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石原元知事が書類に捺印 「技術会議」が盛り土消したのか 解除できるのか 豊洲“時限爆弾”
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/190175
2016年9月21日 日刊ゲンダイ
石原慎太郎元都知事(左)と豊洲地下空間/(日本共産党都議団撮影)
豊洲市場の「盛り土」問題。当初行われるはずだった工事はなぜ、行われなかったのか。分岐点は2009〜10年の期間に行われた「技術会議」にあるとの見方が有力だ。
この技術会議は石原慎太郎元都知事の主導で運営されていたとみられている。また、石原知事が「盛り土」を行わない旨を示した工事契約書にハンコをついていたことも判明した。「(地下空間案について)一切報告を受けていない」などと無関係を装っているが、もう、言い逃れはできない。
誰が「盛り土」問題の犯人なのか、徐々に明らかになってきた。東京都では数日前から、09年7月〜10年7月に担当部局「中央卸売市場」に所属していた職員から、本格的な聞き取り調査を開始。この時期に「盛り土計画」が変更され、「地下空間案」が採用された可能性が高いという。
当時の部局トップで市場長(09年7月〜11年7月)だったのは岡田至氏(現・東京都歴史文化財団副理事長)だ。詳しい経緯を聞かれているはずである。この岡田氏が取り仕切ったとされるのが「技術会議」で、どうにも怪しい会合なのだ。
もともと、土壌汚染対策については、07年5月、平田健正・放送大学和歌山学習センター所長を座長とする「専門家会議」が設置された。この「専門家会議」は盛り土の必要性を訴えていた。だが、08年7月に解散してしまう。その後、08年8月に新たにつくられたのが「技術会議」だ。市場関係者はこう言う。
「平田さんが仕切った『専門家会議』は、とにかくオープンなものでした。会議自体を公開していて、会議後は傍聴者からの質疑応答も受け付け、意見を取り入れていた。ところが、技術会議は一転、“ブラックボックス”のようなものになってしまった。メンバーが誰かもわからないし、いつ会合しているのかもわからない。まるで“闇会議”のようだった。いつの間にやら、盛り土計画がなくなってしまったんです」
どうやら、石原知事にとって「専門家会議」は、コントロールの利かない気に食わない会議だったようだ。当時、市場長だった比留間英人氏(06年7月〜09年7月)とも、しっくりいっていなかったらしい。08年、石原知事が地下にコンクリートの箱を埋めるプランを提案しても、比留間氏ははねつけている。豊洲の土壌汚染問題を長年追及する日本環境学会元会長の畑明郎氏はこう言う。
「専門家会議の提言どおりに工事を行うと、1000億円以上の費用がかかると見込まれていた。費用を抑えたい石原さんにとって、専門家会議と、言うことを聞かない比留間さんは“厄介モノ”だった可能性があります。それで、『専門家会議』を『技術会議』に、市場長を比留間さんから岡田さんに代えて、自分のコントロール下に置いたのではないか。そうみている関係者は多くいます」
11年8月に結ばれた約333億円の工事契約では、「盛り土」を行わない旨が明記され、石原知事はその契約書に印鑑を押している。「盛り土」問題の真相は、石原知事と岡田市場長の2人が知っているはずである。
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