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巨大与党 大政翼賛国会の薄気味悪さ、空しさ、おぞましさ(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/16/senkyo213/msg/636.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 9 月 29 日 22:25:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

     


巨大与党 大政翼賛国会の薄気味悪さ、空しさ、おぞましさ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/190762
2016年9月29日 日刊ゲンダイ 文字お越し


  
   まるで北朝鮮国会(C)日刊ゲンダイ


 豊洲市場の消えた盛り土問題に、競技3会場の建設中止も含めた五輪予算の大幅見直し――。都議会に舞台を移した“小池劇場”に、政治の主役の座を奪われた感のある“永田町劇場”。メディアも小池都知事の一挙手一投足に注目し、今週から始まった秋の臨時国会にほとんど目もくれないが、もうヒドイのナンの。もはや法治国家とは言い難い醜態をさらし続けている。

 生活の党の小沢一郎代表が「北朝鮮か中国共産党大会みたい」と評した所信表明演説における自民党議員の総立ち拍手。安倍首相と自衛隊員礼賛のスタンディングオベーションもさることながら、26日付の毎日新聞がすっぱ抜いた内閣法制局の大チョンボにはブッタマげた。

 昨年5月14日に閣議決定、国会に提出された安保関連法案の扱いを記録した公文書に、とんでもない記載が見つかった。法案内容の審査を終えて決裁した日付を「5月0日」と記していたのだ。

 内閣法制局は、政府が提出する法案や条約案が憲法や他の法律に違反していないかをチェックする“法の番人”だ。時の政権が閣議決定する前には、必ず法制局の決裁を受けなければならない。

 ところが、昨年10月に富山市の女性の情報公開請求によって開示された公文書の決裁日は「5月0日」。そのほか、受付日、審査後に内閣に送付した進達日、閣議にかけられた日を記入する欄もあるのだが、いずれも空欄のまま。さらに「法律」「政令」「条約」の3つから選んで丸で囲む欄も「法律」なのに、「政令」に丸が付いていたというズサンさだ。

 この公文書は既に決裁日や受付日などはすべて「5月14日」に修正されたが、この記載だって奇妙だ。

 審査を受け付けた当日に即日決裁し、すぐさま内閣に進達、その日のうちに閣議決定されたことになる。

 この日の首相動静を見ると、安倍政権が臨時閣議を開き、安保関連法案を閣議決定したのは午後4時41分。ちょっと尋常ではないスピード決裁だ。毎日の記事によると、内閣法制局は昨年1年間に80件の法案を審査したが、安保関連法案以外は受け付けから閣議決定まで数日を要し、記載ミスもなかったというから、ますます怪しい。

「この問題は単なる『誤記』で済ませては絶対にいけません。安保関連法案について、内閣法制局はまともな審査を行わなかった疑いが強い。安倍政権が安保関連法案をゴリ押しするなら、もうイチャモンをつけるのはよそうと、横畠裕介長官以下の法制局メンバーが悪い意味でハラをくくっていたとしか思えません」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)

 内閣法制局は法の番人としての役割を放棄し、安倍内閣の“番犬”に成り下がっている。


  
   法制局はもはや“法の番人”ではない(C)日刊ゲンダイ


もはや法治国家とは言い難い醜態の数々

 安倍政権が強行した安保法制をめぐり、内閣法制局は“前科”を抱えている。2014年7月に集団的自衛権の行使容認を閣議決定する前、憲法9条の解釈変更について局内部での検討過程を、公文書に残していなかったことが発覚している。

 しかも横畠長官はこの時期、集団的自衛権行使容認の与党協議を任されていた自民の高村正彦副総裁や公明の北側一雄副代表らと非公式に接触。法制局は北側に命じられるまま、「武力行使の新3要件」の下書きまで作成したとも報じられた。

 いずれにしろ、今の横畠体制の法制局が従来の独立性や中立性をかなぐり捨て、安倍政権の下請け機関に堕しているのは間違いない。これでは番犬どころか“忠犬”である。

 前出の金子勝氏はこう言った。

「内閣法制局が『法の番人』としての機能を失えば、時の内閣はやりたい放題です。しかも衆参3分の2が必要な改憲と違って、議会の過半数を握ればどんな法案でも成立可能です。7月の参院選後に安倍自民党は無所属議員を切り崩し、衆参で単独過半数を確保しています。あとは巨大与党の数の力で、右から左で好き放題に悪法を成立させてしまう。それこそ北朝鮮さながらの独裁体制が完成したも同然です」

横畠長官が情けないまでの“忠犬”ぶりを発揮しているのは、「報復人事」を恐れてのことかも知れない。安倍は13年8月、集団的自衛権行使容認派の外務官僚で元フランス大使の小松一郎氏を内閣法制局長官に据えた。次期長官最有力の横畠氏の頭越しに繰り出された抜擢人事だったが、翌年5月に小松氏が体調不良に陥り、再び横畠氏の目の前に長官ポストがぶら下がった。この時、横畠氏は“悪魔”に魂を売り渡してしまったに違いない。政治学者の五十嵐仁氏が指摘する。

「安倍首相が自分の息のかかった人物を要職に就け、その組織を意のままに操る人事は小松氏だけに限りません。日銀の黒田東彦総裁やNHKの籾井勝人会長もしかり。そして先日は春の異動が恒例の宮内庁人事を前倒し。風岡典之前長官の退任を早めただけでなく、長官に昇格した次長の後任に警察官僚で内閣危機管理監だった西村泰彦氏を送り込んだ。官邸直送人事の背景には、天皇の“お気持ち表明”に至った宮内庁の対応への安倍首相の不満があったともっぱらです」

 自分の意に沿わない人物をあっさり飛ばし、イエスマンにクビをすげ替える報復人事も北朝鮮さながら。典型的な恐怖政治である。

■権力の監視役を失って独裁国家にまっしぐら

 法の番人が完全に形骸化した今、暴走独裁政治の歯止め役として残されているのは大メディアと野党だけだ。しかし、この2つとも本来の役割を自覚せず、テンで機能していない。

 所信表明演説で安倍は、既に失敗が明らかなアベノミクスを「加速させる」と性懲りもなく言ってのけた。アベノミクスが順調なら、消費増税の再延期も事業規模28兆円超の経済対策も必要ない。揚げ句に、その経済対策とやらも低所得者への給付金などバラマキ策のオンパレードである。

 財源は日銀の国債“爆買い”に頼った事実上のヘリコプターマネーのデタラメなのだが、翌日の大新聞は安倍の所信表明をどう伝えたか。〈「歴史的業績」を意識〉(読売)、〈長期政権へ「未来」力説〉(日経)という見出しがデカデカと躍った。

「なんでそうなるの?」と思わずのけ反りそうだが、大メディアは安倍の総裁任期延長論も無批判でタレ流すのみ。自民党だって再選回数に制限を設けてきたのは、古今東西を問わず、政権が長引けば必ずひずみが生じることへの戒めだろう。

 そもそも北朝鮮さながらの恐怖政権の長期化なんて冗談じゃない。今のメディアには「権力は腐敗する、絶対的権力は徹底的に腐敗する」という名言を学んだ人物は皆無なのか。大政翼賛国会の薄気味悪さを目にして、小池劇場にかまけている余裕などないはずだ。

「野党も実にダラしがありません。特に野党第1党の民進党にはつけるクスリがないほど。28日、初めて代表質問に立った蓮舫代表は、しきりと『批判一辺倒から提案型への転換』を強調しますが、大間違いです。数の力では圧倒的劣勢に立つ野党が、巨大与党と同じ土俵で張り合っても、ハナから勝ち目はない。あたかも独裁国家のような暴走政権の危うさを声高に叫び、与党にどんな言いがかりをつけられようが、かたくなに徹底追及する。それでこそ、ようやく世間の耳目を集め、その世論をバックに巨大与党と立ち向かえるのです。それこそが弱者の戦いのリアリズムで、提案なんて政権を取ってからでいい。それを理解できないようでは、野党第1党のトップの資格はありません」(五十嵐仁氏=前出)

 権力の監視役たちの体たらくで、いよいよ、この国の民主主義は風前のともしび。本当に空しさの漂う秋である。



          


 

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コメント
 
1. 2016年9月30日 11:11:01 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-8076]
2016年9月30日(金)
首相演説
自民党議員起立に違和感
戦意高揚の異様な光景

 「彼ら(自衛隊員ら)に対し、今この場所から心からの敬意を表そうではありませんか」

 安倍晋三首相が26日の衆院本会議での所信表明演説でこう述べ、演説を中断して、「夜を徹して任務に当たっている」自衛隊員らをたたえる拍手をし、多くの自民党議員が一斉に起立して拍手したことに、批判と違和感が広がっています。

 「戦時中、学徒動員を拍手で戦地に送りだした光景を連想する。自衛隊を拍手で送りだすもので、臨戦態勢、戦意高揚の異様な光景だ」。元私立高校校長という男性は共産党本部にこう感想を寄せました。

 まさに戦前の日本やナチス時代のヒトラーへの“喝采”と二重写し―。軍事的価値観の強制につながる権力者の異常な行動です。

 安倍首相は9月12日の自衛隊高級幹部会同での訓示で、戦争法や日米新ガイドラインの整備をあげ、「制度は整った。あとはこれらを血の通ったものとする。必要なことは、新しい防衛省・自衛隊による『実行』です」「今こそ『実行の時』」だと、「実行」という言葉を繰り返しました。戦争法の「実行」へ激を飛ばしたのです。

 戦争法の新任務はいずれも、自衛隊が海外での武力行使・戦闘に踏み込み、「殺し殺される」重大な危険をはらみます。その自衛隊に感謝と敬意が示されなければ、隊員の士気は維持できず、隊員になる者もいなくなる―。安倍首相の行動の動機でしょう。

 米議会では、軍隊への敬意を示す場面で、民主党・共和党の区別なく一斉に議員が起立して拍手するのが通例です。理由は同じことです。

 日本もアメリカのような軍事国家になろうという安倍首相の野望をあらわにした光景でした。

 (中祖寅一)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-30/2016093001_04_1.html


2. 2016年10月01日 09:54:06 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-8065]
2016年10月1日(土)
首相“何が問題なのか”
本会議での総立ち拍手
追及に“侮辱”と気色ばむ場面も

 安倍晋三首相は30日の衆院予算委員会で、所信表明演説(26日、衆院本会議)中に自らの呼びかけに応じて自民党議員が立ち上がって拍手した問題について「どうしてそんなに問題になるのか理解できない」と述べました。民進党の細野豪志代表代行への答弁。

 首相は演説で、海上保安官、警察官、自衛官の働きぶりに触れ「今この場所から、心からの敬意を表そうではありませんか」と呼びかけました。これに応じて多くの自民党議員が示し合わせたように立ち上がって拍手。首相も壇上で拍手し、演説が中断。大島理森議長が注意する事態となりました。

 27日の衆院議院運営委員会理事会で「首相の行為は不適切」との認識で与野党が一致。自民党理事が「政府に対して『気をつけてほしい』と伝えたい」と表明していました。

 予算委では細野氏が演説時の状況について「この国の国会ではないのではないかと錯覚すら覚えた」と述べたことに対して、首相が「どの国だというのか。あまりに侮辱ではないか」と気色ばむ場面もありました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-10-01/2016100102_02_1.html


3. 2016年10月06日 18:33:48 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-7988]
2016年10月2日(日)
2016とくほう・特報
首相演説への起立・拍手を考える
「行政府の長」が号令 国会議員を“提灯もち”に

 安倍晋三首相は、9月26日の国会での所信表明の最中に、自衛隊をたたえて、これに自民党議員がいっせいに起立・拍手して応じたことが波紋を広げています。首相は「私が促したわけではない」「どうしてそんなに問題になるのか理解できない」(9月30日、衆院予算委)と開き直りましたが、安倍政権の姿勢を象徴するものとして批判はなりやみません。この異常なスタンディングオベーション(起立して拍手・喝采)が意味するものは何なのか、識者の意見を交えて探りました。(特報チーム)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-10-02/2016100203_02_0.jpg
(写真)自民議員と一緒に拍手をする安倍首相

 安倍首相は、海上保安庁、警察とともに「自衛隊の諸君」に「今この場所から、心からの敬意を表そう」と議場に向かってよびかけました。これに応じて自民党議員が拍手をしながらいっせいに立ち上がりました。首相も所信表明を中断して一緒に拍手しました。

 この事態に、議事をつかさどる大島理森衆院議長が「ご着席ください」と3回制止しましたが、拍手は鳴りやみませんでした。

 「自然発生的に起こった」(自民党・佐藤勉衆院議運委員長)のではありません。安倍首相が「今この場から敬意を」と意図的に促した結果でした。自民党国対のメンバーが若手議員に「拍手してほしい」など事前に「指示」をしたとの報道もあります。(「朝日」9月28日付)

 住友陽文(あきふみ)大阪府立大学教授(日本近現代史)は、「現場で任務に当たっている人に敬意というが、そういう人はたくさんいる。ことさら自衛隊や警察などに限っているのは、国の安全保障にかかわることに限定して礼賛するためとしか考えられません」

 さらに「気になるのは、自衛隊や警察を称賛するだけでなく、自分のステータス(地位)を上げようという意図を感じます。他人のことを称賛する時にはその自分に高揚感があるものです。そういう意味では不気味なものを感じます」といいます。
軍事に「責任と誇り」

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-10-02/2016100203_02_0b.jpg
(写真)安倍首相の呼びかけに応えて起立して拍手する自民党議員(手前)=9月26日、衆院本会議

 安倍首相が自衛隊をたたえたのは、「外交」のところで、北朝鮮の核実験、東シナ海・南シナ海問題にふれ、「わが国の領土、領海、領空は守り抜く」と強調した直後でした。

 自衛隊が災害時の救命・救援に当たっていることを多くの国民は共感し支持していますが、安倍首相が自衛隊の「任務」として求めているのは軍事的な意味での「強い責任感と誇り」であることは文脈からいって明確です。

 岩手県で安保法制に反対する先頭に立ってきた小笠原基也弁護士は、「国会議員に賛同を求めたことに違和感がある」といいます。「内閣総理大臣は立法機関である国会と距離をおいてやっていかなければならないのに、議員に提灯(ちょうちん)持ちを求めた。党の行事と国会とを取り違えているのではないか」と批判します。

 「行政府の長」である首相が立法府の構成員たる国会議員に号令をかけたのは、「三権分立」をわきまえない異常な行動です。5月にも安倍首相は自らを「立法府の長」と言い問題となりましたが、今回はそれを行動で示したのです。

 さらに小笠原氏は、立ち上がった自民党議員もおかしいとして、「国会は法律にもとづいて自衛隊などの権力機構をチェックする機関です。近隣との紛争で一触即発にならないよう対話で解決に当たっているNPO法人、外交官などを一緒にたたえるのであればわかるが、安倍政権の政策の中心は武力による威嚇と解決が前提になっている。自分で危険をあおっておいてがんばって、というのはきわめて無責任だ」と指摘します。

 自民党の高村正彦副総裁は30日、「スタンディングオベーションをすると叱られるのは、グローバルスタンダード(世界基準)に合っているか」と安倍首相の行動を擁護しました。しかし、よくいわれる米国の場合、大統領の一般教書演説でスタンディングオベーションが起きるのは普通のことですが、それは、例えば9・11の同時多発テロのさい、救助にあたった消防士を議会に呼んでいて、そこにふれたときに自然に起きたものでした。大統領が「敬意を表そう」などと先導することはまずありません。

 安倍首相の行動は、米国と比べても特異な行為なのです。
背景に戦争法の運用

 所信表明では、安保法制=戦争法の具体化については一言もふれませんでした。しかし、この自衛隊をたたえる起立・拍手をやらせたことは、政府が今、南スーダンPKO(国連平和維持活動)に派兵している自衛隊の任務の拡大、武器使用の拡大をはじめ戦争法の全面的な運用によって、自衛隊員をこれまでになく危険にさらすという背景なくしては説明できないものです。

 小笠原氏は「安全保障は憲法の精神を生かして外交努力でやっていくんだというのが本来的な話。憲法尊重擁護義務を負う内閣総理大臣が平和憲法を無視して、海外での武力による威嚇や行使というまさに安保法制を前提に、自衛隊の活動を賛美しました。私はこの所信表明が平和憲法に対しての『宣戦布告』だと思っている。うやむやにできない。危険な自衛隊にさせない政策を求め続けていくことが必要です」といいます。

 住友氏は「自衛隊、警察を特別に称賛することは、国防軍や非常事態条項を創設する2012年に決めた自民党改憲草案の中身と合致しています。そこへの批判は受け付けないで、国会に情緒的な同意を求めているのが安倍首相です。さらに海外派兵をふくめ、憲法や議会の制限なしに“機能的”に行っていきたいという首相の政治的な意図が見えているのではないでしょうか」と指摘します。
所信表明から

 現場では、夜を徹して、そして、今この瞬間も、海上保安庁、警察、自衛隊の諸君が、任務に当たっています。極度の緊張感に耐えながら、強い責任感と誇りを持って、任務を全うする。その彼らに対し、今この場所から、心からの敬意を表そうではありませんか。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-10-02/2016100203_02_0.html


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