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【築地移転問題】「都から完全独立ならやる」 豊洲の盛り土、専門家会議
http://tanakaryusaku.jp/2016/09/00014465
2016年9月18日 17:40 田中龍作ジャーナル
専門家会議座長の平田健正・放送大学和歌山学習センター所長(右)と「市場問題プロジェクトチーム(PT)」の小島敏郎座長(元環境省審議官・弁護士)。平田座長とはほぼ10年ぶりの再会となった。=17日、都庁 撮影:筆者=
2007年に「4.5メートルの盛り土が前提」と答申を出した専門家会議が、問題発覚を受けて再結集した。座長の平田健正・放送大学和歌山学習センター所長が17日、都庁で会見を開き、今後の対策を示した。
会見にはオブザーバーとして会議に参加する「市場問題プロジェクトチーム(PT)」の小島敏郎座長(元環境省審議官・弁護士)も臨席した。
開口一番、平田座長は「前回と同じメンバーで、事務局も都から独立する形であればお引き受けする」と条件を都に突きつけたことを明らかにした。
本来ならば、自分達が専門的見地から提言した事を頭から無視した東京都に、また協力する筋合いは無い。専門家会議は都からのフリーハンドを約束させた。
再調査したデータも専門家会議で一元管理する。会議は全て公開の席上で行ない、答申の時期も制約はないという。
平田座長は、メディアに対しても公平でない部分が多々あるとし、全て情報は会議を通すと明言した。
この日、平田座長は冒頭発言だけでなく記者との質疑応答まで、会見の一切を取り仕切った。都に任せると都合のいい記者に都合のいい質問をさせるからだ。
平田座長はまた、「築地市場の方々とのコミュニケーションができるような雰囲気作りが一番大事。会議の席上でご意見を伺って行きたい」と述べた。
市場とは、東京都の市場担当者ではなく、今まで疎外され続けた仲卸業者らを指すことは明らかだ。そもそも彼らの声に真摯に耳を傾けていれば今日の問題は起きるはずもなかった。
専門家会議の答申の性格について、平田座長は「提言になる。責任追及の場ではない」と断言した。
しかし、石原知事が “新しい技術を使えば効果的” と過去に発言したことに対しては、「実績のない技術を使うのは難しい」と盛り土をしなかったことに疑問を呈した。
「空洞」が明らかになる前から仲卸業者の過半数は、豊洲への移転に反対だった。=2013年9月、移転反対デモ・都内 撮影:取材班=
専門家会議の主な検討事項は、「なぜ4.5メートルの盛り土がされなかったのか?」の事実確認をすることにある。
「全域に4.5メートルの盛り土があることが大前提・・・今の建物の中に改めて盛り土をすることは技術的には難しい」
「豊洲は地下水の管理をすることが大前提・・・雨水が地下浸透する。地下水を管理しないと10年、20年で水浸しになる。必ず4.5メートル盛り土しないと」と、平田座長は盛り土の重要性を重ねて強調した。
田中は07年に専門家会議が豊洲を視察した際、同行したことがある。地面に大量の水たまりが出来ていた。雨が降ったのでなければ地下水が染み出てきたことを示す。
「平田先生が “東京ではここ2〜3日雨が降りましたか?” と私に聞くので答えようとすると、都の職員があわてて私を羽交い絞めにして、先生と私を引き離したんですよ」。
情報隠しに なりふり 構わない都の姿勢を田中が話すと、小島PT座長は身をよじって苦笑した。平田座長は「ああ、そんな事があったね」という顔をした。
16日、都は豊洲の空洞をメディアに公開したが、参加できたのは都庁記者クラブの加盟社だけだった。フリーランスや日刊ゲンダイなどは除外された。平田座長はアッケに取られた顔をした。
2時間にわたる白熱の会見が終わり、筆者が挨拶すると、平田座長は「こんな形でお会いしたくなかった」と嘆息した。
まさか自分が再び豊洲の表舞台に駆り出されるとは。その会見場で、自分と同じように煮え湯を飲まされた当時の記者と9年ぶりに会うことになるとは。
石原知事と都庁の役人はお釈迦様でも気が付くまいとタカをくくっていただろうが、お天道様は見ていた。
〜終わり〜
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