http://www.asyura2.com/16/senkyo213/msg/429.html
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豊洲がどうのこうのという前に築地を使い続けるのは大問題!
図解でわかる築地市場の問題点(前編)
時事図解
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ちょっと前のことになりますが、築地市場の移転延期が発表されました。
www3.nhk.or.jp
私としては、豊洲より築地の方がネームバリューあるよなぁなどとニュースを眺めていたのですが、最近すっかり売れっ子のおときた駿東京都議員の記事を読んで、私の保育園の主張考えが似ているなと思っているうちに、興味が沸いてまいりました。
otokitashun.com
そういうわけで、今回はこの「築地移転問題」を図解しています。
ちなみに移転先の豊洲の問題には今は触れません。情報が錯綜していますし、今回のテーマはあくまで「築地を使い続けるリスク」についてだからです。
余談ですが、私は図解を「自分の主張に使うのではなく、混沌とした事実を分かりやすく表現する」ために使うことを目標としており、あんまり政治的な話には立ち入りたくないなと思っています。あくまで自分は建設的な議論をするための道具でありたいとそう思っています。
ちょっと最近、政治的な主張に踏み入りすぎたという反省と自戒を込め、この築地問題を眺めてみたいと思います。
だめでしょ、築地
最初から匙を投げているような表現ですが、調べれば調べるほど、築地市場は「食品を取り扱う場所としてふさわしくない!」という結論にしか到達できません。
もし築地と同じような建築物を建て、そこで飲食物を取り扱いたいと言っても、消防庁も保健所も決して営業許可を出さないでしょう。
築地は古くから存在している施設ゆえに存続を許されているとしか思えません。
問題点は大まかに分けて2点。
1、築地市場は建築的観点から見て、存続させることそのものが危険な状態である。
2、個人の力では対応できないレベルで衛生状態が悪い。
この問題点を前後編に分けて図解していきたいと思います。
最大のリスク。それは【首都圏直下型地震】
f:id:zukaiseiri:20160906014701p:plain
まずは非効率な物流
築地は築82年の旧い建物です。戦前に建てられた建物ということですね。
もともとは鉄道輸送を想定した施設のため、ウィキペディアから引用した以下の写真をご覧ください。建物全体がカーブしているという変わった建物です。
f:id:zukaiseiri:20160906010129j:plain
しかし現在では鉄等輸送は廃れ、もっぱらトラックによる運搬が主流になっているようです。
ところが、もともとトラック輸送を想定していない建物であるため、あちこちで事故が起きているという話です。年間400件という話もありしたが、確実な裏は取れませんでしたので、事故が多発という表現にとどめております。ただ、築地移転を検討している都議会でも築地の交通事故の多さは話題として取り上げられており、事故が多いことについては紛れもない事実のようです。
以下のサイトが築地問題を詳細に取り上げてくれています。この中で、築地のトラック輸送の導線がなぜだめなのかも解説してくれています。ただ、以前築地移転騒動(2010年)があったときに主に更新されていたサイトなので、新聞記事へのリンクが切れてしまっているのが惜しい。
d.hatena.ne.jp
ともかく、築地が「非効率な物流」状態にあることは紛れもない事実なようです。
そして老朽化
そして何より、老朽化が激しいのが問題です。
小池都知事が視察に訪れたあとの記者会見で以下のように述べいます。
実際に築地市場に入ってみると、壁が落ちたり、金具が落ちてきたり、ある意味、危険な状況でした。
www.sankei.com
現地に赴いた知事がこのようにコメントされているくらいですから、老朽化は疑いようもない事実と考えて良いでしょう。また、ほかにも天井から鉄板が落下してきたり、壁が崩落するなどという事故も起きたことがあるようです。
とどめにアスベスト
戦前に建てられた建物ですので、当然のように建材にはアスベストが使われております。このアスベストが問題になったときに築地市場も当然対策工事はしているようですが、それでも毎年アスベスト対策費が運営計画に盛り込まれるなど、やっぱり問題は残っているようです。
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山本一郎(やまもといちろう) @kirik
こいつ嘘ばっかりだなw 1985年の築地移転検討資料見てこいよ。ついでに、アスベストがないならなぜ毎年アスベスト対策費なるものが築地市場運営計画に計上されてんの? https://twitter.com/nakazawa_mama2/status/769885649994330112 …
2016年8月29日 11:47
78 78件のリツイート 42 いいね42件
根拠が山本一郎さんのツイートのみで申し訳ないのですが、こういうことで嘘をつく人ではないので。すいません、どうしてもここで言及されている築地市場運営計画というものがネットでは見つかりませんでした。(裏の取り方をもっと学習します)
ともあれアスベスト自体は石原元都知事も言及していますし、小池都知事も言及しているので、存在自体は間違いないでしょう。
首都圏直下型地震は常に想定しないと
現状、築地は何とか営業できています。それは築地を長年使い続けてきた人々の工夫の成果なのでしょう。
ですが築地市場を現状のまま運営するとなったとき、常に考えておかなければならないのは首都圏直下型地震が起きた時の影響です。人間の力など及ばない大災害が起きてしまったとき、元からあった築地市場の諸問題はさらに悪化します。
そして問題なのは、築地が機能しなくなると、長期間にわたって食料流通に大きな影響が出るということなのです。
物流について
もとから車の渋滞が発生しているという築地市場ですから、地震が起きた直後ともなるとその物流の混乱は致命的なものになるはずです。果たして市場の中を車は通れるのでしょうか?
物流機能がマヒしてしまうことは当然予想すべきです。
老朽化について
これだけ老朽化した建物ですからいつ倒壊してもおかしくはありません。幸い、前回の東日本大震災は持ちこたえることができましたが、次の首都圏直下型地震があのときよりも規模が小さいと決めつけることはできません。
むしろ、あの時の地震で建物自体にダメージが蓄積している可能性だってあります。
それ相応の対策はなされていると思われますが、「壁が落ちたり、金具が落ちてきた」と小池都知事に改めて言及されているくらいですから、楽観視することは到底できません。
もしも建物が倒壊してしまったら築地の中にいる人々の生命に関わります。また、これらの人々が担っていた流通機能が機能しなくなってしまいます。近い将来に地震が起きることは分り切っているわけです、倒壊の危険性のある建物を使用し続けてはいけないのではないでしょうか。
アスベストについて
倒壊のリスクはまだ可能性の問題とも言えます。ですが確実に予想されるのが地震によってアスベストが飛散することです。アスベスト自体は呼吸器に入らない限りはそれほど危険視しなくてよいらしいですが(つまり食べても大丈夫)、それでも地震によって建物に強い負担がかかり、アスベストが飛散してしまえば場内は人が立ち入れる状態ではなくなってしまいます。むろん物流機能はストップです。
築地市場が使用不可になったときのことを考えよう。
築地市場は古い建築基準によって建てられた建物です。幸いにして、今まで大きな地震にも耐えてきたわけですが築82年の建物に過大な期待を抱くわけにはいきません。
もしも地震によって築地市場が使用できなくなるとどうなるでしょうか。
近年では築地市場を通さない食品流通が増えてきたとはいえ、それでも首都圏の食料流通に大打撃なのは間違いないでしょう。特に築地市場で取り扱われている海産物は野菜よりもさらに傷みが早いわけで、少しでも食料を確保したい緊急事態にも関わらず、これらの食料が無駄になってしまいます。
また、物流の回復までに長い時間がかかってしまうというリスクもあるでしょう。
以上のような理由から、築地市場を使い続けるわけにはいかないと私は考えます。
とにかく地震が来る前に築地市場から食品流通の拠点を別の場所に変えること。
これは私たちが地震から生き延びるための必要条件と言えるのではないでしょうか。
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後編は建築の問題よりもさらに問題の衛生状態についてのお話しになります。
http://zukaiseiri.hatenablog.com/entry/2016/09/06/%E8%B1%8A%E6%B4%B2%E3%81%8C%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%86%E3%81%AE%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E5%89%8D%E3%81%AB%E7%AF%89%E5%9C%B0%E3%81%8C%E3%82%84%E3%81%B0%E3%81%99%E3%81%8E%E3%82%8B
2016-09-08
豊洲がどうのこうのという前に築地を使い続けるのは大問題! 図解でわかる築地市場の問題点(後編)
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前回の記事では主に建築物としての面から築地市場がいかにリスキーな建物であるかを指摘させていただきました。
zukaiseiri.hatenablog.com
余談ですが、リスクという言葉の本来の意味は「将来への不確実性」だと金融工学の先生が言っておりました。つまり何が起こるか分からないという意味だと。その意味で、築地は大変に建築物として実にリスキーです。
築地市場は不衛生
それに対して衛生問題の面ではリスキーなどという言葉では表現しきれません。関係者の方々、本当に申し訳ありませんが言わせていただきます。
築地市場は衛生面で問題がありすぎです。
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開放性施設であること
多くの飲食店でドアが二重になっている理由をご存知ですか?
あれを風除室といい、風が吹き込んでほこりが店内に入らないようにする衛生のための設備です。(ほかにも店内の温度を保つ役割など複数の役割があります)
当然ですが、飲食物にほこりがつくのは衛生的に良くないことです。
しかし築地市場の写真を見てもらえばわかる通り、築地市場は屋外と屋内を仕切る壁がありません。
そのため、ほこりどころか、直射日光、風雨、そして野生動物など衛生的に良くないものが自由に出入りできてしまいます。
東京卸売市場HPの「新市場Q&A なるほど納得!築地市場移転」では築地市場の構造的な問題を以下のように解説しています。豊洲の説明は、読みかえれば築地ではそれができていないという指摘です。
Q
豊洲新市場における品質・衛生管理について詳しく教えてください。
A
築地市場を含めた今までの市場施設では、屋根と柱を主とした開放型の構造で、外部・内部の区別がありませんでした。
豊洲新市場では、卸売場や仲卸売場等を閉鎖型施設とすることなどにより、品質・衛生管理を強化します。
閉鎖型施設とは、商品が高温・風雨の影響や鳥・小動物等による害などを受けないように壁で覆って閉じられた構造にした施設のことです。
閉鎖型施設では、建物に接した着車スペース(バース)や専用の搬出入口(ドックシェルター)を介して搬出入を行うことで、外気温やほこり、排気ガスなどによる影響を遮断し、温度管理や衛生管理の徹底を図ることができます。
考えてみてください。普段利用するスーパーがテントのような構造で、風を遮るものは何もなく、商品に直射日光や風雨が当たり、店の端っこには野生動物が駆け回っている。そんな場所で食品を買いますか?
それが今の築地市場です。
築地が出来た当初はそれでも問題なかったのでしょう。しかし今は時代が違います。食品衛生が一般にも普及し、消費者は食の安全に目を光らせています。
老朽化の問題
不衛生さにさらに拍車をかけるのは、築地市場の建物が老朽化しているという事実です。
まず驚いたことに、築地には空調設備がありません。どんなに氷で魚を冷やしておいたとしても、やはり施設全体が冷えていたほうが良いのは当たり前です。
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生田よしかつ @ikutayoshikatsu
そこから約30年超古い施設のままでスッタモンダした。その間世間の衛生基準はどんどん上がり築地市場は取り残されつつあった。それに驚くことなかれ築地市場には空調がない。このクソ熱い夏でも常温の施設で生鮮食料品の取引をしている。海外の衛生基準は厳しい。当然築地市場の施設では輸出は無理。
2016年8月2日 15:18
187 187件のリツイート 74 いいね74件
さらに問題は雨漏りです。こちらも先ほど引用させていただいた生田よしかつさんが衝撃的な映像をツイッターにあげてくれていました。
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生田よしかつ @ikutayoshikatsu
今朝の豪雨時の築地市場仲卸売り場の様子。ちなみに雨漏り(雨降り?w)してたのはここだけじゃねぇよ。早く移転したい。
2016年8月20日 12:17
749 749件のリツイート 266 いいね266件
屋根から伝って流れ落ちた雨が清潔なはずがありません。目に見えなくても、雨は周囲に飛散しています。食品に直接触れなくとも外箱や発泡スチロールには掛かります。それを触った手が食物に触れるのでは、梱包の意味がありません。
築地市場の施設状況では、現代的な食品衛生の基準が守れるはずがないのです。
排気ガスには豊洲で問題になっているベンゼンだって含まれている
それに加えて、築地市場ではあの有名なターレを含めた多くのガソリン車が通行しています。当然、車からは排気ガスが出ます。(もっともターレはだいぶ電動化が進んでいるそうです)少し前の資料ですが、築地の一部は交差点なみの排気ガスの濃度だっという調査もありました。
築地関係者もこの排気ガスの問題にはきちんと取り組んでくれているいるわけですが、それでもやはり車が通る以上、排気ガスは避けられません。何度もスーパーを例に例えて申し訳ありませんが、ガソリン車がスーパーの店内を走っていたら衛生的のはずがないですよね。
水たまりは仕方ないで済まさないでほしい
今回、この記事を書くことにした一番の動機がここです。
豊洲の移転の話で、豊洲では海水で床を流せないから蚊やボウフラが沸く、という話を何度も目にしました。
衛生面を気にするなら、そもそも床に水たまりなんかを作らないでほしい、というのが本音です。ちなみに熱帯にあるシンガポールでは水たまりを放置すると罰金刑に処せられます。そこから蚊がわいて疫病の原因になるからです。
確かに魚を扱うときには水が必要になるというのは理解できます。
特に魚は生ものですし、そういう類のものが寄ってきやすいというのもわかります。
床が濡れるのは仕方ないことでしょう。
ですが、消費者に直接目に触れないからといって、床がそんなに不衛生な状態になっているのを放置して良いのでしょうか。海水を撒いておけば安心と古い知識で自己完結してはいけないのではないでしょうか。
そもそも食品衛生において、床は常に乾燥状態にさせなくてはいけないものなのです。こんなことはそこいらの牛丼屋のアルバイトですら知っています。なぜなら私がアルバイトの時に知った知識だからです。(もっとも別に食品衛生の講義を大学で受けたこともあります)
ボウフラは乾燥した場所では生きていられません。同様に食中毒の原因となる細菌の発生も抑えられえますし、悪臭も抑えられます。ネズミやゴキブリなどの野生動物も湿ったところを好む性質があるので近寄りにくくなります。
床は清掃しているとき以外は常に乾燥している状態が理想(というか当たり前)なのです。
この一例を取っただけでも築地の衛生観念推して知るべしなのです。
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築地の食品は衛生状態を悪くする環境に囲まれている
以上のように、築地市場は施設としての衛生管理がまったくなっていません。もちろん、築地の方々はそれぞれに衛生状態に気を配ってくれていると思います。
ですが、いかに個人の方が気を付けようとも環境そのものが不衛生では意味がないのです。そして築地から運ばれた先でどんなに衛生管理を徹底したとしても、そもそも大元の築地が衛生的でないならその努力が無駄になってしまうのです。
正直、今回私も調べるまで、築地がこのような状態だとは思いもしませんでした。
また海水の例に見て取れるように、築地市場で働く方々が、衛生観念が無いとは言わないにしろ、かなり偏った知識、あるいは時代遅れの知識のままでいるということもわかりました。
「食の安全」というのは築地市場の移転問題において重要な要素の一つでしょう。特に我々日本人は「食の安全」に敏感です。
前回宣言した通り、この記事では豊洲移転に関わる意見は言いませんが「食の安全」を理由に移転を反対するなら、移転反対をしている業者は即刻築地での営業を停止しなくてはいけないことになります。
この件に対する移転反対派の意見をぜひお待ちしております。
(※補足)
築地で使用されている海水は濾過されたもので、海の水をそのまま撒いているわけではなくその点では衛生面での問題は無いと思われます。誤解している方がけっこういるようなので補足です。
ちなみに移転先の豊洲で海水が使用できないことを煽るメディアがたくさん見受けられましたが、食品衛生の基礎すらまともに勉強していないか、あるいは知っていて無視しているかの2つに1つだろうなと思います。きちんと浄水処理され、消毒されている水道水のほうがどう考えたって衛生的ですよ。
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