は戦後初めて2年連続マイナス。家計支出もうるう年効果を調整すると、事実上12カ月連続マイナスだ。
これだけヒドイ統計を列挙すれば、アベノミクスの大失敗は自明の理なのに、安倍はどこ吹く風。
国会で、野党が統計データを駆使して追及しても、「“経済の好循環”は生まれている」の一点張り。揚げ句に「民進党は(政権時代の)3年3カ月、保育士の処遇改善を何ひとつしなかった」と揶揄し、「データに基づきアベノミクスの成果を説明した結果、(国政選挙で)国民から強い支持を得た」と開き直る。
しかも、安倍はこれだけ一国の経済をメタメタにしながら、北方領土交渉にかまけ、今月末からはミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相などアジアのリーダーをバンバン、日本に招いて外交三昧だ。
経済失政を自覚した上でのゴマカシなのか、それとも単に無自覚なのか。いずれにしても、安倍がトチ狂っているのだけは確実である。
こっそり撤退(C)日刊ゲンダイ
日銀の巨額損失と銀行破綻のツケは全て国民に
安倍は「好循環」の証拠として二言目には「有効求人倍率は史上初めて47都道府県で1倍を超えている」と言い出すが、これも数字のトリック。失政はごまかせない。
求人倍率は職安で扱った求人数を求職者数で割った値だが、分母である求職者数が地方で軒並み減ったのだ。地方の働き手が減れば産業の空洞化に拍車がかかる。好循環どころか、地方の疲弊を疑うべきなのに、安倍は「史上初」なる言葉に浮かれているだけだから、つくづくオメデタイ。
恐ろしいのは、こんな軽薄首相をいさめる経済閣僚がひとりもいないことだ。この調子だと、覆い隠しようのない失敗政策が傷口を広げながら延々と続く。特に黒田日銀が爆発的に国債を高値で買い続けてきたツケは深刻だ。シグマ・キャピタルの田代秀敏チーフエコノミストが指摘する。
「黒田日銀は安く買って高く売り抜けるという資産運用の鉄則を度外視。ひたすら年間80兆円の買い入れ額を堅持し、高値掴みも平気で市場に出回る国債を吸い込んできました。その結果、日銀は巨額の含み損を抱えてしまっています。日銀の公開資料によると、保有する国債の取得価格は総額約392兆円。その額面価格、つまり償還時に支払われる額は約371兆円に過ぎません。含み損は既に20兆円を超え、10日ごとに約500億円のペースで増えています。対する日銀の自己資本は計約7兆6310億円のみ。自己資本をすべて費やしても、国債爆買いのツケは埋め合わせできないのです」
通貨の信用は、中央銀行のバランスシートが健全だからこそ成り立つ。日本の通貨「円」が信用を失って暴落の一途をたどる戦慄の「通貨危機」がいつ起きてもおかしくないような惨状である。
「そのため、日銀は国債買い入れから、こっそりと撤退しつつある。先月21日の緩和政策の枠組み変更の際、日銀の声明文にマネタリーベース拡大の具体的な数値目標の記載はなかった。黒田総裁も会見で、80兆円の国債買い入れ額について『増減させることもある』と言及しました。日銀の国債購入はもう限界で、従来のペースだと、来年末には市中の国債の半分を保有するハメになる。つまり限界を迎える前に、しれっと買い入れを減らす気なのです。許しがたいのは減額方針を明言しないこと。政策の枠組み変更も3年半の大失敗を認めたくないがための弥縫策に過ぎません」(経済評論家・斎藤満氏)
■暴走老人を彷彿させる時代錯誤の愚かな政策
マイナス金利の弊害も危機的状況だ。利ざや縮小で地銀や信金などは四苦八苦。メガバンクも例外でなく、四半期決算のたびに2ケタ台の大幅減益ラッシュだ。貸し出し需要は底をつき、融資先を見つけても、マイナス金利の悪影響で貸出金利は超低空飛行である。ただでさえ、従来のビジネスモデルは成り立ちにくいうえ、長期国債もマイナス利回りで資産運用すらままならない。
アベクロコンビが異次元緩和を続ける限り、金融機関に上がり目ナシ。次第にマイナス金利に耐え切れず、バタバタと破綻する銀行が続出しかねない。こんな状況で黒田日銀が長期金利の0%目標を掲げても、屁の足しにもならないのだ。前出の斎藤満氏が言う。
「マイナス金利で経営を圧迫された銀行の生き残り策が手数料の荒稼ぎ。三井住友は今月21日からATM手数料を改め、従来は無料だった平日18時以降の利用手数料を1回につき108円徴収します。窓口営業も投資信託や外貨建て保険など高リスク商品の販売に精を出し、行員に厳しいノルマを課して手数料を得るのに躍起です。度が過ぎる手数料ビジネスは、90年代後半の大手銀行の連鎖倒産の二の舞いは御免という危機感の表れ。アベクロコンビはマイナス金利の損失を顧客に押し付けなければ延命できないほど銀行を追い詰めている。アベノミクスの失敗のツケを預金者が支払っている構図です」
アチコチに異次元緩和の「負の遺産」を押し付けながら、日銀の国債爆買い頼みで財源を捻出。アベノミクスの失敗を糊塗するためのバラマキ策に興じ、ヘリコプターマネー一歩手前までエスカレートさせているのが今の醜悪な政権の姿だ。前出の田代秀敏氏はこう言った。
「高齢化に少子化、総人口も労働人口も減り続ける『四重苦』に見舞われているのは先進主要7カ国で日本だけ。経済のパイは必然的に縮小し、デフレ傾向に陥るのは当然。この国は『成熟国家』としてゼロ成長で御の字という認識に立つべきなのに、安倍政権は逆行している。政府の借金を日銀へ右から左にツケ回すかのごとく、事実上の財政ファイナンスに陥りながら、リニアや整備新幹線の建設前倒しに血道を上げています。“あの素晴らしい高度成長をもう一度”の経済政策は、いつまでも『老い』を受け入れない“暴走老人”を彷彿させます」
もちろん、国民も「成長の夢」から覚めなければいけない。このまま、刹那の場当たり政権に任せていたら、取り返しのつかないことになる。
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