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2016年09月17日
やはり、蓮舫民進党代表は党幹事長人事で、最も忌み嫌われる花斉会の親分、民主党政権を自民党安倍晋三に売り渡した“売党奴・野豚”と呼ばれる前首相・野田佳彦を選んだ。民進党のコアが、準自民党的であるなら、このような選択は、党内バランス上ありだろう。しかし、一般ピープルの目から見るならば、最低、最悪、獄門打ち首に等しい、否、青酸カリを飲み干すくらい即効性のある“自殺方法”ではないかと映るに違いない。
しかし、ある程度、民進党の体質を知っている人間から見ると、専守防衛航行においては、あり得る選択可能な人事だったと考えることも出来る。蓮舫代表は、個人的話題性(人気)で、野党第一党の代表になったは良いのだが、民進党内で、党務と云う類に長けていると云う話は聞いたことがない。つまり、自分に強く逆らう人間のいない場では、元気のいい、甲高い声と青筋で持論を展開できるが、蓮舫の論理矛盾など、揚げ足取り等、隙あらば斬る、そう云う鵜の目鷹の目連中と対峙するのが怖いのだろう。そう云う意味で、党としては最悪な幹事長だが、蓮舫代表にとっては最適の野田幹事長なのである。
本来であれば、蓮舫代表による野党第一党民進党の党役員人事の刷新によって、ご祝儀相場ではないが、ご祝儀支持率アップが一般的だが、今回の蓮舫代表の党役員人事では、不祝儀相場になりかねない。今月の朝日新聞世論調査では、各党支持率は、≪自民40%、民進7%、公明4%、共産3%▽維新2%、社民1%、生活0%…支持する政党はない37%答えない・分からない5%≫となっているが、次回の世論調査が見ものだ。おそらく、4〜5%台に急落する可能性が見えてきた。連合等々は今まで通りのスタンスだろうが、一般ピープルの理解を得るのは、ほぼ無理なのだと思う。4%台に落ちると、蓮舫代表責任論まで出てきそうだ(笑)。
野田佳彦が自らシャシャリ出てきたと云う事ではなく、やはり、蓮舫に懇願された可能性の方が強い。しかし、民進党内の力の均衡には役立つ人事も、一般ピープル受けをする人事ではない。野党は野党であり、政策で国民を引きつけるのは非常に難しいわけだから、自民党安倍政権の弱小版政党では、おおさか維新と、何ひとつ変わらない。改憲にも賛成だし、原発再稼働にも賛成、辺野古移設にも賛成、消費増税にも賛成。安保法制も9条改憲を除き賛成。違いを見つけるのが困難なような政党になる可能性は高まっただろう。
民進党が、このような変貌を遂げてしまうと、民進・共産・生活・社民による“野党の連携”にもヒビが入る可能性さえ見えてくる。朝日新聞、9月10,11日調査によると、各党支持率は、概ね≪自民40%、民進7%、公明4%、共産3%▽維新2%、社民1%、生活0%…支持する政党はない37%答えない・分からない5%≫となっているが、民進が4%台となると、連携の核の立場を共産党に譲る事態にもなりかねず、共産・生活・社民+自民、民進離党者などで構成する反安倍政治政党像が浮かんでくるが、これも相当に妄想的である。どうも、一段と安倍自民党政権の一強が継続するばかりの情報ばかりが闊歩している。
こうなると、自民党内の権力闘争、“菅官房長官vs二階幹事長”の全面対決とか、アメリカ大統領にドナルド・トランプ氏が就任するとか、東証株価が1万円の大台を切るとか、Ⅿ8クラスの東海地震が起きるとか、川内原発が事故を起こすとか、北朝鮮が秋田や北海道にミサイルを撃ち込むとか、兎に角大ショックが起きないと、何も変わらないのかもしれない。いや、逆に、現在の消去法的政治選択では、一層安倍自民に支持が集まることも充分にある。どうも、日本の社会はどちらに転んでも“糞詰まり”そう云う悲壮な姿が浮かぶのだが、一般ピープルに、そんな危機感は微塵もない(笑)。
東京新聞が16日の社説で、大いに蓮舫民進党の門出に期待する話を書いてくれたわけだが、瞬時にして、その期待を裏切る可能性が高くなった。小泉元首相が、毎日新聞のインタビューで民進党の現状を憂いて「ひどいよ、あれ。ガッタガタじゃないか。何やってんだよ」と皮肉にもエールを贈られている。東京新聞は、高尚な立場から、「包摂」と「説得」の政治文化を取り戻す契機としてほしい、と述べているが、野田幹事長と蓮舫代表では、“切り捨てご免ん体質”が全面に出てきそうだ。
東京新聞はまた、私たち有権者も、選択肢となり得る政党を根気強く育てる努力を怠るべきでない。それが自分たちの民主主義を強くする。傍観や冷笑は民主主義の自殺行為である、と述べている。抽象的にはその通りだが、今回の人事を眺める限り、蓮舫代表は選択肢となり得る野党の立場はいりませんと宣言したも同じだろう。せめて、枝野幹事長の継続であれば、一般ピープルの期待をある程度引き留めておくことも可能だったが、野田豚では、自ら野党第一党の地位を、大阪維新に譲ったようなものだ。どうも、花斉会の体質は、敵対勢力に塩を送るのがお好きなようだ。
≪民進代表に蓮舫氏 包摂と説得の政治へ
民進党新代表に蓮舫参院議員が選出された。党勢回復は前途多難だが、「安倍政治」が欠く「包摂」と「説得」の政治文化を取り戻す契機としてほしい。
民主党と維新の党が合流して三月に結成された民進党。初の選挙による代表選びは、代表代行だった蓮舫氏(48)が、かつて民主党代表を務めた前原誠司元外相(54)、初めて代表選に立候補した玉木雄一郎国対副委員長(47)を退けた。
蓮舫氏は、旧民主党時代を含めて初の女性代表だ。国会議員、国政選挙公認候補予定者、自治体議員、党員・サポーターのすべての票を制したことからは、同氏への期待の高さがうかがえる。
◆傍観や冷笑ではなく
蓮舫氏は新代表就任のあいさつで「これからもいばらの道、険しい道かもしれない。それでも登り続けて、しっかり政権を担い、私たちが今、同じ思いを持つ国をつくりたい」と述べた。
新代表が自覚するように、民進党を取り巻く政治状況は依然厳しい。政権転落した二〇一二年の衆院選以降、国政選挙では四連敗。政党支持率も10%前後と低迷し、40%前後を維持する自民党に大きく水をあけられている。
政権転落から四年近くがたっても、反転攻勢のきっかけがつかめないのが実情だ。旧民主党政権時代、公約に違反し、未熟な政権運営で期待を裏切ったことへの有権者の不信感が、それだけ大きいということだろう。
一度失った有権者の信頼を取り戻すのは容易ではないが、野党第一党がこのまま低迷し、政権の選択肢になり得ない状況が続くのは日本の民主主義にとって不幸だ。
私たち有権者も、選択肢となり得る政党を根気強く育てる努力を怠るべきでない。それが自分たちの民主主義を強くする。傍観や冷笑は民主主義の自殺行為である。
◆政策論議に労厭うな
自民党政治の後追いや二番煎じでは、再び政権を担い得る選択肢とはなり得ない。安倍晋三首相が総裁として率いる自民党が失い、ぽっかりあいた穴を埋めるような政治が、政権を目指す蓮舫民進党には求められている。
それをあえて「包摂」「説得」と表現し、民進党の政策立案の指針に加えるよう望みたい。
包摂とは字義通り「包み込む」ことである。政治「改革」で衆院に小選挙区制が導入されて以降、「敵」か「味方」かに分け、過剰に攻撃する風潮が国会内のみならず、社会全体に広がる。政権に異を唱える者を徹底的に攻撃し、排除しようとする傾向すらある。
経済政策や社会保障政策も同様である。社会的弱者を自己責任論で切り捨てる。一部の者は富を増すかもしれないが、経済格差が広がり、結果として社会全体から意欲と活力を失う。そのような冷徹な社会が、日本が追い求めてきた理想の姿なのだろうか。
人間は独りでは生きてはいけない。一人一人が社会の重要な構成員だ。安倍政権が手を付けようとしない今こそ、包摂の政治へと転換の可能性を示す好機である。
民進党は具体的な政策づくりに直ちに着手すべきだ。二年以内に行われる衆院選までに、政権選択肢となり得る政策を有権者に示さなければ、党の存在意義はない。残された時間はあまりない。
大きな政党には多様な考えを持つ人が集うのは当然だ。民進党内では安全保障、原発・エネルギーなど重要政策をめぐる意見の違いも指摘される。だからといって亀裂を避けるために意見集約を避けるのでは本末転倒だ。
つらくても労を厭(いと)わず侃々諤々(かんかんがくがく)の党内議論を進めるべきである。重要政策をめぐって党内の意見が分かれたままでは、有権者から政権交代への意欲を疑われる。
「説得」も民進党が自民党との対立軸として示すべき政治文化である。安全保障関連法の採決強行を例に挙げるまでもなく、安倍政権下では、自分たちの主張のみが正しく、反対意見を聞き入れようとしない場面が目立つ。
かつての民主党政権にも同様の傾向があったことは否めない。
◆民意畏れる謙虚さを
しばしば「説明責任」を果たす必要性が指摘される。国民の理解を得ると言いながら、説明の努力すら怠るのは論外だが、一方的な説明だけでは、政治の責任を果たしたことにはならない。
以前の自民党には民意を畏れ、有権者に分け入って理解を得ようと努力する謙虚さがあった。今の自民党がそれを欠くのなら、新生・民進党が代わりに示せばいい。
代表選期間中、蓮舫氏は台湾との「二重国籍」が指摘された。多様性を否定する個人攻撃だとしたら嫌悪感を禁じ得ないが、二転三転した蓮舫氏の説明が有権者に好印象を与えたとも言えない。事実確認を怠った反省を教訓に新体制の運営に全力を傾注してほしい。
≫(東京新聞:16日付社説)
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