以下、自由民主党による日本国憲法改正案の全文を転載します。 現憲法との比較の文章は、下記サイトが一番わかり易いと思います。御覧ください http://www.geocities.jp/le_grand_concierge2/_geo_contents_/JaakuAmerika2/Jiminkenpo2012.htm「日本国憲法改正案」 前文 第一章 天皇(第一条―第八条) 第二章 安全保障(第九条―第九条の三) 第三章 国民の権利及び義務(第十条―第四十条) 第四章 国会(第四十一条―第六十四条の二) 第五章 内閣(第六十五条―第七十五条) 第六章 司法(第七十六条―第八十二条) 第七章 財政(第八十三条―第九十一条) 第八章 地方自治(第九十二条―第九十七条) 第九章 緊急事態(第九十八条・第九十九条) 第十章 改正(第百条) 第十一章 最高法規(第百一条・第百二条) (前文)
日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって、国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される。 我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。 日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。 我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。 日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定する。 第一章 天皇
(天皇) 第一条 天皇は、日本国の元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴であって、その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。 (皇位の継承) 第二条 皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。 (国旗及び国歌) 第三条 国旗は日章旗とし、国歌は君が代とする。 2 日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない。 (元号) 第四条 元号は、法律の定めるところにより、皇位の継承があったときに制定する。 (天皇の権能) 第五条 天皇は、この憲法に定める国事に関する行為を行い、国政に関する権能を有しない。 (天皇の国事行為等) 第六条 天皇は、国民のために、国会の指名に基づいて内閣総理大臣を任命し、内閣の指名に基づいて最高裁判所の長である裁判官を任命する。 2 天皇は、国民のために、次に掲げる国事に関する行為を行う。 一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。 二 国会を召集すること。 三 衆議院を解散すること。 四 衆議院議員の総選挙及び参議院議員の通常選挙の施行を公示すること。 五 国務大臣及び法律の定めるその他の国の公務員の任免を認証すること。 六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。 七 栄典を授与すること。 八 全権委任状並びに大使及び公使の信任状並びに批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。 九 外国の大使及び公使を接受すること。 十 儀式を行うこと。 3 天皇は、法律の定めるところにより、前二項の行為を委任することができる。 4 天皇の国事に関する全ての行為には、内閣の進言を必要とし、内閣がその責任を負う。ただし、衆議院の解散については、内閣総理大臣の進言による。 5 第一項及び第二項に掲げるもののほか、天皇は、国又は地方自治体その他の公共団体が主催する式典への出席その他の公的な行為を行う。 (摂政) 第七条 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名で、その国事に関する行為を行う。 2 第五条及び前条第四項の規定は、摂政について準用する。 (皇室への財産の譲渡等の制限) 第八条 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が財産を譲り受け、若しくは賜与するには、法律で定める場合を除き、国会の承認を経なければならない。 メンテ Re: 憲法改正について(アメリカとドイツの憲法との比較) ( No.23 ) 日時: 2013/05/05 13:38:09名前: 日本国憲法改正案・・・天橋立の愚痴人間 第二章 安全保障 (平和主義) 第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。 2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。 (国防軍) 第九条の二 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。 2 国防軍は、前項の規定による任務を遂行する際は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。 3 国防軍は、第一項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。 4 前二項に定めるもののほか、国防軍の組織、統制及び機密の保持に関する事項は、法律で定める。 5 国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。この場合においては、被告人が裁判所へ上訴する権利は、保障されなければならない。 (領土等の保全等) 第九条の三 国は、主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない。 第三章 国民の権利及び義務
(日本国民) 第十条 日本国民の要件は、法律で定める。 (基本的人権の享有) 第十一条 国民は、全ての基本的人権を享有する。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利である。
(国民の責務) 第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力により、保持されなければならない。国民は、これを濫用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない。 (人としての尊重等) 第十三条 全て国民は、人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限に尊重されなければならない。 (法の下の平等) 第十四条 全て国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、障害の有無、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。 2 華族その他の貴族の制度は、認めない。 3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。 (公務員の選定及び罷免に関する権利等) 第十五条 公務員を選定し、及び罷免することは、主権の存する国民の権利である。 2 全て公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。 3 公務員の選定を選挙により行う場合は、日本国籍を有する成年者による普通選挙の方法による。 4 選挙における投票の秘密は、侵されない。選挙人は、その選択に関し、公的にも私的にも責任を問われない。 (請願をする権利) 第十六条 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願をする権利を有する。 2 請願をした者は、そのためにいかなる差別待遇も受けない。 (国等に対する賠償請求権) 第十七条 何人も、公務員の不法行為により損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は地方自治体その他の公共団体に、その賠償を求めることができる。 (身体の拘束及び苦役からの自由) 第十八条 何人も、その意に反すると否とにかかわらず、社会的又は経済的関係において身体を拘束されない。 2 何人も、犯罪による処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。 (思想及び良心の自由) 第十九条 思想及び良心の自由は、保障する。 (個人情報の不当取得の禁止等) 第十九条の二 何人も、個人に関する情報を不当に取得し、保有し、又は利用してはならない。 (信教の自由) 第二十条 信教の自由は、保障する。国は、いかなる宗教団体に対しても、特権を与えてはならない。 2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。 3 国及び地方自治体その他の公共団体は、特定の宗教のための教育その他の宗教的活動をしてはならない。ただし、社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超えないものについては、この限りでない。 (表現の自由) 第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。 2 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。 3 検閲は、してはならない。通信の秘密は、侵してはならない。 (国政上の行為に関する説明の責務) 第二十一条の二 国は、国政上の行為につき国民に説明する責務を負う。 (居住、移転及び職業選択等の自由等) 第二十二条 何人も、居住、移転及び職業選択の自由を有する。 2 全て国民は、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を有する。 (学問の自由) 第二十三条 学問の自由は、保障する。 メンテ Re: 憲法改正について(アメリカとドイツの憲法との比較) ( No.24 ) 日時: 2013/05/05 13:41:53名前: 日本国憲法改正案・・・天橋立の愚痴人間 (家族、婚姻等に関する基本原則) 第二十四条 家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない。 2 婚姻は、両性の合意に基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。 3 家族、扶養、後見、婚姻及び離婚、財産権、相続並びに親族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。 (生存権等) 第二十五条 全て国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 2 国は、国民生活のあらゆる側面において、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
(環境保全の責務) 第二十五条の二 国は、国民と協力して、国民が良好な環境を享受することができるようにその保全に努めなければならない。 (在外国民の保護) 第二十五条の三 国は、国外において緊急事態が生じたときは、在外国民の保護に努めなければならない。 (犯罪被害者等への配慮) 第二十五条の四 国は、犯罪被害者及びその家族の人権及び処遇に配慮しなければならない。 (教育に関する権利及び義務等) 第二十六条 全て国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、等しく教育を受ける権利を有する。 2 全て国民は、法律の定めるところにより、その保護する子に普通教育を受けさせる義務を負う。義務教育は、無償とする。 3 国は、教育が国の未来を切り拓ひらく上で欠くことのできないものであることに鑑み、教育環境の整備に努めなければならない。 (勤労の権利及び義務等) 第二十七条 全て国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。 2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律で定める。 3 何人も、児童を酷使してはならない。 (勤労者の団結権等) 第二十八条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、保障する。 2 公務員については、全体の奉仕者であることに鑑み、法律の定めるところにより、前項に規定する権利の全部又は一部を制限することができる。この場合においては、公務員の勤労条件を改善するため、必要な措置が講じられなければならない。 (財産権) 第二十九条 財産権は、保障する。 2 財産権の内容は、公益及び公の秩序に適合するように、法律で定める。この場合において、知的財産権については、国民の知的創造力の向上に資するように配慮しなければならない。 3 私有財産は、正当な補償の下に、公共のために用いることができる。 (納税の義務) 第三十条 国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う。 (適正手続の保障) 第三十一条 何人も、法律の定める適正な手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられない。 (裁判を受ける権利) 第三十二条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を有する。 (逮捕に関する手続の保障) 第三十三条 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、裁判官が発し、かつ、理由となっている犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。
(抑留及び拘禁に関する手続の保障) 第三十四条 何人も、正当な理由がなく、若しくは理由を直ちに告げられることなく、又は直ちに弁護人に依頼する権利を与えられることなく、抑留され、又は拘禁されない。 2 拘禁された者は、拘禁の理由を直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示すことを求める権利を有する。 (住居等の不可侵) 第三十五条 何人も、正当な理由に基づいて発せられ、かつ、捜索する場所及び押収する物を明示する令状によらなければ、住居その他の場所、書類及び所持品について、侵入、捜索又は押収を受けない。ただし、第三十三条の規定により逮捕される場合は、この限りでない。 2 前項本文の規定による捜索又は押収は、裁判官が発する各別の令状によって行う。
(拷問及び残虐な刑罰の禁止) 第三十六条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、禁止する。 (刑事被告人の権利) 第三十七条 全て刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。 2 被告人は、全ての証人に対して審問する機会を十分に与えられる権利及び公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。 3 被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを付する。 (刑事事件における自白等) 第三十八条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。 2 拷問、脅迫その他の強制による自白又は不当に長く抑留され、若しくは拘禁された後の自白は、証拠とすることができない。 3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされない。 (遡及処罰等の禁止) 第三十九条 何人も、実行の時に違法ではなかった行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問われない。同一の犯罪については、重ねて刑事上の責任を問われない。 (刑事補償を求める権利) 第四十条 何人も、抑留され、又は拘禁された後、裁判の結果無罪となったときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。 メンテ
Re: 憲法改正について(アメリカとドイツの憲法との比較) ( No.25 ) 日時: 2013/05/05 13:46:46名前: 日本国憲法改正案・・・天橋立の愚痴人間 第四章 国会 (国会と立法権) 第四十一条 国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。 (両議院) 第四十二条 国会は、衆議院及び参議院の両議院で構成する。 (両議院の組織) 第四十三条 両議院は、全国民を代表する選挙された議員で組織する。 2 両議院の議員の定数は、法律で定める。 (議員及び選挙人の資格) 第四十四条 両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律で定める。この場合においては、人種、信条、性別、障害の有無、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によって差別してはならない。 (衆議院議員の任期) 第四十五条 衆議院議員の任期は、四年とする。ただし、衆議院が解散された場合には、その期間満了前に終了する。 (参議院議員の任期) 第四十六条 参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する。 (選挙に関する事項) 第四十七条 選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律で定める。この場合においては、各選挙区は、人口を基本とし、行政区画、地勢等を総合的に勘案して定めなければならない。 (両議院議員兼職の禁止) 第四十八条 何人も、同時に両議院の議員となることはできない。 (議員の歳費) 第四十九条 両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。 (議員の不逮捕特権) 第五十条 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があるときは、会期中釈放しなければならない。 (議員の免責特権) 第五十一条 両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問われない。 (通常国会) 第五十二条 通常国会は、毎年一回召集される。 2 通常国会の会期は、法律で定める。 (臨時国会) 第五十三条 内閣は、臨時国会の召集を決定することができる。いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があったときは、要求があった日から二十日以内に臨時国会が召集されなければならない。 (衆議院の解散と衆議院議員の総選挙、特別国会及び参議院の緊急集会) 第五十四条 衆議院の解散は、内閣総理大臣が決定する。 2 衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行い、その選挙の日から三十日以内に、特別国会が召集されなければならない。 3 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。ただし、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。 4 前項ただし書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであって、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失う。 (議員の資格審査) 第五十五条 両議院は、各々その議員の資格に関し争いがあるときは、これについて審査し、議決する。ただし、議員の議席を失わせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。 (表決及び定足数) 第五十六条 両議院の議事は、この憲法に特別の定めのある場合を除いては、出席議員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。 2 両議院の議決は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければすることができない。 (会議及び会議録の公開等) 第五十七条 両議院の会議は、公開しなければならない。ただし、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。 2 両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるものを除き、これを公表し、かつ、一般に頒布しなければならない。 3 出席議員の五分の一以上の要求があるときは、各議員の表決を会議録に記載しなければならない。 (役員の選任並びに議院規則及び懲罰) 第五十八条 両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。 2 両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、並びに院内の秩序を乱した議員を懲罰することができる。ただし、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。 (法律案の議決及び衆議院の優越) 第五十九条 法律案は、この憲法に特別の定めのある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。 2 衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。 3 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。 4 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。 (予算案の議決等に関する衆議院の優越) 第六十条 予算案は、先に衆議院に提出しなければならない。 2 予算案について、参議院で衆議院と異なった議決をした場合において、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。 (条約の承認に関する衆議院の優越) 第六十一条 条約の締結に必要な国会の承認については、前条第二項の規定を準用する。 (議院の国政調査権) 第六十二条 両議院は、各々国政に関する調査を行い、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。 第四章 国会 第四十一条 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。 第四十二条 国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。
第四十三条 両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。 2 両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。
第四十四条 両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。
第四十五条 衆議院議員の任期は、四年とする。但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する。
第四十六条 参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する。
第四十七条 選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。
第四十八条 何人も、同時に両議院の議員たることはできない。 第四十九条 両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。
第五十条 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。
第五十一条 両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。
第五十二条 国会の常会は、毎年一回これを召集する。 〔新設〕
第五十三条 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。
第五十四条 衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。 2 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。 3 前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。
第五十五条 両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。但し、議員の議席を失はせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。 第五十六条 両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。 2 両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。 第五十七条 両議院の会議は、公開とする。但し、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。 2 両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。 3 出席議員の五分の一以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。 第五十八条 両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。 2 両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。
第五十九条 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。 2 衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。 3 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。 4 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。 第六十条 予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。 2 予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。 第六十一条 条約の締結に必要な国会の承認については、前条第二項の規定を準用する。 第六十二条 両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。 (内閣総理大臣等の議院出席の権利及び義務) 第六十三条 内閣総理大臣及びその他の国務大臣は、議案について発言するため両議院に出席することができる。 2 内閣総理大臣及びその他の国務大臣は、答弁又は説明のため議院から出席を求められたときは、出席しなければならない。ただし、職務の遂行上特に必要がある場合は、この限りでない。
(弾劾裁判所) 第六十四条 国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。 2 弾劾に関する事項は、法律で定める。
(政党) 第六十四条の二 国は、政党が議会制民主主義に不可欠の存在であることに鑑み、その活動の公正の確保及びその健全な発展に努めなければならない。 2 政党の政治活動の自由は、保障する。 3 前二項に定めるもののほか、政党に関する事項は、法律で定める。
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