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2016/09/18 04:51
<首相経験者が野党の幹事長を務めるのは極めて異例。蓮舫代表は議員総会で、幹事長起用の理由について「安倍(晋三)首相と対峙(たいじ)する、衆院でしっかりして頂ける経験を持っている」と説明した。
野田氏は蓮舫氏が所属する議員グループを率い、蓮舫氏が最も信頼を寄せる人物。首相時代は安倍氏と党首討論で渡り合い、最近も野田政権が決めた10%への消費増税を安倍氏が2度にわたり延期したことや「アベノミクス」への批判を強めていた。蓮舫氏としては、安倍政権と対決する象徴と位置づけたい考えだ。
だが、野田氏の首相時代の政権運営に対する不満や不信はぬぐえていない。総会では逢坂誠二衆院議員が「様々なことに対する考え、思いを皆に伝えなければ、蓮舫代表の船出に傷が付く」と指摘した。野田氏は直後にあいさつし、「多くの落選して戻れない人たちのためにも、自分の政治人生の落とし前を付けるつもりで、火中の栗を拾う決断をした」と述べた。
野田氏は当初、共産党との共闘にも慎重で、首相時代に対立した小沢一郎氏らとの連携には極めて否定的だった。幹事長就任後、野党共闘について記者団に問われると、「強い自民党・公明党連合軍に挑んで戦っていくには野党間の連携も不可欠だ」と語った。蓮舫氏も16日、朝日新聞のインタビューで、「代表の判断次第」と述べ共闘路線を踏襲する意向を示した>(以上「朝日新聞」より引用)
誰の目にも明らかな対立軸を持たない野党は「反対のための反対」を繰り返すだけだ。それでは政権を執ったとしても、国民のための重責を担うことは出来ない。
なぜ民主党は国民の信を失ったのか。答えは明確だ。政権獲得時のマニフェストに表現された「国民の生活が第一」の政治から、菅・野田両代表が米国の1%のための政治に舵を切ったからだ。その典型的な政策が当時の菅首相が表明した「TPP参加」と「消費税10%」だ。
野田氏は未だに「税と社会保障の一体改革」を安倍氏と野合したことにより政権を失ったと勘違いしているようだが、それは彼がいかにお粗末な頭脳をしているかの証拠に他ならない。事実、安倍自公政権は消費増税8%を実施したことにより日銀が異次元金融緩和した「インフレ策」を帳消しにする需要不足を引き起こして日本経済をデフレ化傾向から脱却できないままになっている。
安倍自公政権は明らかに経済策を誤っている。しかし政権支持率がそれほど下がらないのは野党第一党の民進党が第二自民に過ぎないからだ。第二自民に任せるほどなら本家の安倍自民に任せた方が「安心」だと考えるのは当たり前ではないだろうか。
野田氏は世界で起こっている現象の背後にある深刻な対立関係、という現状認識すら出来ていないようだ。英国がEU離脱を国民投票で決めたのは薄っぺらな「自国主義」ではない。トランプ氏が「メキシコとの国境に壁を築き」「TPPに反対する」というのも、人気取りだけの政策でないからトリッキーな人物が米国の大統領候補になったのだ。
つまりグローバリゼーションの化けの皮が剥げて、その実像に皆が気付き始めたからだ。グローバリゼーションが具体的な政策として現れているのが欧州ではEUであり、環太平洋ではTPPだ。それられ共通するのは国境の壁をなくして「ヒト、モノ、カネ」の出入りを自由にする、ということだ。
「ヒト、モノ、カネ」の出入りを自由にするといかなる現象が起きるのか。それは英国やドイツで実証されているではないか。四方の流動性が高まり強い企業はより強くなり、その雇用吸収力に移民が集中する、ということだ。
英国は人口6800万人ほどの国に毎年30万人もの東欧から移民が流入し、すでに800万人に達している。彼らは安い給料で働くため、英国民の賃金は低く抑えられ、貧困層の雇用すら奪われている。同じ現象はドイツでも起こり、移民受け入れを表明していたメリケル氏も苦境に陥っている。
安倍氏も労働移民を毎年20万人10年間受け容れると表明している。TPPに参加すれば人数を政府が限定することは出来なくなり、TPP域内での「ヒト、モノ、カネ」の移動は自由になる。つまり英国やドイツと同じ現象が日本でも起きるということだ。
日本ではグローバリゼーションは「構造改革」という衣装を纏っている。「構造改革」は消費増税5%を導入した橋本政権に始まり、小泉時代に竹中氏により強力に推進された。それにより何が起こったか、皆さんは御存知のはずだ。国民の格差拡大と貧困化が確実に進行してきた。
グローバル化は「国民の生活が第一」の政治に反するものだ。それは強欲投資家たちを満足させるだけのものでしかない。「構造改革」による規制緩和によりバスやタクシーが爆発的に増加して悲惨な事故が多発し、労働者たちの賃金は確実に引き下げられた。
その反面、企業の内部留保は最大となり日本の基礎年金などを食い物にするハゲ鷹投機家たちは巨大な利益を手にしている。日本国民が営々として築いてきた資産を奪い取ろうとするグローバル化を主導している連中のタクラミはまんまと成功している。
そうした深刻な状況も理解できず、自らの愚かさで政権を失ったのを小沢氏のせいにして忌み嫌い、民進党幹事長として安倍氏と対決するのだ、というガキのような発想しかない政治家が大きな顔をして野党第一党の幹事長に就くなど噴飯ものというしかない。
小沢一郎氏はその慧眼により「国民の生活が第一」という理念を掲げて民主党を政権につけた。当然のように消費増税に反対して野田氏の民主党から追い出された。そして民主党は壊滅的な大敗を期して、未だに党勢は回復していない。
私は何度もこのブログで「民主党は総括すべきだ」と主張した。その思いは今も同じだ。野田氏が反省しないなら、再び彼は民進党を大敗へと導くだろう。
研法師が政治的理念なきフワフワとしたタレントとしての魅力で党首に就任したに過ぎない。残念だが彼女に野党第一党の党首にしたのは間違いだ。なぜ小沢一郎氏を担いで党首にしないのだろうか。民進党の国会議員たちはそれほどバカな連中の集まりだということなのだろうか。
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