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巨大与党 大政翼賛国会の薄気味悪さ、空しさ、おぞましさ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/190762
2016年9月29日 日刊ゲンダイ 文字お越し
まるで北朝鮮国会(C)日刊ゲンダイ
豊洲市場の消えた盛り土問題に、競技3会場の建設中止も含めた五輪予算の大幅見直し――。都議会に舞台を移した“小池劇場”に、政治の主役の座を奪われた感のある“永田町劇場”。メディアも小池都知事の一挙手一投足に注目し、今週から始まった秋の臨時国会にほとんど目もくれないが、もうヒドイのナンの。もはや法治国家とは言い難い醜態をさらし続けている。
生活の党の小沢一郎代表が「北朝鮮か中国共産党大会みたい」と評した所信表明演説における自民党議員の総立ち拍手。安倍首相と自衛隊員礼賛のスタンディングオベーションもさることながら、26日付の毎日新聞がすっぱ抜いた内閣法制局の大チョンボにはブッタマげた。
昨年5月14日に閣議決定、国会に提出された安保関連法案の扱いを記録した公文書に、とんでもない記載が見つかった。法案内容の審査を終えて決裁した日付を「5月0日」と記していたのだ。
内閣法制局は、政府が提出する法案や条約案が憲法や他の法律に違反していないかをチェックする“法の番人”だ。時の政権が閣議決定する前には、必ず法制局の決裁を受けなければならない。
ところが、昨年10月に富山市の女性の情報公開請求によって開示された公文書の決裁日は「5月0日」。そのほか、受付日、審査後に内閣に送付した進達日、閣議にかけられた日を記入する欄もあるのだが、いずれも空欄のまま。さらに「法律」「政令」「条約」の3つから選んで丸で囲む欄も「法律」なのに、「政令」に丸が付いていたというズサンさだ。
この公文書は既に決裁日や受付日などはすべて「5月14日」に修正されたが、この記載だって奇妙だ。
審査を受け付けた当日に即日決裁し、すぐさま内閣に進達、その日のうちに閣議決定されたことになる。
この日の首相動静を見ると、安倍政権が臨時閣議を開き、安保関連法案を閣議決定したのは午後4時41分。ちょっと尋常ではないスピード決裁だ。毎日の記事によると、内閣法制局は昨年1年間に80件の法案を審査したが、安保関連法案以外は受け付けから閣議決定まで数日を要し、記載ミスもなかったというから、ますます怪しい。
「この問題は単なる『誤記』で済ませては絶対にいけません。安保関連法案について、内閣法制局はまともな審査を行わなかった疑いが強い。安倍政権が安保関連法案をゴリ押しするなら、もうイチャモンをつけるのはよそうと、横畠裕介長官以下の法制局メンバーが悪い意味でハラをくくっていたとしか思えません」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)
内閣法制局は法の番人としての役割を放棄し、安倍内閣の“番犬”に成り下がっている。
法制局はもはや“法の番人”ではない(C)日刊ゲンダイ
もはや法治国家とは言い難い醜態の数々
安倍政権が強行した安保法制をめぐり、内閣法制局は“前科”を抱えている。2014年7月に集団的自衛権の行使容認を閣議決定する前、憲法9条の解釈変更について局内部での検討過程を、公文書に残していなかったことが発覚している。
しかも横畠長官はこの時期、集団的自衛権行使容認の与党協議を任されていた自民の高村正彦副総裁や公明の北側一雄副代表らと非公式に接触。法制局は北側に命じられるまま、「武力行使の新3要件」の下書きまで作成したとも報じられた。
いずれにしろ、今の横畠体制の法制局が従来の独立性や中立性をかなぐり捨て、安倍政権の下請け機関に堕しているのは間違いない。これでは番犬どころか“忠犬”である。
前出の金子勝氏はこう言った。
「内閣法制局が『法の番人』としての機能を失えば、時の内閣はやりたい放題です。しかも衆参3分の2が必要な改憲と違って、議会の過半数を握ればどんな法案でも成立可能です。7月の参院選後に安倍自民党は無所属議員を切り崩し、衆参で単独過半数を確保しています。あとは巨大与党の数の力で、右から左で好き放題に悪法を成立させてしまう。それこそ北朝鮮さながらの独裁体制が完成したも同然です」
横畠長官が情けないまでの“忠犬”ぶりを発揮しているのは、「報復人事」を恐れてのことかも知れない。安倍は13年8月、集団的自衛権行使容認派の外務官僚で元フランス大使の小松一郎氏を内閣法制局長官に据えた。次期長官最有力の横畠氏の頭越しに繰り出された抜擢人事だったが、翌年5月に小松氏が体調不良に陥り、再び横畠氏の目の前に長官ポストがぶら下がった。この時、横畠氏は“悪魔”に魂を売り渡してしまったに違いない。政治学者の五十嵐仁氏が指摘する。
「安倍首相が自分の息のかかった人物を要職に就け、その組織を意のままに操る人事は小松氏だけに限りません。日銀の黒田東彦総裁やNHKの籾井勝人会長もしかり。そして先日は春の異動が恒例の宮内庁人事を前倒し。風岡典之前長官の退任を早めただけでなく、長官に昇格した次長の後任に警察官僚で内閣危機管理監だった西村泰彦氏を送り込んだ。官邸直送人事の背景には、天皇の“お気持ち表明”に至った宮内庁の対応への安倍首相の不満があったともっぱらです」
自分の意に沿わない人物をあっさり飛ばし、イエスマンにクビをすげ替える報復人事も北朝鮮さながら。典型的な恐怖政治である。
■権力の監視役を失って独裁国家にまっしぐら
法の番人が完全に形骸化した今、暴走独裁政治の歯止め役として残されているのは大メディアと野党だけだ。しかし、この2つとも本来の役割を自覚せず、テンで機能していない。
所信表明演説で安倍は、既に失敗が明らかなアベノミクスを「加速させる」と性懲りもなく言ってのけた。アベノミクスが順調なら、消費増税の再延期も事業規模28兆円超の経済対策も必要ない。揚げ句に、その経済対策とやらも低所得者への給付金などバラマキ策のオンパレードである。
財源は日銀の国債“爆買い”に頼った事実上のヘリコプターマネーのデタラメなのだが、翌日の大新聞は安倍の所信表明をどう伝えたか。〈「歴史的業績」を意識〉(読売)、〈長期政権へ「未来」力説〉(日経)という見出しがデカデカと躍った。
「なんでそうなるの?」と思わずのけ反りそうだが、大メディアは安倍の総裁任期延長論も無批判でタレ流すのみ。自民党だって再選回数に制限を設けてきたのは、古今東西を問わず、政権が長引けば必ずひずみが生じることへの戒めだろう。
そもそも北朝鮮さながらの恐怖政権の長期化なんて冗談じゃない。今のメディアには「権力は腐敗する、絶対的権力は徹底的に腐敗する」という名言を学んだ人物は皆無なのか。大政翼賛国会の薄気味悪さを目にして、小池劇場にかまけている余裕などないはずだ。
「野党も実にダラしがありません。特に野党第1党の民進党にはつけるクスリがないほど。28日、初めて代表質問に立った蓮舫代表は、しきりと『批判一辺倒から提案型への転換』を強調しますが、大間違いです。数の力では圧倒的劣勢に立つ野党が、巨大与党と同じ土俵で張り合っても、ハナから勝ち目はない。あたかも独裁国家のような暴走政権の危うさを声高に叫び、与党にどんな言いがかりをつけられようが、かたくなに徹底追及する。それでこそ、ようやく世間の耳目を集め、その世論をバックに巨大与党と立ち向かえるのです。それこそが弱者の戦いのリアリズムで、提案なんて政権を取ってからでいい。それを理解できないようでは、野党第1党のトップの資格はありません」(五十嵐仁氏=前出)
権力の監視役たちの体たらくで、いよいよ、この国の民主主義は風前のともしび。本当に空しさの漂う秋である。
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